TASAKIは今年、グローバルジュエラーへとさらに進化するため、新たな経営体制を始動した。新設した社長室とCEO直下の戦略統括部を中心に、商品企画や国内外事業の連携を強化し、「日本初の真のラグジュアリー・ブランド」の確立を目指す。組織改変では、欧州のラグジュアリー・メゾンを模倣するのではなく、TASAKI 特有の強みを生かして、日本の美意識やクラフツマンシップを世界に向けて発信していく。また、女性役員の積極的な採用など、多様なリーダーシップも推進。グローバル市場を視野に入れた戦略で、ブランド価値向上や国内外での出店を加速させる。
「日本初の真のラグジュアリー・ブランドに」
リシャール・コラス/TASAKI グローバル CEO
TASAKIの新体制の司令塔となるのが、新設した社長室とCEO 直下の戦略統括部だ。グローバルCEOには、長年にわたり「シャネル」を率いたリシャール・コラス氏が就任。TASAKIを支えてきた既存社員と新しい経営陣の融合で、ブランドの未来をつくっていく。コラスCEOは、「われわれが目指すのは、世界に認められる日本初の真のラグジュアリー・ブランドを創ることだ」と語る。TASAKIが培ってきたクラフツマンシップと顧客を結ぶ新たな架け橋を築くため、ラグジュアリー・ブランドに欠かせない物語を紡ぎ、新たなビジュアル表現や顧客体験を作っていくという。目指すのは欧州ラグジュアリー・ブランドの模倣ではない。コラスCEOは、「日本、日本、そして日本」と繰り返し、日本独自の美意識や文化を核に進化させていくと語る。CEO 就任後、100日間という期間を設け、既に複数のプロジェクトが進行しており、今秋以降、順次発表される予定だ。
「女性リーダーが紡ぐTASAKIの未来」
松田彩子/TASAKI 日本事業部 チーフ・マーチャンダイジング&リテールオフィサー
PHOTO:SHUHEI SHINE
新体制の大きな特徴は女性の活躍の推進だ。女性役員が不在だった経営体制に4人の女性役員が加わった。その中の一人が松田彩子=日本事業部チーフ・マーチャンダイジング&リテールオフィサーだ。松田氏は、「TASAKIは真珠のクリエイションから販売まで、多くの女性により支えられている。真のラグジュアリー・ブランドには女性のリーダーシップが不可欠だ」と語る。同氏はヴァレンティノ ジャパンCEOをはじめ、約30年にわたり欧州ラグジュアリー・ブランドで活躍。TASAKIでは、それを生かして日本からラグジュアリー・ブランドの魅力を世界に発信していく。「TASAKIは“バランス”や“デインジャー”などのアイコンを持つ、最先端のデザインとクラフツマンシップが融合した素晴らしいブランド。今まで伝えられていないストーリーを世界に向けて発信する」。国内では店舗リニューアルや新規出店を進めるほか、アジア市場での新店展開も加速していく。
「イメージの刷新ではなく『進化』を重視」
澤井愛佳/TASAKI グローバル・チーフ・ブランド・オフィサー(CBO)
世界的にブランド価値の発信を強化する役割を担うのが、澤井愛佳グローバル・チーフ・ブランド・オフィサー(CBO)だ。チーフ・マーケティング・オフィサーではなくCBOに就任した理由について澤井 CBOは、「TASAKIのブランド哲学を世界に伝えるのが目的」と話す。村田美樹グローバル・ブランド・ディレクターとマルタ・ペドロ=グローバル建築・ブランド環境シニアディレクターと共に、グローバルで一貫したブランド体験の構築を推進する。澤井 CBOはチームをパールネックレスに例える。「個々のパールの美しさに加え、精緻に意図された連なりが全体の美しさを生むのが理想だ」と語る。ブランド戦略は、イメージの刷新ではなく進化を重視。真珠養殖の歴史や、卓越したクラフツマンシップを背景に、「今までとは異なるアプローチでのストーリーテリングを行っていく」と述べた。9月以降は、順次ブランドコンテンツを刷新し、新たな取り組みを発信していく。
「ダイヤモンドの強みも生かしてTASAKIらしさを追求」
犬童直子/TASAKI グローバル・チーフ・プロダクト・オフィサー(CPO)
新設されたグローバル商品本部は、商品戦略の中核を成しグローバルで一貫性を持たせる役割を担う。同部を率いるのは、ハリー・ウィンストンやブシュロンなどのジュエラーで約20年の経験を持つ犬童直子チーフ・プロダクト・オフィサー(CPO)だ。米国宝石鑑定士(GIA GG)の資格も持つ。新体制では、各国の市場のニーズを踏まえながら、統一したビジョンのもとで商品開発やMDを推進する。犬童 CPOは、「TASAKIらしさを追求したい。自社で養殖したパールとダイヤモンドという強みを軸に、メゾンならではの美意識やクラフツマンシップを際立たせる」と話す。ハイジュエリーではイメージの向上を図り、コレクションラインでは認知拡大を担うなど、カテゴリーごとの役割も明確にしていくという。「“バランス”や“デインジャー”などのアイコンを強化する一方、今後は、ダイヤモンドの可能性も積極的に発信していくつもりだ」。
TASAKI
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