ファッション

メタバースでもモノ作りするアダストリア 3Dモデルの量産体制を模索

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アダストリア(ADASTRIA)は昨年、メタバースプロジェクトを始動。3Dのファッションアイテムやアバターを販売し、試着会開催やバーチャルショッピングモール(期間限定)への出店など、メタバースファッションの領域でさまざまな挑戦をしてきた。特に軸足を置いているソーシャルVRプラットフォームVRChatでは今月、カシオ計算機の「G-SHOCK」がワールドを構え、大丸松坂屋がオリジナルアバター5体を発売するなど、話題が多い。この1年余りの成果と今後の計画を島田淳史広告宣伝部メタバースプロジェクトマネージャーに聞いた。

「メタバース事業を始めて、最初にぶつかった課題は、3Dアイテムを作り続ける、量産する体制をどう作るかだった。アダストリアはモノ作りの会社だ。リアルと同じように、バーチャルでもファッションを楽しんでもらうためには、バーチャルなアイテムも内製できる環境が必要だと考えた」とアダストリアの島田淳史広告宣伝部メタバースプロジェクトマネージャー。アパレルを作るノウハウは十分にあるアダストリアだが、3Dでファッションアイテムを作るとなると、全く別の世界線となる。

昨年10月にECサイト「ドットエスティ」のオリジナルアバター「枡花蒼(ますはなあお)」を、12月に「一色晴(いっしきひより)」をマーケットプレイス「BOOTH」で発売。「レイジブルー(RAGEBLUE)」や「ハレ(HARE)」のウエアやアクセサリーの3Dアイテムもそろえながら、12月にはオリジナルアバターをモデルにした3Dファッションとフォトのコンテストを開催した。

人気アバター作家のひゅうがなつなど、社外のクリエイターとの協業で作ってきたが、今年4月にバーチャルショッピングモール「カラット」を運営するクリエイターのenu.を社員に迎えた。5月に発売した「レイジブルー」のフラワーシャツコーデの3Dモデルは、3カ月で目指していた目標を3日で達成するヒットとなった。「アバターのファッションにアンテナを持つenu.自身がいいと思うものを3Dモデルにしたのが奏功した。アバターのファッションとして珍しいテイストで、ユニセックスでジャンルに関係なく着られる。季節性をファッションで楽しむ人たちに好評だった」。

アンバサダーを複数起用し、それぞれがウエアを着こなしてメタバース内のコミュニティーに拡散してもらった効果も大きかったという。同時にVRChatをきっかけにリアルの服を購入する動きも増えている。「『アバター用に買った洋服が可愛いから、自分用にも買いました』という声が最近増えていてうれしい」。

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