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ライバルが次々と手を組む時代へ
化粧品業界の大手競合企業、花王とコーセーがサステナビリティのためにタッグを組むという大きなニュースが飛び込んできました。言うまでもありませんが、サステナビリティは一企業だけで頑張っても成し遂げられないことが多く、業界が一丸となって取り組むべき課題。今回は互いの強みを生かして人や社会、地球環境など幅広く取り組むそうです。花王はドラッグストア大手のマツキヨココカラ&カンパニーと共同開発したエコ容器を発表したばかりですが、メーカーであるコーセーとの協業はまた新たな可能性を生み出しそうで、期待が高まります。
ファッション業界でも、アディダスがオールバーズとコラボしてカーボンフットプリントを抑えたシューズを作ったり、先日リシュモン傘下の「カルティエ」とケリングがウオッチ&ジュエリー領域のサステナビリティに関して協業を発表したり、競合同士のタッグが増えている印象です。
これまで企業の利益や人の都合を優先したあまり、地球環境を蔑ろにしてきたわけですが、利益ばかり追求できない時代になっています。サステナビリティは競い合うものではないからこそ、これまではあり得なかったライバル同士のコラボが生まれ、そこから新たなアイデアや可能性がたくさん出てきそうです。
花王とコーセーが化粧品事業のサステナ領域で協働
花王とコーセーは10月14日、化粧品事業のサステナビリティ領域において、包括的に協働することに合意したと発表した。今後、両社は人や社会、地球環境のさまざまな分野でそれぞれの強みを持ち寄り化粧品事業における持続可能な社会の実現に寄与するソリューションを見出していく。
近年は気候変動や資源枯渇、海洋プラスチックごみなどの社会的課題が顕在化し、グローバルで持続可能な社会への転換が求められている。しかし個々の企業の取り組みだけでは限界があるテーマも多く、企業同士が協働で取り組み、協力して進めることでより効果的、かつスピー ディに成果につながる可能性が広がるとして、競合の垣根を超えてタッグを組む。
まずは、1.環境保護・循環型社会の実現に貢献する取り組み 2. 社会課題の解決に貢献する取り組みをテーマにスタート。包装容器へのさまざまな環境配慮素材の導入や資源循環/アップサイクル施策の共同推進、スキンケアやUVケアなどの啓発活動の共同展開・連携などを進める。
「ステラ」が「セックス・エデュケーション」とコラボ “トイレ、歯みがき、おっぱいチェック”を呼びかけ
「ステラ マッカートニー(STELLA MCCARTNEY)」は、10月の乳がん啓発月間に合わせてネットフリックス(NETFLIX)の人気ドラマシリーズ「セックス・エデュケーション(SEX EDUCATION)」とのコラボ映像やTシャツを発表した。キャンペーンは“トイレ、歯みがき、おっぱいチェック(Toilet, Teeth, Tits、TTT)”と題し、朝のルーティーンの中で定期的に乳がんのセルフチェックを行うことを呼びかける。
約2分間の映像には、「セックス・エデュケーション」のメインキャストのエイミー・ルー・ウッド(Aimee Lou Wood)やチネイェ・エゼドゥ(Chinenye Ezeudu)、サミ・アウタルバリ(Sami Outalbali)、ミミ・キーン(Mimi Keene)、シャニール・クラー(Chaneil Kular)、シモーヌ・アシュリー(Simone Ashley)が登場し、若者たちに向けて“TTT”のセルフチェックの重要性をコミカルに伝えている。
さらに、2021年ウィンターコレクションの一部として、ペールブルーのオーガニックコットン製の“TTT”Tシャツ(税込5万1700円)を販売した。フロントとバックにロゴをあしらい、Tシャツは触れると色が変化する熱反応性染料を使用した。Tシャツ1枚の売り上げごとに「ステラ マッカートニー ケアズ」基金を通して、両乳房切除術後用のコンプレッションブラ“ルイーズ リスニング(耳を澄ませるルイーズ)”をチャリティー団体や大学病院などに無償で提供する。同アイテムは、乳房切除の手術を受けた女性向けにデザインされたもの。柔らかいコットンとコットンレースを使用し、しなやかなアンダーバンドとフロントジップファスナーとバックのホックで着心地の良さを叶えた。2018年にはさらに改良を加え、義乳房用の内側ポケットや調整可能なワイドストラップも導入した。サイズは、XS〜XXLをそろえる。
「クワイエット・ラグジュアリー」の静寂を破り、2026年春夏のウィメンズ市場に“カワイイ”が帰ってきました。しかし、大人がいま手に取るべきは、かつての「甘さ」をそのまま繰り返すことではありません。求めているのは、甘さに知性と物語を宿した、進化した“カワイイ”です。「WWDJAPAN」12月15日号は、「“カワイイ”エボリューション!」と題し、来る2026年春夏シーズンのウィメンズリアルトレンドを徹底特集します。