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「無印良品」30年に売上高3兆円へ 次期社長の堂前氏、6倍の成長掲げる

 「無印良品」の良品計画は21日、2022年8月期にスタートする新中期経営計画を発表した。会見に登壇したのは、9月1日に社長に就任する堂前宣夫専務。30年8月期の目標として、売上高3兆円、営業利益4500億円、国内・海外合わせて2500店体制を掲げ、「個店経営」「土着化」といったキーワードで表現する地域密着型の事業モデルを描く。こうしたビジョンを実行に落とし込むための仕組み作りや組織体制が、新中計の骨子となった。

 「(コロナ禍を経験し)本物、本質を重視する人が増えている。今の環境は、(消費社会へのアンチテーゼとしてスタートした)『無印良品』の創業時の思想に重なる。ならば当時の考え方を掘り起こし、テクノロジーも組み合わせながら今の時代に合った形にしていく」と堂前専務。「社会や人の役に立つ」という企業理念のもと、具体的には「生活に欠かせない基本商品・サービス群を、誰もが手に取りやすい価格で提供する」こと、「店舗が地域のコミュニティーセンターとなり、自治体や地域住民、企業と共に課題に取り組む」ことの2つを使命として定義する。

 24年8月期までに、商品政策の面では「生活の基本領域」に当てはまる商品の品ぞろえを拡大。同時に、ノウハウを持つ外部人材も積極登用して生産開発部を立ち上げ、商品計画部は精度を上げて欠品や供給過剰を防ぐ。調達・生産のサプライチェーンマネジメントを強化することで原価を下げ、価格の見直しを継続。衣料品の「ユニクロ(UNIQLO)」、家具の「ニトリ」などの競合専業メーカーに負けない価格と品質のバランスを追求し、海外で割高になっている内外価格差も是正する。

 出店政策では、まずは国内と中国に投資を集中し、地域密着型の個店経営モデルを構築する。国内では年間純増100店、中国で同50店ペースを目指し、22年8月期に国内で同50店を目標とする。国内は、近年検証を重ねて手応えを得ている地方の食品スーパーの隣接立地を中心に、1980平方メートル前後(現状の平均売り場面積は825平方メートル)で出店。出店ペースを支えるための店長育成の仕組み作りは、堂前専務が19年に入社して以来力を注いできた分野だ。

 海外は中国の他、実績のある台湾、タイ、香港、韓国でもスクラップ&ビルドと新規出店を重ね、店舗面積を同じく1980平方メートル前後に拡大。一方で苦戦が続く北米、欧州では新規出店は抑制する。

 24年8月期までのタスクとして、課題であるECや、基幹システムを含む本社管理部門の強化も掲げる。各分野で外部人材を登用すると共に、若手社員も抜擢し、「20代で執行役員に就くといったキャリアパスを作る」。

 ESG(環境、社会、ガバナンス)面では、全商品でのサーキュラーデザインの実現、他社との相乗り物流の導入による消費エネルギーの低減、原料まで遡った生産工程や労働環境の100%開示などを30年8月期までの目標として掲げた。

 「手堅く想定した」という24年8月期は、売上高7000億円(21年8月期は4900億円の見込み)、営業利益750億円(同490億円の見込み)が目標。既存店成長率は2%を目指し、店舗数は国内・海外合わせて現980店のところ、1300店に拡大する。

 日本の小売業で売上高が兆のケタに乗るのは、コロナ前の19年でもイオン、セブン&アイ・ホールディングスなど10社に満たない。堂前専務の古巣である「ユニクロ」のファーストリテイリングが2兆88億円(20年8月期)、ニトリホールディングスが7169億円(21年2月期)だった。堂前専務が掲げる売上高3兆円は、9年間で売上高を6倍に伸ばす野心的な数値目標だ。


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