ファッション

天然繊維を選びたい?麻にも種類が!? マリエが本音で語る「私の33年目のサステナブル」Vol.38

 サステナビリティの観点から「天然素材」というアプローチをよく目に、耳にすることが多くなった。洋服を選ぶときの基準として、「天然素材」と聞くとなんだかとっても環境にいいもののようにも感じる。今回は、その中でもみんなからよく聞かれる「麻」についてのお話。

 天然素材の中でもよく使われるのは、綿か麻だろう。「コットンはオーガニックを選ぼう!」という話は何度もしているが、対する麻という素材も奥深い。スーパーヒーローのような素材だ。

 麻科の植物には、30以上の種類がある。衣類でよく見るのは、リネン(亜麻)とラミー(苧麻)、そしてヘンプ(大麻)だ。どれも決して安くないが、世界中で古くから使われてきた丈夫な繊維だ。実際古い衣類を紐解いていくと、退化しやすい綿素材はほとんど残っておらず、一方の麻素材は調査資料として残っていることが多い。繊維自体の耐久性がうかがえる。つまり長~く着用できるのだ。

 リネンとヘンプは、一年草といって一年の周期で花が咲いて枯れていく。ただしリネンは土の栄養を一気に吸収してしまうため、同じ場所で栽培し続けることが難しい。土をダメにしてしまうのだ。土の生き返りには5~7年の歳月がかかると言われる。毎回別の場所で栽培しなくてはいけないため、広大な土地が必要になることも割高な理由の一つだ。一方、同じ一年草でもヘンプは「輪作」できる。同じ耕地に一定年限ごと、違った種類の作物を特定の順序なら栽培できるのだ。まさにサーキュラー型の植物だ。

 ラミーは多年草、2年以上同じ株から花を咲かせる植物だ。葉は枯れずに冬でも残るが、収穫に数年を要し、通常はリネン同様、農薬と化学肥料が必要だ。対するヘンプには農薬なしでもグングン育つ特徴があると言われる。さらに赤外線防止指数は、リネンが5%くらいなのに対し、ラミーは25%、そしてヘンプはなんと50%!栽培できる気候条件もリネンは冷帯、ラミーは熱帯のみなのに対し、ヘンプは基本どこでも大丈夫だ(北極や南極などは除く)。大気中の二酸化炭素を大量に吸収し、年間降水量が100mm程度と極めて少ない場所でも育つと言われ、緑化にも貢献する。

 とスーパーサーキュラーヒーローなヘンプだが、なかなか選びづらいのは、ルール化された品質表示では「麻」と表記できないから。「麻」と表記できるのは、リネンとラミーだけ。ヘンプは「その他の繊維」となってしまう。価格も大きな課題だ。

 ヘンプを使用しながら価格を抑えているブランドとしてオススメなのは、オーストラリアのブランド「アフェンズ(AFENDS0)」。積極的にヘンプとオーガニックコットン、リサイクル素材を取り入れ、表記も可視化できる。ジェンダーを問わず、価格帯は6000円台から1万円前後がメーン。オーストラリア特有のお洒落感とストリート感でデイリーユースにぴったりだ。現在海外では、ファストファッションの代替ブランドとしても注目を集めている。

 そんな「アフェンズ」は半年前、自国に100エーカーの土地を買ってヘンプの栽培をスタート。その需要と研究のための活動も開始した。ヘンプの茎は建材になる。1つのファッションブランドが大きなアクションを起こしていることに、未来への期待が広がる。しっかりとした知識を学びファッションを楽しむことは、地球を救う一つのアクション。ワクワクした未来を、ファッションと一緒に楽しみながら、期待し、着たい。

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