ファッション

著作権手続きも安心、USENが新たなBGMサービスでアパレル店舗のブランディング本格化

 音楽配信サービスのUSENが2015年にローンチした高感度な音楽配信サービス「OTORAKU -音・楽-(以下、オトラク)」が、アパレル業界へのサービス導入を本格化する。「オトラク」はタブレットにアプリを導入するだけでBGMが利用できるサービス。タブレットごとに定額での契約となっており、月額2980〜3780円と安価な料金設定が特徴だ。iPadとWi-Fiがあれば導入に特別な施工も必要なく、アプリをダウンロードすれば簡単に利用が可能になる。これまでは特にビューティ業界で先行して普及してきた。

流す曲を自由にカスタマイズできるため、店舗ごとに自店舗専用のプレイリストが作成できる。「オトラク」はレコチョクと協業することでメジャーからコアな音源までを幅広く提供しており、利用できる音源はなんと約350万曲。全て著作権をクリアしているため、安心して自由にプレイリスト作成ができる。

プレイリストを作成するのに不慣れなユーザーには、既成プレイリストやキュレーターによるプレイリストも用意しており、初代キュレーターは田中知之(FPM)や沖野修也(KYOTO JAZZ MASSIVE)、Licaxxxの3名。今後もさらに増加予定だ。他にも予算の達成度を決められた音楽で伝えたり、バースデーソングを特別に挟み込んだりといった接客業で欠かせない合図音の操作も完備している。

佐藤貴志USEN事業推進統括部 OTORAKU事業推進部部長は、「BGMには視覚的情報と近い印象の音楽を聴くと、より印象が強まる『共鳴現象』があり、BGMによる店舗ブランディングの初歩として知られる。他にも重低音が購買意欲に、アップテンポなリズムが回転率や売り上げに作用することは、心理学でも有名だ。ファッション業界においても、このような作用をBGMの利用価値として捉え、店舗独自のBGMを考えることが重要だ」と話す。

店舗ブランディングと著作権の問題について聞くと、「BGM音源が多角化したことが大きな要因だが、コンプライアンスの順守という観点で、BGMの権利問題を重要視しない業界の風潮を懸念している。BGMによる店舗ブランディングには、音楽の使用権利を守ることも含まれている」という。