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ワールド、ブランド事業の利益「過去最高」を計画 販売チャネル拡大がカギ

ワールドの2023年3月期連結業績(国際会計基準)は、売上高に相当する売上収益が前期比25%増の2142億円、本業のもうけを示すコア営業利益が同2.5倍の135億円、純利益に相当する当期利益が63億円(前期は2億3900万円)だった。

主力のブランド事業は、外部収益(グループ内取り引きを除いた売上高)が前期比29%増、セグメント利益が同3.2倍の100億円と大きく伸長した。既存店の売上高はコロナ前の20年3月期と比較しても8割以上の水準まで回復した。販路別では、「オペークドットクリップ(OPAQUE.CLIP)」「シューラルー(SHOO・LA・RUE)」などSC中心のミドルロワー向けブランドが46億円の増益、「アンタイトル(UNTITLED)」「インディヴィ(INDIVI)」など百貨店中心のミドルアッパー向けブランドが19億円の増益とけん引した。

ブランド古着買取販売の「ラグタグ(RAGTAG)」やブランドバッグレンタルの「ラクサス(LAXUS)」などを束ねるデジタル事業は、セグメント利益が8億8300万円と黒字化した。生産や販売などの仕組みを外販するプラットフォーム事業は、投資の先行と円安の影響により、セグメント利益は同90%減の1億1700万円にとどまった。

同社は今期から、決算期を3月期から2月期に変更する。24年2月期は、売上収益2001億円、コア営業利益110億円、当期利益64億円を予想する。11カ月間の変則決算となるため、前期との比較は行わない。

既存の販路にとらわれない
マルチチャネル戦略を加速

ブランド事業のセグメント利益は、過去最高となる115億円を計画する。「コロナ禍を経て消費者の購買行動が変化し、お客さまとより多くの接点を持つことが重要になっている」と鈴木信輝社長。そのような考えの下、これまで出店していなかった販路にも販売網を拡大する「マルチチャネル戦略」を加速する。

「タケオキクチ(TAKEO KIKUCHI)」は百貨店からSCに出店先を広げ、併せて雑貨などの品ぞろえを充実させたことで成果が出ている。これを成功事例に、「他のブランドでも(販路によって)必要とされるカテゴリー、価格の商品を既存のMDに付け加えながら、新しい販路へのトライを進めていきたい」(鈴木社長)とする。足元では、大型SCが主販路の「シューラルー」をファッションビルに、百貨店主軸の「ローラ アシュレイ(LAURA ASHLEY)」をショッピングセンターに、それぞれテスト出店を開始した。今後は「アンタイトル」「インディヴィ」といった主力百貨店ブランドでも販路拡大を進める。

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