ファッション

郊外の“リベンジ消費”は想定以上も都心の回復はまだ ワークマン、ニトリ6月度は絶好調

 専門店チェーン、セレクトショップの2020年6月度の売上高(既存店ベース)は、5月度に比べると各社かなり回復してきている。「当初の想定よりも回復スピードは速い」という声が中心だ。特に、郊外のロードサイド単独店やショッピングセンター内の店舗では“リベンジ消費”の盛り上がりが鮮明となっているが、都心の駅ビル、ファッションビル内の店舗はコロナショック前の水準をまだ取り戻せてはいない。また、“リベンジ消費”についても「いつまで続くか分からない」と不安視する声は強い。

 ワークマンの売上高は前年同月比37.2%増と、引き続き絶好調。「気温が高く推移したことと、4~5月に販促チラシや改装オープン、業態転換などを抑えていたことから、その反動で伸びている」と広報担当者。プロ向け商品の伸びは同10%弱、引き続き一般にも客層が拡大していることが追い風となっている。

 しまむらの基幹業態「ファッションセンターしまむら」の6月度(5月21日~6月20日)は同27.0%増。客数は同16.0%増、客単価も同9.8%増だった。ワークマン同様、4~5月に販促チラシなどを抑えていた反動もあって伸びている。「地方で給付が先行している特別定額給付金も一部貢献している」(広報担当者)と見る。「リベンジ消費はヤングカジュアルは秋に向けてもう少し続きそう。大人は生活防衛意識の方が強まるのでは」。

 「無印良品」の直営店、店舗への卸、EC合計では同9.5%増だった。「まだ7割の店で時短営業しており、昨年6月に12日間実施したキャンペーンを今年は行わずにこの数字となった。ただ、バブル的な盛り上がりであって7月以降は落ち着く」(広報担当者)と読んでいる。

 アダストリアは0.1%減だった。「郊外のショッピングセンター内の店舗は比較的お客さまが戻っているが、都心は3密を避ける傾向が続いている」と広報担当者。夏物は初期投入を減らし、フレキシブルな体制を敷いたこともあって、春夏通期での消化も進んでいるという。

 ユナイテッドアローズ(UA)の小売り、EC合計では同3.9%減だった。「都心部の売り上げの戻りは鈍く、生活圏に近い準郊外、郊外の消費の戻りは比較的堅調」と広報担当者。「ビジネスニーズよりもカジュアルアイテムの動きが全般的によく、そこも(カジュアルが主力で2ケタ増などとなった)他社との数字の違いとなっている」と分析する。

 ファッションではなくインテリア関連が主力となるが、ニトリは同47.4%増、客数も同43.8%増。ワークマンを超える勢いでコロナの勝ち組街道を突き進んでいる。「引き続きホームオフィス家具、収納整理品などが好調。気温上昇に伴い、寝具や寝装品も動き、ダイニング・キッチン用品も5月以上に好調だった」と発表している。

 なお、ユニクロは7月9日の20年8月期第3四半期決算発表に合わせて6月の月次を発表する予定。

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