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キャンプはバーチャルに置き換え可能か

 バーチャルファッション、メタバースといった言葉を頻繁に耳にするようになってきました。本日紹介する1本目の記事も、「H&M」が発表したバーチャルファッションについてです。応募者の中から3名に、その人の画像とルックを合成したデータを提供するんだそう。当選して、画像をSNSに投稿したら話題になること間違いなしですね。

 話は変わりますが、バーチャルファッションやメタバースの盛り上がりと、昨今大ブームのキャンプなどのアウトドアレジャーは、実は人間の同じ心理の表と裏なんじゃないかと感じています。バーチャルにドキドキしても、やはり動物として、フィジカルで自然に近づくような体験も本能的に求めているんじゃないかと。

 バーチャル技術は今後さらに発展して、ますますリアルに迫ってくるでしょう。ただ、それによってリアルでフィジカルな体験・経験の価値は落ちることはなく、むしろより高まるはずです。「キャンプをバーチャルで済ませずに本当に山に行くなんて、お前の家すごいな!」みたいな会話を、数年後には小学生がしているかもしれません(笑)。そんなところに、ビジネスのヒントはありそうですよね。

「WWDJAPAN」副編集長
五十君 花実
NEWS 01

今、美容皮膚科で最も支持されている施術とは? 都内5院にリアルな人気施術1位をリサーチ!

性別を問わず、美容医療への関心やニーズが高まっている。リクルート発行の「美容センサス 2023 年下期≪美容医療編≫」によれば、「美容医療を受けた理由」が変化している。女性は「時短美容」の順位が上昇。「美容内科・美容皮膚科」の利用率が 2021年以降伸びており、美肌、シワ・毛穴の治療など、顔の肌質改善に対するニーズの高さが読み取れる。一方、男性は「モテたい」が2022年の1位から9位にダウン。「医療脱毛」「美容内科・美容皮膚科」「美容外科」全ジャンルの利用率は過去5年で最も高いスコアとなった。では、実際にどのような施術が受けられているのか?今回は、都内で人気の5院に2024年2月に、患者数が最も多かった施術を聞いた。

※各施術の使用機器や内容は、院によって異なります。詳細については、利用するクリニックに直接お問い合わせください。また、妊娠中・授乳中や持病がある人は施術に制限がある場合があります

1.「メットビューティークリニック(MET BEAUTY CLINIC)」

表参道のメットビューティークリニック(MET BEAUTY CLINIC)で人気の“マッサージピール+ジェネシスレーザー”は、肌に真皮層まで作用するピーリング剤をすり込みレーザーを照射することで、肌のハリや弾力アップ、毛穴の引き締め、シミ、くすみ、艶、乾燥、小ジワなど幅広い悩みの改善が期待できると人気だ。 植村奈美MET BEAUTY CLINIC美容部部長は、「ダウンタイムがなく、患者からは施術直後にハリ・艶を感じられるという感想が聞かれる。続けられる価格帯も人気の要因」と話す。今後、リフトアップやタイトニングに加えて、脂肪細胞破壊など顧客のニーズに合わせて施術を行える「インモード」が人気を集めると予測する。

2.「アループクリニック&ラボ(ALOOP CLINIC & LAB)」

ポーラ化成工業と研究提携した「アループクリニック&アンドラボ(ALOOP CLINIC & LAB)」。人気メニューは、肌分析をもとに一人ひとりにあわせて施術を提案する“ALOOP 肌分析プラン”。初回(1万6500円)は肌分析と6回分の施術プランニング+トライアル施術(全顔照射)で構成。トライアル施術は分析結果をもとに、ハイフシャワー、光治療、ピコトーニングの中から肌状態に合わせて提案する。プランニングで提案した施術は次回以降、1回あたり4万4000円(~オプション8万8000円)で受けることが可能だ。その中でも、ピコトーニングが最も多く出たという。

山﨑研志ALOOP CLINIC & LAB 院長は、「肌分析では、シミのスコアが低く出る顧客が多く、マイルドにシミ治療ができるピコトーニングを提案することが多い。ピコトーニングは『enLIGHTen® SR(エンライトン)』という機器を使ったレーザー治療だ。従来のシミ改善治療で使用されていたナノ(10億分の1)秒よりも、さらに短いピコ(1兆分の1)秒単位でレーザー照射が可能になった。ピコトーニングはシミ・そばかす・肝斑・くすみなど茶色い色素への効果が期待できる」とコメント、また、今後、注目の施術は、“マイクロニードルRF VIVACE(以下ビバーチェ)”(全顔9万9000円)。「毛穴に課題を抱えている顧客が多い傾向がある。一見、毛穴が関係ないような悩みでも毛穴が起因となっている場合が多くある。一例として、毛穴の広がりによって毛穴部分が影として見えてしまうこともあれば、毛穴の周りの炎症がくすみとして見えていることも。毛穴を引き締め、肌状態を整える“ビバーチェ”がオススメだ。“ビバーチェ”は36本のマイクロニードルの先からRF(高周波)を出して真皮層にアプローチする施術で、毛穴やシワ、ハリのなさに効果が期待できる」。

3.「光伸メディカルクリニック」

光伸メディカルクリニックでは、アゴ、フェイスランにヒアルロン酸を注入して、下顔面の輪郭を全体のバランスに合わせて整える施術“ヒアルロン酸注入/アゴ(形成 TOP 含む)&フェイスライン、2部位セット”(22万円)が支持された。

中村 光伸・光伸メディカルクリニック 院長・医学博士は「正面から見ると逆三角形の輪郭となり小顔効果、横から見たときはフェイスラインと首の境界が明確になり、もたつき感が目立たなくなる。美容医療に対するハードルは若者を中心に下がってきていて、全世代の患者からニーズが高まっている。考えられる理由として、一般的にアジア人は全体的にアゴの骨が小さく、アゴが後ろに引っ込んでいて鼻が強調されている人や、骨の端が内側に入っていたり、痩せているのに二重アゴになったりするなど、フェイスラインにもたつきを感じる場合が多い。骨格の足りない部分を補填し、形を整えるための一助としてヒアルロン酸注入を選ぶ人が多く、認知が少しずつ高まってきている」と話す。

今後、注目の施術は「小ジワに対する施術。これまでは、肌の表面・表皮層に働きかけをして、シワ・キメ・肌の凹凸を改善させていた。現在は、より根本的に、真皮層に6つのアミノ酸、ミネラル、ヒアルロン酸等がプラスされた製剤を注入してコラーゲンの増産をさせる美肌治療が注目されている」。

4.「東京美容クリニック 表参道本院」

東京美容クリニック 表参道本院の人気1位は、“ピコトーニング(全顔1回)”(1万6500円)と“エレクトロポレーション(美白・毛穴・ビタミンC)”(レーザー後追加オプション各5500円)となった。

山村菜実東京美容クリニック理事長によれば「ピコトーニングは、不動の人気1位だ。低出力のピコレーザーを顔に均一に照射することで、メラニン色素を徐々に分解する。シミ取り目的で来院した患者が、実は肝斑と診断されるケースが多い。シミ取りをする前に、ピコトーニングで肝斑を薄くしてから、シミ取りを行う方が効果的だ。肝斑の原因はさまざまで、刺激、摩擦、紫外線、精神的ストレス、ホルモンバランスの変化で肝斑が濃くなることもある。肝斑に悩む患者には、内服でトラネキサム酸を薦める場合もある」と話す。

東京美容クリニック 表参道本院では、ピコトーニングにキュテラ社の厚生労働省承認医療機器『enLIGHTen® SR(エンライトン)』を導入している。「ダウンタイムがなく、肝斑にも使える。施術を受けるボリューム層は30代だが、20代から60代まで幅広く人気で、ピコトーニングと合わせて、鎮静効果が期待できるエレクトロポレーションを組み合わせる患者が多い」と話す。

今後注目の施術は3つ。「まずは、“リジュランi”(1本、7万3000円)は、ハリ、弾力、厚み改善など、皮膚の自己再生力を活性化させてくれる。次に、糸リフトに似た成分でコラーゲン再生を促してくれる“ジュべルック”(11万円)。そして、“エクソソーム(幹細胞培養上清液)”(10万5000円)だ。幹細胞培養上清液は、エクソソーム治療で使用されるもので、成長因子のサイトカインやアミノ酸、ビタミン、ミネラルなどの有効成分を豊富に含んでいる」と話す。

5.「アヴェニュークリニック」

アヴェニュークリニックでは、“レーザーブライトニング”(5万5000円※1カ月限定フリーパス/最大6回、30日間有効)が支持された。(※2院の合計施術数に基づく)メラニン色素に反応する「Qスイッチヤグレーザー」を使用し、炎症を起こさせない出力設定で肌に照射する。

人気の理由について、田中晶子アヴェニュー クリニック広報は次のように語る。「週に1回程のペースでレーザー照射を行い、肌の中に滞留しているシミやくすみの原因となるメラニン色素を少しずつ破壊。同時に、うぶ毛の脱色や細い毛は脱毛もできるので、透明感がアップ。30日間で集中的に繰り返し行うことで肌の明度が向上し、肝斑やADM(後天性真皮メラノサイトーシス)の改善にも効果が期待できる、当院オリジナルのメニューだ。人気の理由として、1回の治療時間が5分程度と短く痛みやダウンタイムがないこと。そして、ヒアルロン酸注射やボトックス注射など他の治療と同時に施術できる気軽さが支持されている」。

今後の注目施術は、“ヒアルロン酸注入”で、「顔の影の総和が多いほど老け見えすると言われている。つまり、顔の影を少なくすることで、若々しい印象になる。これをかなえる“ヒアルロン酸注入”は引き続き人気だ。当院では複数のヒアルロン酸の中から患者の状態に合わせて最適な製剤を選択している。最近では、頬骨の裏などにヒアルロン酸を注入することで顔のバランスを整え、笑った時に頬の下に入る線を目立たなくさせ若々しく見せる治療がある。正式なメニュー名ではないのだが「童顔注射」と呼ばれるほど人気となっている」。

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死に在庫を生き生きとした「ライブ ストック」に スタイリストの挑戦、故郷の長野から全国に

故郷の長野県上田市でセレクトショップの「エディストリアル ストア(EDISTORIAL STORE)」を手掛ける、小沢宏スタイリストの「ライブ ストック」という考え方が広がっている。「エディストリアル ストア」は、アパレル企業が倉庫で寝かしている在庫を、小沢のスタイリストとしての審美眼を生かしてセレクトして販売。雑誌のシューティングページのような世界観の演出やミックスコーディネイトで思いを発信しながら、死に在庫だった「デッド ストック」に命を吹き込み、生き生きとした魅力を放つ「ライブ ストック」として販売する。業界人らしい“洋服愛”とスタイリストとして培った人脈やノウハウに基づく小沢の取り組みは、在庫問題に苦慮するアパレルメーカーやディストリビューター、商業施設などの賛同を得て、拡大中。「ライブ ストック」という考え方を発信する「エディストリアル ストア」のビジネスモデルは、上田市から長野県、そして都内へと広がっている。

オフプライスストアと一線を画す、
「逆張り」と「雑誌の3D化」

>「焦り」を感じていたスタイリスト小沢宏が、地元で審美眼を生かして在庫活用のセレクトショップ

小沢が「エディストリアル ストア」を立ち上げた経緯は、上のリンクの通り。アパレルメーカーなどから「新古品(一度は出荷されたが未使用の商品のこと)」を買い取って販売するビジネスモデルは、一般的には「オフプライス」業態と呼ばれるが、小沢は「(オフプライスとは)異なっている」と話す。

小沢がそう言い切れるのは、スタイリストやフリーの編集者として、長年ファッション誌で活躍してきたキャリアの賜物だろう。まず小沢は、「『エディストリアル ストア』では、時に(当時の)販売価格以上の値段をつけることがある」という。その理由は、「スタイリストならではの『逆張り』」と小沢。「例えばルーズフィット全盛のタイミングで、『いつ、タイトフィットを提案しようか?』と考えて実行するなど、スタイリストは常に時代の先を読んで、『逆張り』している」と続ける。通常のオフプライスストアは、「新古品」を“シーズン落ち”と捉え、価値は下がっているから当時よりも安く販売している。一方の「エディストリアル ストア」は、その「新古品」が再び、もしくは新たに価値を帯び始めるタイミングで販売しようと試みるから、時に価格は当時よりも高くなるというわけだ。

そして小沢は、新たな価値を、さまざまな手法で届ける。例えば商品には、一着一着に思いの丈を綴ったカードを下げたり、可動式の什器を活用するなどして空間を演出。ブランドの垣根を超えたミックスコーディネートも、新たな価値の表現方法の1つだ。小沢は、こうした手法を「雑誌の3D化」と呼ぶ。ミックスコーディネートや、可動式の什器を使った空間演出は、雑誌の世界では当たり前の新たな価値を伝えるための手段。二次元の雑誌での取り組みを、三次元の「エディストリアル ストア」で再現している感覚だ。思いを綴ったカードは、雑誌の文章やキャプションのような存在なのだろう。

編集長は小沢、イベントでは
ゲストエディターを招き異なる視点を発信

「エディストリアル ストア」のオープンから2年。小沢の思いや取り組みは今、少しずつ広がっている。同じ長野県の松本パルコを皮切りに、丸の内や渋谷、南青山で開催したイベントには、ビームスやユナイテッドアローズ、ディストリビューターのコロネットなどが参画した。

イベントについて小沢は、「自分は編集長。そこにゲストエディターを招いている」と、ここでもファッション誌の感覚を忘れない。例えば「リステア」の柴田麻衣子クリエイティブ・ディレクターや、シトウレイ=ストリート・スタイル・フォトグラファーをゲストエディターに招いて、彼女たちが選んだ「ライブ ストック」を集積して発信。まさに小沢が編集長を務めるファッション誌に、柴田やシトウは寄稿したり、ゲスト編集者としてページを作ったりの取り組みだ。

小沢は、在庫に新たな命を吹き込む「ライブ ストック」という考え方には、「他にも応用できる弾力性」があると捉えている。上田の「エディストリアル ストア」は、「ニューヨークのソーホーやブルックリン、パリのマレにあっても負けない存在」と小沢。引き続きさまざまなゲストエディター、ブランドや企業と共に、「ライブ ストック」という概念を上田から全国、そして世界に届ける。

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「ルイ・ヴィトン」のショーに向かうNCT 127ユウタを仁川空港でキャッチ

「ルイ・ヴィトン」がパリで行うショーに向かうNCT 127ユウタを仁川空港でキャッチ

「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」の2025年春夏シーズンメンズ・コレクションのショーに出席するためパリに向かうNCT 127(エヌシーティーイリチル)のユウタ(YUTA、中本悠太)が、韓国の仁川空港でキャッチされた。

ユウタは刺しゅうTシャツにデニムシルクシャツを羽織り、ベージュのパンツに“ダモフラージュ”(ファレル・ウィリアムス[Pharrell Williams]「ルイ・ヴィトン」メンズ・クリエイティブ・ディレクターによる、フレンチカモフラージュと“ダミエ”を組み合わせたパターン)のスニーカーを合わせたカジュアルテイストで登場。新色のピンクのレザーバッグやスーツケース、時計やホワイトゴールド×ダイヤモンドのペンダントも含めて、全身「ルイ·ヴィトン」で装った。

NCT 127は、韓国のボーイズグループNCTから派生したユニット。ユウタはリードダンサーを務める。

PHOTOS : LOUIS VUITTON

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ミケーレ、「ヴァレンティノ」初コレクションを急遽発表 2025年リゾート・コレクション全171ルックをまとめて紹介

アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)新クリエイティブ・ディレクターが率いる「ヴァレンティノ(VALENTINO)」は6月17日、2025年リゾート・コレクションを発表した。4月2日に着任したばかりのミケーレは、9月のパリ・ファッション・ウイークで披露する25年春夏コレクションでデビューを飾る予定だった。しかし、10月に店頭に並ぶ25年リゾート・コレクションを発売前に披露するべきだと「直感的に決断」し、急遽ルックブックを発表することにしたという。なお、25年春夏コレクションのショーは、予定通り9月29日にパリで開催する。

今回、ミケーレは、メンズおよびウィメンズの171のルックを収めたルックブックと、アクセサリーをまとめた別のルックブックを発表。米「WWD」との特別インタビューで、同氏は「『ヴァレンティノ』は魔法のようなブランドで、1日目から何か特別なことが起きるという予感に包まれた。ヴァレンティノ(・ガラヴァーニ創業デザイナー)のアーカイブを深く掘り下げ、チームと共に時間を忘れ、愛情を込めて制作に没頭した。そうして作り上げたコレクションを秘密にしておくのは不自然だと思い、チーム全体の仕事に敬意を表する意味も含め、発表することにした」と語った。

「全く新たなクチュール体験をするのが待ち切れない」

25年リゾート・コレクションは、1970~80年代の影響を感じさせつつ、華やかなフリルやスパンコール使い、繊細な刺しゅう、大胆なフローラルプリントなど、“ミケーレらしさ”とブランドコードを融合。「どれほど難しい注文をしても、裁縫師や職人たちが見事に応えてくれる。まるで金の鉱脈を掘り当てた気分だ」とアトリエを称賛し、「全く新たなクチュール体験をするのが待ち切れない」と話した。

ミケーレは、2015年1月に「グッチ(GUCCI)」のクリエイティブ・ディレクターに就任し、22年11月に退任。その後、家族との時間を楽しんだが、好きな仕事ができる喜びを再認識したという。「自由とは、好きなことを行うためにあると気付いた。デザイナーという仕事を選んだのは、それが私の一部だから。愛する仕事をしないのは、自由でないということだ。私は仕事を通して、再び自分を見つけた」。

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「有吉弘行の脱法TV」企画・演出の原田和実 フジテレビ入社5年目が目指す「見たことのない番組作り」

PROFILE: 原田和実/テレビディレクター

原田和実/テレビディレクター
PROFILE: (はらだ・かずとみ)1996年生まれ、静岡県出身。テレビディレクター。フジテレビ編成制作局バラエティ制作センター所属。2020年に入社し、翌21年に手掛けた「ここにタイトルを入力」が話題に。22年には「あえいうえおあお」などを企画・演出。23年には「ここにタイトルを入力」の新春特番や「有吉弘行の脱法TV」を手掛ける。PHOTO:TAMEKI OSHIRO

入社1年目で企画書を提出し、2年目で初めて企画・演出を務めたテレビ番組「ここにタイトルを入力」が大きな注目を集めた、フジテレビの原田和実。その後も話題作を作り続け、直近では「有吉弘行の脱法TV」が放送されたばかり。現在5年目、その発想の源と、企画を正しく実現するまでのこだわりを聞いた。

——もともと学生時代は放送作家になりたかったと?

原田和実(以下、原田):はい。大学では劇団を立ち上げて、脚本・演出をしていたのですが、当時テレビ東京で放送していたシチュエーションコメディの「ウレロ☆」シリーズが大好きで、その番組に脚本で参加していたシベリア少女鉄道という劇団を主宰する土屋亮一さんに憧れていました。自分の劇団で作・演出をやりながら、テレビ番組でも脚本やコントを書く、そういう仕事をしたいなって。

——「ウレロ☆」シリーズでは、放送作家であり脚本家のオークラさんも参加していました。

原田:オークラさんも尊敬する作家の1人です。バナナマン×東京03「handmade works live」や「崩壊シリーズ」は自分の人生に欠かせない大好きな作品だし、まさに舞台とテレビを行き来するような仕事をされていて。いまだに「ウレロ☆」シリーズを超えるコント番組はないと思っているくらいです。

——原田さんの手掛ける番組は、いわゆるメタ構造の企画が多いですが、それはシベリア少女鉄道からの影響ですか?

原田:そうですね。僕の中でバイブル的な存在です。シベリア少女鉄道のメタ的な視点に衝撃を受けたことが、「作り手」を意識するきっかけにもなってて。フジテレビに入社したときから、自分で番組を作るなら、テレビのフレームワークを利用したおもしろい企画をやりたいなと思っていました。

——あえて「ウレロ☆」以外だと、どんな番組がお好みですか?

原田:「全力!脱力タイムズ」(フジテレビ)を見たときは「うわ、やられた」と思いました。構造でうまく遊びながら、作り込みが丁寧で、あの出力のものを特番ではなく毎週レギュラーでやれるのがすごいなって。

演者ありきではなく、企画の時点で80点を目指す

——初めて企画・演出を手掛けた「ここにタイトルを入力」(2021年〜)は、若手のトライアル枠ということで、ターゲットなどのオーダーがなく、自由に個性を発揮できたと思うのですが。

原田:ありがたいことに、ゼロから最後まで自分の好きなようにやらせてもらいました。企画としては、それまで自分がテレビを見ながら抱いていた違和感がアイデアのもとになっていて、初めての企画・演出だったこともあり、その違和感と破壊衝動のようなものを結びつけて、言語化していく作業でした。

——テレビは良くも悪くも強固なフォーマットによって成立している番組がほとんどなので、破壊しがいがありますよね。

原田:僕自身そこまで熱心にたくさんのテレビ番組を見てきたわけではないので、そんな僕でもイメージできる範囲のテレビ像をネタにするということは意識していました。逆に、もし僕がコアなテレビ視聴者だったら、企画がニッチになりすぎていた可能性もあると思います。

——ちなみに、「ここにタイトルを入力」の中で、原田さんの個人的なお気に入り回は?

原田:霜降り明星のせいやさんを主役にした「その恋、買い取ってもいいですか?」ですかね。あまり自分の番組を見返すことはないんですけど、この回は何度か見返しちゃっています。シンプルに「恋愛を買い取る」という、あまりにもテレビでやってそうなコンセプト感が大喜利の回答として気に入ってます。

——番組を作る立場から見て、やはり芸人さんは演者として欠かせない存在ですか。

原田:重要な役割を担っていただくことが多いので、ものすごくリスペクトしています。そもそも、自分の企画の立て方として、出演者の方の力量ありきではなく、まずは企画の段階で80点くらいは目指せたらなと思ってるんです。枠組みやフォーマットだけで、ある程度まで笑えるものにはなってるよね、という。その企画をもとに、現場で出演者のみなさんの力をお借りして、100点満点中200点を狙っていけるような感覚。企画者である自分はあくまで趣旨を説明することまでしかできないので、それを出演者の方、特に芸人さんが、より分かりやすく、おもしろく、「伝えたいこと」を「伝わるもの」に仕上げてくれるイメージです。

——ご自身の企画と相性がいいなと思うのは、どういうタイプの演者ですか。

原田:基本的に僕が考える企画の特性が、テレビの構造を使ったボケ要素の強い企画なので、出演者はツッコミの方が相性いいと思っています。制作者がボケて、演者がツッコミを入れる、という構図になるので。

——企画にツッコミを入れるといえば、原田さんが企画・演出を手掛けた「あえいうえおあお」(22年)は、毎回フジテレビのアナウンサーの1人にフォーカスして、密着ドキュメンタリーを装いながら、最後は奇抜な着地をする番組でした。

原田:あの番組もある種のボケ企画ですが、テーマとしては局のアナウンサーの魅力を伝えることがお題だったので、どちらかというと広告を作るつもりで考えました。とはいえ、よくあるアナウンサー番組にはしたくなかったので、新しい魅力を引き出しつつ、企画として笑いのレイヤーを乗せることを意識した結果、ああいったドキュメンタリーから展開していく構成になりました。

人為的なコンプライアンスチェックの過程をそのまま企画に

——6月6日に第2弾が放送された「有吉弘行の脱法TV」は、「テレビでできないとされていること」をテーマに、コンプライアンスの境界を探る企画でした。

原田:企画を思いついたきっかけとしては、第1弾でも検証した乳首の落書きってどこまで映せるんだろう、というものです。幼稚園児が描いた下手なものはOKなはずだし、芸大生が描いた写真みたいにリアルなものはNGな気がするし、だったら、必ずそこには映せなくなる境界線が存在していて、逆に言えば、そのギリギリのラインは映せるはずだなと。YouTubeではAIを使ってある程度の規制をかけていますが、テレビは完全に人が判定しているんです。局内にコンプライアンスをチェックする専門の部署がある。機械ではなく人間が決める、その曖昧さがおもしろいなと思い、どう判定するのかをそのまま企画にしました。なので、番組制作中は、毎日その部署に通って「この絵に描かれた乳首は放送できますか? もう少しだけリアルでも大丈夫ですか?」など、繊細な微調整を繰り返して本当の限界値を探ってました。

——実際にコンプライアンスをチェックする部署の担当者は、どういう反応だったのですか。

原田:全然、邪険にはされなかったですね。当然ですが、コンプライアンスチェックの方もテレビをつまらなくしてやろうと思って仕事をしてるわけではないので、協力するからにはおもしろい番組にしたいと言っていただき、つまびらかな検証をしてもらいました。どうして放送できないのかをちゃんと言葉にしてもらえたので、建設的なやりとりができたと思います。

——そもそも、かつては放送できていたものが、今は放送できないというのは、放送法などのルール改正があったわけではなく、あくまで局の判断、自主規制の問題ですよね?

原田:そうです。違法性とかではなく、あくまで会社としての危機管理の問題。世間の空気感やSNSで起きた事件などの蓄積があって、人為的に判断しています。線引きは局によっても、放送する時間帯によっても違いますし、細かく言えば、その番組に出演している人によっても変わると思います。と、あまり裏話はしたくないのですが……「有吉弘行の脱法TV」の制作段階でも、放送に至らなかったアイデアはたくさんあるんです。いじってはダメな領域、そもそも線引きを検証すること自体がNGという。なので、企画が生まれたとしても社内で通すのが難しいというケースが少なからずありますね。

テレビをメタ的に解釈して企画にするのは禁じ手にも近い

——これまでに観てきた演劇などの影響があるとはいえ、入社1年目から、テレビのフレームそのものを疑う企画を連発しているのは、非常に特異な才能だと思います。

原田:もちろんキャリアを積んで、テレビ制作の基礎を学んだからこそ作れる素晴らしい番組もあると思います。ただ、大前提として、僕はテレビで見たことのない番組を作りたいし、まだやられていない方法で人を笑わせたい。そこが大きなモチベーションになっているので。自分の感覚としては、テレビの長い歴史の中で、もう大体のことはやり尽くされている。そうなると、どうしても決まった領域の中で、どんどん細かい大喜利でしか差別化できない番組作りが加速してしまう気がしていて。そういう意味では、テレビをメタ的に解釈して企画にするっていうのは、禁じ手に近い。領域を無理やり拡張してしまう、本来は最後にたどり着く大喜利でもあるという。

——終わりの始まり、ですよね。と同時に、例えばYouTubeなど別のメディアで、テレビを脱構築するような企画をやるのではなく、テレビ局員として内側から揺さぶっていることに意義があるなと。

原田:僕はテレビでテレビをいじるからこそ、おもしろいと思っているんです。なんだかんだテレビは共通言語が最も多いメディアだと思うので、たとえテレビをまったく見ていない人でも、テレビってこういうもの、というイメージくらいは持っている。それこそコンプラが厳しくなっている、とか。個々人が抱くそのイメージの良し悪しとは別に、構造や文脈が共有されているって、ものすごいアドバンテージです。普段触れていない人にまで、そのイメージが知れ渡っていることが、テレビが最も優位性を発揮できるところだと思っていて、だからこそ、ふざけがいがあるんです。

結局最初のアイデアが一番おもしろかった、とならないために

——企画を考える上で、こういうことはやらないようにしている、というのはありますか?

原田:実体験で言うと、スタートの時点で「 純粋なエンタメとしてのおもしろさ」以外のことを目標として設定しない、ということですかね。「視聴率が取れそう」はもちろん、レギュラーとして継続できそうとか、マネタイズができそうとか、純粋なおもしろさ以外を初期段階で目標にすると、どうしてもコンテンツとしての爆発力に欠けたものになるし、直線的な企画になってしまうんですよね。余白を持って漂わせてこそ企画はおもしろくなっていくと思うので。

その上で、最初に思いついたことは曲げないようにしています。企画を番組として成立させる過程では、どうしてもロジックがうまくいかない部分が出てきたりするので、現実的な落とし所を探ることになるんですけど、そこで路線を変えてしまうと、結局最初のアイデアが一番おもしろかった、という結果になりがちなんです。

——本来は完成形が一番おもしろくなっていないといけないのに。

原田:そう、思いついたときがピークって、それじゃあせっかく作る意味がなくなってしまう。

——原田さんの番組は、「ここにタイトルを入力」のバイキング小峠さんが半分になっているビジュアルや、「有吉弘行の脱法TV」の「海賊版ガチャピン」など、ネット映えする一枚絵やパワーワードがいつも用意されています。

原田:それは、企画を考えるときはたいてい絵から思い浮かべるっていうことが一つと、日々摂取しているものがどうしてもネット文脈のものが多いので、言葉に落とし込む段階で自然とそうなっているんだと思います。感覚としても、今のテレビバラエティの潮流よりも、ネットの文脈をなぞるほうが意識としては強いです。

——最後に。「有吉弘行の脱法TV」の第2弾では、冒頭にMCの有吉さんが、番組の方向性を決定づける大事な話をしていますよね。

原田:実際に現場でご一緒すると、有吉さんのすさまじい能力に驚かされます。瞬時に企画の趣旨を理解して、それを適切な言葉で伝えてくれる。第1弾で「大人のビデオ」をテーマにした企画があるのですが、料理してるお母さんをずっと映して、その後ろで男女がそういうことをするのが小さく見切れてるという。映像的にはお母さんがメインだから、っていう趣旨なんですけど、有吉さんがVTRを見た瞬間「お母さん、がんばれ」って言ったんです。この一言だけで、視聴者に企画の見方を完璧に説明してくれた。あの洞察力と言語化力には感動しました。この番組の企画性を考えても、もし有吉さんがMCじゃなかったら、まったく異なった見方をされたり、そもそも番組として成立していなかった可能性は大いにあると思うので、感謝しかありません。

PHOTOS:TAMEKI OSHIRO

「有吉弘行の脱法TV」#2
テレビを知り尽くした有吉弘行が「テレビで出来ないとされていること」を知恵を振り絞って抜け穴を考え、何とか実現しようとするギリギリ合法なバラエティー番組の第2弾。昨年放送された第1弾では、「地上波で映せる乳首の限界」、「訴えられないガチャピンの海賊版の境界線」などを検証。第2弾もさまざまなテーマで“脱法”を企てている。

6月21日23時59分までTVerで配信中
https://tver.jp/episodes/epv9zru7em

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【スナップ】Snow Man目黒蓮、Stray Kidsバンチャン、関口メンディーらが来場 「フェンディ」2025年春夏メンズ・コレクション

「フェンディ(FENDI)」は、2025年春夏メンズ・コレクションをイタリア・ミラノで現地時間6月15日に発表した。

日本からは、ジャパンメンズブランドアンバサダーを務めるSnow Manの目黒蓮、関口メンディー、井上ヤマトらが参加したほか、グローバルメンズアンバサダーを務める俳優のニコラス・ガリツィン(Nicholas Galitzine)、中国のレザーグッズスポークスパーソンを務める俳優のチャン・ルオユン(Zhang Ruoyun)、歌手のマルコ・メンゴーニ(Marco Mengoni)、K-POPボーイズグループ、ストレイキッズ(Stray Kids)のメンバーであるバンチャン(Bang Chan)、歌手のミスター・レイン(Mr. Rain)、タナナイ(Tananai)ら豪華ゲストが参加した。

フロントローやバックステージの写真も

ほか、ネットフリックス(Netflix)の人気シリーズ「エリート(ELITE)」で注目を集めたアロン・パイパー(Aron Piper)をはじめ、マヌエル・トゥリソ(Manuel Turizo)、グザヴィエ・ドラン(Xavier Dolan)、シュー・カイ(Kai Xu)、タイロッド・テイラー(Tyrod Taylor)、ジョナサン・クミンガ(Jonathan Kuminga)ら各国を代表するスポーツ選手や俳優陣らが出席し、コレクションの発表を祝福した。

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【スナップ】「プラダ」ゲストはシャツが主役の“パワシャツ”コーデ 2025年春夏メンズ会場から

「プラダ(PRADA)」は、2025年春夏メンズ・コレクションをミラノで現地時間6月16日に発表した。ゲストの装いは、同ブランドの定番コットンポプリンのシャツの着用率が高く、シャツを自分なりに強く着こなす“パワーシャツ”スタイルが目立った。今季は機能的なディテールを装飾としてあしらった、2024年春夏シーズンのアイテムが多かった。複数のポケットが付くフィッシャーマンベストや、フリンジで表現した流動的なフラワープリントなど、同シーズンを象徴するキーピースの着用者もいた。穏やかな曲線を描くフレームのアイウエアを、装飾として取り入れる小物使いも、同シーズンのランウエイルックを踏襲したアイデアだ。

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ヘア&メイクアップアーティスト・加茂克也の企画展が猪熊弦一郎現代美術館で6月30日から開催 「アンリアレイジ」によるショーも

香川県の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(以下、MIMOCA)は、6月30日から9月23日まで、世界で活躍したヘア&メイクアップアーティスト・加茂克也氏の活動を紹介する企画展「加茂克也 KAMO HEAD」を開催する。

本展は、加茂氏にとって初めての美術館での個展で、トップブランドのファッションショーで実際に使用したヘッドピースを中心に、膨大な数の雑誌記事、アイデアソースや制作過程の記録、プライベートで制作していた立体作品などによって、加茂氏の創作活動を俯瞰的に紹介する。

また、6月30日にはオープニングイベントとしてファッションブランド「アンリアレイジ(ANREALAGE)」のファッションショーを特別に開催し、加茂氏が関わった「アンリアレイジ」のショーで実際に使われたヘッドピースを身にまとったモデルがランウエイを歩く。ショー後は、「アンリアレイジ」デザイナーの森永邦彦、本展会場構成及びショーの演出を担当した金子繁孝、作品集「KAMO HEAD」のブックデザインを担当した黒田益朗によるアフタートークも実施する。

加茂克也は、1965年福岡県生まれ。88年に「モッズヘア(mod's hair)」に所属し、ファッション誌や広告、ファッションショーなど国内外で活躍する。2003年第21回毎日ファッション大賞を受賞、83年の賞創設以来、初めてファッションデザイナー以外での受賞となる。15年個人事務所「KAMO HEAD」を立ち上げ独立。20年逝去。21年作品集「KAMO HEAD」を出版した。

■企画展「加茂克也 KAMO HEAD」
日程:6月30日〜9月23日
時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
休館日:月曜日(※ただし7月1日、15日、8月5日、12日、9月2日、16日、23日は開館)、7月16日、8月13日、9月17日
場所:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
住所:香川県丸亀市浜町80-1
入場料:一般 950円 / 学生 650円
※高校生以下または18歳未満、丸亀市在住の65歳以上・各種障害者手帳お持ちの方とその介護者1人は無料

■ANREALAGE LIMITED COLLECTION FOR KAMO HEAD
日時:6月30日 開場18:40/開演19:00

※ファッションショーはおよそ10分間で、その後アフタートークを開催
会場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 2F大階段、ミュージアムホール

定員:100人(全席自由)


料金:一般 2000円、ミモカフレンド会員 1500円
※小学生以下は大人の膝の上に座ってファッションショーを見る場合、チケットの購入は不要 ※アフタートークはチケットを購入されていないお子様も席に座って参加可能

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俳優、モデルとして日韓で大活躍の三吉彩花のプライベートに迫る

映画「ナックルガール」やネットフリックスオリジナルシリーズ「今際の国のアリス」で韓国でもおなじみのモデル兼俳優の三吉彩花。 独学で習得した韓国語を流暢に話せるほど、韓国好きだという。ストレイキッズ(Stray Kids)や、エンハイプン(ENHYPEN)ビビ(BIBI)など最近よく聴くK-POPのプレイリストから、ファッション&ビューティのスタイリングのコツ、バッグの中にいつも入れているマストハブアイテムの裏話まで。三吉彩花とランダムカードインタビューを通じて、プライベートかつ親密な会話を交わした。

WWD KOREA(以下、WWD):モデル出身ということで、スタイルアイコンとして有名ですが、普段のスタイリングで一番気をつけていることは何ですか?

三吉彩花(以下、三吉):全体的なバランスです!自分なりのルールがあるのですが、どんなに多くても4色以上は合わせないようにしています。

WWD:韓国をよく訪れると聞きましたが、一番好きな場所はどこですか?

三吉:韓国に住んでいる日本人の友だちがいるので、よく来るんです。 主に漢南洞(カンナムドン)や聖水洞(ソンスドン)近辺に行きます。 先日、ある日本人の方が「三吉彩花さんじゃないですか?」と声をかけてくれて、すごく照れくさくて不思議な気持ちになりました。

WWD:K-POP好きとして、最近新たに気になるグループがあれば教えてください

三吉:最近、「ジェントルモンスター(GENTLE MONSTER)」の東京青山店で会ったエンハイプン(ENHYPEN)です。ストレイキッズは今でも好きですし、最近は韓国のR&Bの女性アーティストやヒップホップのジャンルの曲をよく聴いていますが、その中でもビビの音楽がとても良かったです。

WWD:韓国ドラマの作品で印象に残っている作品は?

三吉:「ザ・グローリー」を本当に面白く見ました。2日間で全部見たくらいです。展開もそうですが、俳優たちの演技がすごく印象的でした。いつか「ザ・グローリー」を演出した監督さん、スタッフさん達にもぜひ会いたいです。

バッグの中のマストハブアイテム

WWD:普段、出かけるときにバッグの中に必ず入れているアイテムはありますか?

三吉:梅干しです。日本では梅干しのお菓子や干し梅をよく食べるんですが、疲れたときに梅干しを食べると、すぐに疲れが取れて元気が出る感じがします。普段、疲れたときは甘いものをたくさん食べてエネルギー回復する話をよく聞くのですが、私はしょっぱいもので元気をチャージしています。

WWD:今後の活動予定をお聞かせください

三吉:「今際の国のアリス」のシーズン3の制作が決まりましたが、私が出演するかどうかはまだ未定です。検討段階なので、もう少しお待ちいただければと思います。日本でもそうですが、韓国でもさまざまなコンテンツを撮影する準備をしているのでぜひ多くの関心と応援をお願いします。これからも頑張ります!

三吉彩花と交わしたインタビューの全内容は「WWD KOREA」のユーチューブチャンネルをチェック!

INTERVIEW RUBY KIM
PHOTO JUWON YOON

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「ファンケル」がマルチビタミンのサプリメントをリニューアル 現代の食生活に合わせビタミンやミネラルを増量

ファンケル(FANCL)」は、現代人に大切なビタミンとミネラルの摂取をサポートするサプリメント“マルチビタミン&ミネラル”をリニューアルし、“マルチビタミン&ミネラル Base POWER”(90粒30日分、1230円)として6月18日に発売する。

炭水化物や脂質が多くなりがちな現代の食生活に合わせ、13種類のビタミンや7種類のミネラル、コエンザイム Q10、乳酸菌などを増量した。リニューアル前と比較すると、炭水化物からのエネルギー産生を助けるビタミンB1に加え、ビタミンB2とB6を10倍量、抗酸化作用のあるビタミンEを13倍量、タンパク質合成や免疫力向上などに寄与する亜鉛を3倍量、それぞれ配合した。1日の摂取目安量を6粒から3粒に減らし、粒の丸みや、飲み込みやすいコーティング技術も改善した。

商品は、カビなどの微生物や埃の混入がない「クリーンルーム」で製造。2005年には、米発・製品の品質と安全性の確保を目的とした製造認可基準「健康補助食品適正製造模範」を大手メーカーの自社工場として初めて取得した(「ファンケル」調べ)。原料選定から製造、販売まで独自の厳しい基準で徹底した品質管理を行う。販売後も、管理栄養士や薬剤師を配置した電話窓口の設置や、健康食品と医薬品との組み合わせに対応する「SDIシステム」など、顧客のサポート充実を図っている。

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NEWS 02

「プラダ」「MSGM」「トッズ」新作を展示会で最速チェック 22-23年秋冬メンズコレ現地突撃リポートVol.4

 ボンジョ〜ルノ!ミラノ最終日は最高気温8度、青く澄み渡る空が広がっております。本日は展示会を中心にミラノの街を駆け回り、夜の便でパリへと戻ります。素敵なコレクションを見られれば寝不足も吹き飛びます。最終日も張り切っていきましょう〜!

14:00 「ケーウェイ(KWAY)」

 1965年創設のフランス発レインウエアブランド「ケーウェイ(KWAY)」が、ミラノでは初となるリアルのショーを開催しました。フランスとイタリアでは老若男女問わず親しまれているカジュアルなブランドです。パンデミック直前の2020年1月に「ピッティ ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMAGINE UOMO)」でショーを行ってから、「フェンディ(FENDI)」や「サン ローラン(SAINT LAURENT)」「プレイ コム デ ギャルソン(PLAY COMME DES GARCONS)」とコラボレーションしてきました。

 そのためショーで披露したコレクションは、商品のバリエーションを増やしてデザイン性を高め、ファッションブランドとしてのイメージをより強く印象付ける内容です。レインウエアはポンチョやパフ入りの軽いダウンで、ウィンドブレーカーは構築的な構造でドレスのように見せました。光沢のあるビニールのような表面のダウンはさまざまなボリュームで登場。シグネチャーであるジッパーの3ラインやイエロー、オレンジ、ネイビーの明るいカラーが鮮やかで若々しい印象でした。分厚いニットはウエアやボトムス、アクセサリーとしてルックに遊び心を加え、シアリングのディテールは高級感をもたらしました。

 会場のフロントローを独占していたのはエディターではなく、10代後半〜20代前半のインフルエンサーたち。新路線は、機能性重視の合理的なワードローブと、SNS上での注目を求める若い世代には魅力的に映ったのではないでしょうか。

14:30「プラダ」展示会

 昨日の「プラダ(PRADA)」のショーは、SNS上でかなりバズっていましたね。ファーストルックを飾ったカイル・マクラクラン(Kyle MacLachlan)の代表作であるドラマ「ツイン・ピークス(Twin Peaks)」の世界観と、今季の「プラダ」のクラシックなユニホームやグラフィックの雰囲気がオーバーラップし、ドラマのオープニング曲がずっと頭から離れません!

 展示会場でルックを近くで見ると、マネキンからすごい威圧されているように感じました。アウターは全てショルダーパッド入りで肩が張り出し、ニットウエアもショルダー部分だけ縫い方を変えて肩幅を広く見せる工夫を施しています。ジャンプスーツのグラフィックを手掛けたのは、ラフ・シモンズ(Raf Simons)の長年のコラボレーターであるピーター・デ・ポッター(Peter de Potter)でした。ロボットモチーフのピアスは重いけど、間の抜けた感じがなんともかわいい!

16:00「トッズ」展示会

 昨日デジタルで発表した「トッズ(TOD’S)」の展示会場へ行ってきました。映像はイタリア・トリノ近郊のリヴォリ城を舞台に、イタリア美術を象徴する歴史的建築物の中でコレクションを披露しました。ヴァルター・キアッポーニ(Walter Chiapponi)=クリエイティブ・ディレクターは「伝統と実験の融合により進化するイタリアの創造性からインスピレーションを得た」とコメントしています。彼が現職に就任してから2年間、クラシックなスタイルの現代的なアップデートに挑み続けていて好印象です。

 今季は”イタリアン・ルーツ”がテーマとあって、控え目なワードローブに仕上げています。パッチポケットがポイントのシャツジャケットやシンプルなダウンジャケット、ライニングを取り外して保温性を調整できるトレンチコートなど軽量で凡庸性の高いアウターで、レジャーとアーバンの両方で着用可能なスタイルを提案します。トラックスーツのようにスポーティーなトラウザーとテーラードを合わせる手法は、今季のミラノで多く見られました。カラーパレットは、自然風景や建築物に触発された優しいアースカラーが中心。ウィメンズに比べると、メンズはまだクラシック寄りなようです。しなやかなレザー使いが毎シーズン見事なので、メンズでもレザーの作品をもっと見てみたい!

17:00「MSGM」

 「MSGM」のコレクションは、昨日の展示会に参加し、今日は映像発表をチェックしました。服のモチーフにはマッシュルームやヘンプを使い、映像では現実と幻覚の境目が曖昧になるサイケデリックなムードを表現しました。マッシモ・ジョルジェッティ(Massimo Giorgeti)=クリエイティブ・ディレクターは今季、イタリア人建築家兼工業デザイナーのガエタノ・ペッシェ(Gaetano Pesce)が制作した数々のチェアから着想を得たそうです。ふわふわのフリースやテディベア生地、フェルトキルティングの質感は、まさに快適なチェアを思わせる肌ざわりのいい生地でした。

 映像に登場したチェアは、イタリア高級家具ブランド「カッシーナ(CASSINA)」とのコラボレーション。今季は“快適さ”が重要なテーマの一つで、フーディーやショーツ、ワイドシルエットのトラウザー、内側前面にフリースをあしらったサンダルを中心に、「MSGM」は洋服と家具で私たちをリラックスした異世界へと誘い込みます。

「本日のジェラート」

 空港へ向かう前に、グロム(Grom)で最後のジェラートをいただきました。グロムは一時期、日本にも店舗があったので知っている方は多いかもしれませんね。パリの自宅近くに店舗があるので、いつでも食べれるっちゃ食べれる味なのですが、なんだか最後は新しい店に挑戦するのではなく、慣れ親しんだ味を欲する気分なんです。フレーバーも、私の定番であるピスタチオ。安定の味に癒されて、冷たいジェラートで心が温まりました。明日から始まるパリ・メンズ・ファッション・ウイークの日記は、「WWDJAPAN」ヨーロッパ通信員の藪野さんへとバトンを渡します。ミラノと同じくビッグメゾンはリアルのショーを開催予定なので、藪野さんの現地リポートにぜひご期待ください!

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最新号の読みどころ

「WWDJAPAN」2024年6月17日号は、“グランパコア”というキーワードを軸に、メンズのリアルトレンドを特集します。“おじいちゃんの着古した服を借りてきた”ようなスタイルの“グランパコア”が今、どのように広がっているのか。セレクト各社やアパレルメーカーの展示会取材を通して背景を考察するほか、各ブランドの24-25年秋冬の推しスタイルを通して見えてくるリアルなトレンドを紹介します。