ファッション

パーパスやスタンスを「表明しないブランドは、支持されない」 石井リナに聞く発信のススメ

 女性向けのエンパワーメントメディア「ブラスト(BLAST)」と、生理用品ブランドの「ナギ(NAGI)」は、商材・サービスもビジネスの形も異なっているが、双方は「日本のジェンダーギャップの解消や、女性の開眼」というパーパスの上に立脚している。だからこそメディアとプロダクトという異なる商品・サービスを扱うことについても石井リナBLAST最高経営責任者(CEO)は、「違和感はなく、むしろプロダクトとメディア、コミュニティ(という3つの形態で)で、女性にとって身近だけれどポジティブに語られてこなかった問題をオープンにすることでエンパワーメントしたい」と話す。パーパスを確立・共有していたからこそ、「初めての小売は慣れずに大変なこともあったけれど、皆で『この時代にモノを作る責任』を感じながら進んでいる」。スタッフは、「フェミニズムや、社会との密接な関係というアイデンティティに持つ会社と認識し、入社してくれる。だからビジネスが変わっても、大きなギャップは感じない」。パーパスの構築と共有は、新機軸のビジネスの推進にもつながるようだ。

 「スタンスを表明しないブランドは、もう支持されない。現代のブランド像として、適していないのかな?」と思っている。「私たちも『誰かを傷つけていないか?』や『マイノリティのあらゆるシーンを想定できなくて炎上することはないか?』と思うことはあるが、スタンスの表明は怖いことじゃなくて当たり前」。実際、SNSのエンゲージメントなどから判断する限り、「『ナギ』の選択者には、メッセージ性や価値観に共感してくれている人が多いのかな?」と分析する。だからこそ、パーパスの発信には注意を払う。「特定の誰かを攻撃していないか?」「価値観を押し付けてはいないか?」「画一的な美しさを表現していないか?」などは、発信前に必ずチェックするポイント。吸水面をグレーにすることで周期の始まりや排卵日の目安、身体の不調にいち早く気づけるように願った妊活用のショーツ「ナギ サイン(NAGI SIGN)」の発売に際しては、妊活中の当事者の話を聞いて、商品名を含む一連の表現を考えた。「当初は『ナギ チェック』という名前でしたが、妊活中の方にとって生理は来て欲しくないもの。(来たことを)チェックするものではなく、『ナギ チェック』は当事者が望むニュアンスではないことを学びました」。


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