
今季のファッション・ウイークで注目だったのは、ケリング(KERING)傘下のブランド。「サンローラン(SAINT LAURENT)」のアンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)と、「バレンシアガ(BALENCIAGA)」のピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)に退任の噂が浮上していたからだ。結局、アンソニーは10年率いた「サンローラン」のトップを退任。後任には、リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT)傘下「クロエ(CHLOE)」のシェミナ・カマリ(Chemena Kamali)が浮上しており、再びグループを超えた“椅子取りゲーム”になりそうな気配もある。(この記事は「WWDJAPAN」2026年10月19日号からの抜粋です)
「サンローラン」
DESIGNER/アンソニー・ヴァカレロ
黄金色のコレクションで最後まで美学貫く
アンソニー・ヴァカレロ(下の写真中央)のクリエイティブ・ディレクター就任10周年と、イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)が生み出した“スモーキング”、つまりタキシードスタイルの60周年を祝う1年のはずだった。彼は「このコレクションを、ついに今こそ発表すべき時と感じた。非常に個人的で、感情がこもったもの。光は、決して手中に収めることができないからこそ、いっそう鮮烈に輝く。過ぎ去るものが、その場に留まるものよりも多くの光を残すことがある」とのメッセージを残したという。フィナーレでヴァカレロは、ポケットから「お守り」を取り出し、5歳の息子ルカ(Luca)に手渡して頬にキスをした。洋服ではなく、美学を訴え続けたアンソニーらしい最後だった。
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