左からビューティフル ピープルとタロウ ホリウチの2015年プレ・フォールコレクション
東京ブランドの2015年プレ・フォール・コレクションが続々と発表された。より実需に即したコレクションとしてスタートしたプレだが、そのサイクルは東京でも徐々に浸透。プレとメーンで打ち出す内容を差別化し、販路を広げるブランドが増えている。店頭での取り扱い期間が長いプレは消化率も高い。シーズンごとに素材を変えて打ち出す定番アイテムを持っているブランドが多く、新規ショップからはトライアルとして受注し、継続ショップからは確実に売れる人気アイテムとして評価されている。
「ミュベール(MUVEIL)」は2014年秋から海外でもプレの展示会をスタート。定番アイテムをそろえる「ミュベールワーク」では、今シーズンから「ミュベール」の人気アイテムや、ボーダーのレース付きニットトップスなどの定番アイテムを増やした。「ビューティフル ピープル」は、シルクやスエードなど素材のグレードと価格帯をアップ。テーラードジャケットなどが定番人気で、顧客の年齢層も広がっている。「タロウ ホリウチ(TARO HORIUCHI)」は、ベーシックなアイテムを軸にコレクションを構成した。堀内太郎デザイナーは「今後はメーンでクリエイションを強め、プレでベーシックなアイテムを打ち出していきたい」という。「アカネ ウツノミヤ(AKANEUTSUNOMIYA)」は、定番の膝下丈スカートなどを幾何学模様の生地で提案。蓮井茜デザイナーは「プレで定番アイテムを打ち出し、メーンで自分が作りたいものも増やすようになり、反響をもらうようになった。 ニットはサイズ感があまりないのが強み。国内の基盤が安定し、海外で発表するための体制を整えていきたいがブランド規模が大きくないのでメーンをプレの時期に合わせて発表することも検討している」という。

MUVEIL ミュベール
これまで以上にブランドの根底にある“毒のある要素”を引き出した。フクロウやリスのイラストをプリントしたニットをはじめ、パールや、ビジューをふんだんに施したワンピース、花の形をした合皮の付け襟などを提案。キッチュでシュールな世界観を表現しつつ、スモーキーなグレーやベージュ、カーキのカラーパレットで上品に仕上げた。

BEAUTIFUL PEOPLE ビューティフル ピープル
シルクニットやスエードのトレンチコートなどを提案し、素材や仕立てのクオリティーを向上。それに伴い、価格帯と客層を上げる方針だ。インバウンド消費が高まっていることを受け、タグを刷新。ブランド名の下に“CREATIONS-TOKYO SPECIALLY MADE”としるし、東京ブランドであることを主張。青山店では免税対応もスタートした。

TARO HORIUCHI タロウ ホリウチ
今シーズンからベーシックアイテムを強化。定番のチェスターコートを継続的に提案していくほか、人気商品のパンツはバリエーションを増やした。今季は女性の内面や日常を描いたコレクションを発表。ギンガムチェックのスカートやトップス(右)は、パッチワークのようにランダムにつなぎ合わせた生地を採用し、一枚一枚異なる仕上がりだ。

AKANEUTSUNOMIYA アカネ ウツノミヤ
素材のバリエーションを広げて、店頭納品する6月から着られるニットを揃えた。オリジナルの幾何学模様をのせた、定番のスカートや落ち感のあるシャツなどを提案。ロンハーマンやインターナショナルギャラリービームスなど高感度なショップでの取り扱いが増え、卸先も着実に増えて、現在は30店舗弱。
発表時期を早め予算確保
メーンの展示会時期を早めるブランドも増えてきた。「ニアーニッポン」は、メーンコレクションをニューヨークのファッ ション・ウィーク前に発表することで、バイヤーの買い付け予算を確保 。東京の展示会繁忙期と時期をずらすことで、「ゆっくりと見てくれて、トライアルで買い付けてくれるようになった」と深山拓也デザイナー。消化率の良かった店舗が継続し、販路が約1.5倍に拡大した。さらに「チノ」は今シーズンからパリの合同展トラノイに出展。東京での展示会時期も早め、上質なアイテムを増やしたりするなどで海外展開を意識したMDを組んだ。
NEAR.NIPPON ニアー ニッポン
“ネオスタンダード”をテーマに、ベーシックなアイテム同士をミックスしたり、スタイリングのバランスを崩して提案した。2012-13年秋冬からターゲットをモードからキャリア層にシフトし、値ごろな価格帯のアイテムも増やしている。通勤にも着ていけるデザイン性の高い服は、ノーリーズやロペ、地方のセレクトショップなどへの販路が拡大している。
CINOH チノ
Relativity(相対性)をテーマに、洋と和、光と影、男と女、スタンダードとモードという対比する4つのキーワードでコレクションを構成した。2014 -15年秋冬に重衣料が好評だったこともあり、今秋冬はさらにアウターを充実。定番のスタジアムジャンパー風のアウターやムートンジャケット、ハンドウォーマーなどの小物も増えた。