ファッション

AMIAYAと学ぶサステナビリティvol.7 和綿の種蒔きを体験、手をかけて生まれる綿花の貴重さを実感

私たちAMIAYAがリアルな目線でサステナビリティを学ぶ本連載。今回は、繊維商社の豊島のオーガニックコットンプロジェクト「オーガビッツ」の主催で、栃木県にある渡良瀬エコビレッジを訪れ、和綿の種蒔きを体験しました。

渡良瀬エコビレッジは、日本古来の循環型の生活"やまずめぐる"暮らしを目指して、環境保護や里山の再生といった活動および発信をしている場所です。"やまずめぐる"とは、止むことなく廻る、循環するという意味です。日本人が昔から営んできた循環型の生活や環境に負荷を与えない自給自足的な暮らしを体験する場を提供しています。

豊島は渡良瀬エコビレッジの一角で、有機栽培で和綿を栽培する活動を続けています。今回は「オーガビッツ」プロジェクトに参加するみなさんと一緒に、種まきを体験しました。

「久々に触るふかふかで冷んやりした土の感触が気持ち良い」

まずは室内で綿花の基礎知識やオーガニックコットンの普及率について学びました。私たちが普段着用する衣服に使用されるコットンのほとんどが、海外で生産されています。オーガニックコットンの生産量が最も多いのはインドで38%、次いでトルコが24%。日本でも昔は盛んに栽培されていましたが、明治を境に減少し、現在日本のコットンの自給率はほぼ0%だそうです。そんななか、日本固有の綿花の品種である和綿を有機農法で長きに渡り、栽培しているのが渡良瀬エコビレッジなのです。

お天気に恵まれた5月初旬。真っ青に透き通った空、一面畑や緑に囲まれて、空の青と豊かな緑のビビットなコントラストに視覚が喜んでいました。5月にしては暑いくらいの夏日。私たちも自然の栄養を浴びながら、種蒔きのスタートです。

まずは種子に木灰をかけて混ぜ合わせる作業から始まります。木灰をかけることでアルカリ性になります。アルカリ性にすることで土壌との相性が良くなるそうです。加えて、木灰をまぶすことで種がパラパラになり、撒きやすくなるというのも理由です。

畑に行く前に、ビニールハウス内で栽培する用のポットへの種まきを行いました。ポットに土を入れて、木灰をまぶした種を蒔きます。久々に触るふかふかで冷んやりした土の感触がとても気持ち良い。畑の土と腐葉土と木灰が混ざった土で、日常生活ではなかなか触る機会が無いので新鮮でした。

いざ畑へ 種まきは絶妙な距離感がポイント

次に10分程歩いて畑へ到着。今回は1人約5mの範囲で種蒔きをしました。あらかじめ引いてあるラインに沿って、間を詰めすぎず、はなし過ぎず絶妙な距離感で浅く種を撒いていきます。最後は足で軽く土を乗せて、終了です。土をかけ過ぎると芽が出ないこともあるようで、ふわっと軽く土を乗せるのはコツがいる作業でした。

最後に綿繰り機で綿と種を分ける作業も体験しました。綿を回転部分に入れ、ゆっくり回して綿のみを取り出すのですが、なかなか綿が入っていかず、見た目以上に難しかったです。試行錯誤しながらもやっていくうちに少しずつコツを掴めて出来るようになる感覚もとても楽しかったです。

深いメッセージを受け取る時間に

全てが手作業で、時間も労力もかかるからこそ、出来上がったものは貴重で、大切にしたいという意識につながっていくのだと感じました。こうした感覚を、実感出来る機会はとても大切です。私たちも初めて知ることばかりで、この経験を通して得た発見を、どうお洋服やクリエイティブに活かしていけるのか、少しずつでいいから良い循環を生みたいと思いました。そして全ては地球の資源で衣食住はつながっているのだと学びました。私たちは先祖から受け継いだ命のバトンをまわしながら、歴史を刻み進化をしながら生きています。これから先の未来により良くひとつひとつをつなげていくために、自分たちがどう生きて、何をどのように創造していくか、とても深いメッセージを受け取った時間でした。ぜひ皆さまも実際に体験をしていろいろな発見をしてほしい。これぞ未来への種蒔きです。そして純粋にとっても楽しかったので定期的に参加したい。綿の収穫期の秋、ふわふわの綿との再会を心待ちに過ごしたいと思います。

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