Fashion. Beauty. Business.
キャンプはバーチャルに置き換え可能か
バーチャルファッション、メタバースといった言葉を頻繁に耳にするようになってきました。本日紹介する1本目の記事も、「H&M」が発表したバーチャルファッションについてです。応募者の中から3名に、その人の画像とルックを合成したデータを提供するんだそう。当選して、画像をSNSに投稿したら話題になること間違いなしですね。
話は変わりますが、バーチャルファッションやメタバースの盛り上がりと、昨今大ブームのキャンプなどのアウトドアレジャーは、実は人間の同じ心理の表と裏なんじゃないかと感じています。バーチャルにドキドキしても、やはり動物として、フィジカルで自然に近づくような体験も本能的に求めているんじゃないかと。
バーチャル技術は今後さらに発展して、ますますリアルに迫ってくるでしょう。ただ、それによってリアルでフィジカルな体験・経験の価値は落ちることはなく、むしろより高まるはずです。「キャンプをバーチャルで済ませずに本当に山に行くなんて、お前の家すごいな!」みたいな会話を、数年後には小学生がしているかもしれません(笑)。そんなところに、ビジネスのヒントはありそうですよね。
ビルケンシュトックの2026年福袋はどこで買える? 今年も“選べる福袋”が登場

「ビルケンシュトック(BIRKENSTOCK)」は、2026年福袋を12月24日から公式オンラインショップ限定で発売する。販売期間は2025年12月24日から2026年1月11日までで、数量限定のため、なくなり次第終了となる。価格は、キッズ福袋が1万1000円、アリゾナ福袋が2万5000円、ボストン福袋が2万9900円、チューリッヒ福袋が2万6000円、シューズ福袋が2万8000円。
いずれの福袋も、「ビルケンシュトック」のフットウエア2足がセットになっており、選択したモデルまたはカテゴリーの1足に加え、「お楽しみの1足」が入る構成となっている。
定番モデルからキッズまで “2足入り”の多彩なラインアップ
モデルを指定できる福袋は、「アリゾナ」「ボストン」「チューリッヒ」の3種類を用意。加えて、カテゴリーから選べる「サンダル福袋」「シューズ福袋」も展開し、福袋ならではのワクワク感を楽しめる内容となっている。
また、キッズサイズのフットウエア2足が入った「キッズ福袋」は、毎年早期に完売する人気アイテム。大人向けからキッズまで、幅広いニーズに応えるラインアップがそろう。
孫正義氏の長女がスパイバーを支援、巨額の借入金の返済延長へ
人工構造タンパク質素材「ブリュード・プロテイン」を展開するスタートアップのスパイバーは12月23日、投資ファンド及びブランディングを行うBOLDの川名麻耶CEOとの間で事業支援契約を締結したと発表した。川名CEOは2026年上期をメドに所定の条件をクリアした段階で事業支援を行う。
川名CEOは慶応義塾大学経済学部を卒業後、ゴールドマン・サックス証券を経て19年12月にBOLDを設立した。本日の発表資料の中で、孫正義氏の長女であると明かし、「本来的には不要な、自身の出自を公表することに致しましたのは、企業売却やIPOといった短期的なキャピタルゲインを前提とせず、世界のバイオベンチャーシーンを代表する企業として育て上げるための本質的な取り組みに集中できる立場であること、そして、そのための意思決定を迅速に行える環境にあることを、明確にお伝えするためです」とコメントしている。
川名氏とスパイバーの関山和秀・代表執行役はともに慶応幼稚舎出身。川名氏はあえて孫氏の長女という出自を明かすことで、銀行団や債権者に、今年末に返済期限が迫る約350億の借入金の返済期限の延長や整理などを促す狙いがあると見られる。
また、リリースの中で川名氏は、「日本を代表し世界を変える可能性のある技術は『長期的に支えて育てていくべきである』という使命感と同時に、私自身が長年抱いてきたファッション産業のイノベーション構想との高い親和性があります。さらに、交渉を重ねる中で見出すことのできた、事業に対するフィロソフィーや企業カルチャー、未来への向き合い方などの価値観の近さは、ご一緒したいという思いを一層強める要因となりました」ともコメントしている。
「フェニックス」が「トーガ」とコラボ 源馬大輔が春夏シーズンに古田泰子を選んだ理由は?
「雪山でつちかったアイディアを街へ」を掲げて源馬大輔がディレクションする「フェニックス(PHENIX)」が2026年春夏シーズン、「トーガ(TOGA)」とのコラボコレクションを発表した。「フェニックス」の“機能を極める知恵”と、「トーガ」が探求する“構造を再編集する美学”を融合し、アウトドア由来の発想を都市のスタイルに再解釈。黄色と緑の抽象柄は岩肌のミネラルや森に差す光、自然のノイズを表現して、プリーツやタックの動きが“流動する地層”のような立体感を生む。「フェニックス」のクリエイティブ・ディレクターを務める源馬と、「トーガ」のデザイナーを務める古田泰子にコラボレーションについて聞いた。
異常なくらいシルエットにこだわる
デザイナーと春夏は取り組みたかった
WWD:スキーウエアに始まり「雪山でつちかったアイディアを街へ」をコンセプトに掲げる「フェニックス」のみならず、アウター発祥もしくは専業のブランドにとって、春夏シーズンは難しい。秋冬ではなく、春夏シーズンに「トーガ」とコラボレーションする理由は?
源馬大輔「フェニックス」クリエイティブ・ディレクター(以下、源馬):その通り、こういうアウターをメーンとするブランドの春夏は難しい。他のブランドでも、有名なロゴを胸元にあしらったポロシャツがヒットするなどして以降、ようやく春夏シーズンのビジネスが大きくなったりしている。だから、実力のある人と一緒に取り組みたかった。デザイナーとして尊敬するのは、異常なくらいシルエットにこだわっている人。古田さんは、3層構造の生地を使っても、シルエットが美しい。ボリュームをスポーツウエアならではの機能性と共に表現できるから、サンプルを見ても納得。街中ではオーバースペックかもしれないけれど、印象的なボリュームによってアウトドア由来の発想が都市のスタイルに再解釈される取り組みは、ずっと挑戦したいと思っていた。
古田泰子「トーガ」デザイナー(以下、古田):「トーガ」もスポーツウエアにインスピレーションを得ているので、今回のプロジェクトは楽しかった。街でも着られるスポーツウエアは「フェニックス」の得意分野だし、3層構造の生地は(ハリがあるので)ボリュームを表現するのに適している。考えたのは、「トーガ」のどこを切り取るか?“らしい”と言われるメタルづかいを取り入れることもできたけれど、源馬くんから「ボリューム」という“お題”をもらっていたので、ロンドンで発表しているコレクションに通じるボリューム感を追求した。シグニチャーとも言えるメタル使いは減らし、飾りではなく、ボリュームを調整するためのファスナーのスライダーにあしらうなどしている。
源馬:ありきたりのアノラックなんて全然目新しくないし、(「チカ キサダ(CHIKA KISADA)」や「ナゴンスタンス(NAGONSTANS)」とコラボレーションしたファースト・コレクションを踏まえ)名前を載せ替えただけの取り組みにはしたくなかった。となるとやはり、ウィメンズが得意で、独自のシルエットを持っている人がよかった。
重たくないドレスは、
ストレスなくドレスアップできる
古田:「トーガ」でも3層構造の生地から洋服を作ることはできるけれど、「フェニックス」との取り組みのように軽く仕上げるのは難しい。一方今回の洋服は、ラッフルなどで生地をそれなりにたくさん使っているが、重たくない。重くないドレスは、女性がストレスを感じずドレスアップできるアイテム。昨今通年で大事になっている「軽さ」や「保温性」「通気性」などの機能をあらためて意識できて楽しかった。
源馬:逆にダウンがないので、さらに軽やかに表現できている。男性デザイナーだとオーバースペックになりがちだが、今回は引き算が生きた。
古田:「トーガ」自体は装飾性が高いときも多いが、特に最近ロンドンで発表しているコレクションについては、削ぎ落とすことに興味を持っている。時々後ろ髪は引かれるけれど、「ここはデザインを削ぎ落とした方がわかりやすい」のように、デザイン性を盛り込むところはかなり意識して選択している。一方、抽象的な柄はオリジナル。街でもフィットする柄を作ってもらった。
源馬:正直今回は、僕の仕事なんて何にもなかった(笑)。
WWD:そもそもスキーはする?
古田:再開したら、また好きになった。大人になってから雪山に登ったら、あらためて白の美しさに感動した。汚いものを全て隠したり、消し去ったりしてくれる感じがした。そこからみんなのスキーウエアはチェックしているが、「フェニックス」の着用率は高いと思う。
源馬:スキーウエアでは、スウェーデンのナショナルチームのサプライヤーをしており、やはりクオリティは高い。一方自分のラインでは、レザーパンツに「チャンピオン(CHAMPION)」のスエットでスキーとか提案できたらカッコいい。いつか、実現したい。古田さんには、子ども服を作って欲しい(笑)。
「フェニックス」は2026年春夏シーズン、源馬が手掛けるラインと、宮下貴裕による「PHENIX by TKMT」、「トーガ」とのコラボラインを販売する。「トーガ」とのコレクションは、すでに予約販売を受け付けている。
「ポーター」が「バズリクソンズ」とコラボ フライトジャケット4色を発売

吉田カバン創業90年を記念して「ポーター(PORTER)」は12月24日、「バズリクソンズ(BUZZ RICKSON’S)」とのコラボレーションアイテムを数量限定で発売する。「ポーター」店舗および吉田カバン公式オンラインストアで取り扱う。吉田カバンのオンラインストアでは12時から発売する。
機能的でユニークなフライトジャケット
1993年に誕生した「バズリクソンズ」は、糸の紡績から織り・生地の素材・各部の軍用パーツ、そして全体のフォームに至るまでこだわり抜いたフライトジャケットをつくり続けている。
本コラボレーションでは、フライトジャケットの代名詞“MA-1”に、「ポーター」を代表するシリーズ“タンカー”で採用している100%植物由来のナイロンを融合させた“バズリクソンズ×ポーター MA-1&ウオレット”(全4色、各14万3000円)をラインアップする。ジャケットの左袖に取り付けられたシガレットポケットは、着脱可能な「ポーター」のウオレットで表現し、中綿には「3M(スリーエム)」が開発した軽量かつ保温性の高いシンサレート高機能中綿素材を採用した。ライニングには、かつてのフライトジャケットにあしらっていた“トラベリングマップ”を取り入れ、柄配置はランダムになっている。
さらに、ライニングには着脱可能なストラップを取り付けられ、着用しないときは背負うことができる。袖には、バッグのディテールにも用いられる“マチ拡張”機能をベースにファスナーを取り付け、アームホールを広げることが可能だ。フロントにはファスナーとスナップボタンの2通りで開閉でき、スナップボタンを使用するとやや細身のシルエットを楽しめる。サイズ展開はS〜XL。カラーは“サージ グリーン”、“ブラック”、“アイロン ブルー”に加え、落ち着きのある色味にタンカーの持つナイロンの光沢が一体になった限定色の“コヨーテ”を展開する。
また、同アイテムには90周年限定のタグを縫い付けたオリジナル巾着が付属する。
【2025年バレンタイン】「シャルロット シェネ」がパリのショコラティエとコラボ 青山店限定チョコレートを発売
「シャルロット シェネ(CHARLOTTE CHESNAIS)」は、パリのショコラティエ「ドゥボーヴ・エ・ガレ(DEBAUVE &GALLAIS)」とコラボしたチョコレートを「シャルロット シェネ」青山店限定で現在発売中だ。
「ドゥボーヴ・エ・ガレ」を代表する円盤チョコレート“マリー・アントワネットピストル”を新たに再解釈し、「シャルロット シェネ」を象徴する“ラウンド トリップ”のフォルムをチョコレートに刻印した。今回の限定版では、74%マダガスカル産ダークチョコレートのレシピを採用している。6枚入りが3740円、4枚入りが1万1220円。
◾️シャルロット シェネ 青山店
オープン日:12月5日
営業時間:11:00〜19:00
住所:東京都港区北青山3-7-11
“スナップ常連”の斉姉妹が選ぶ、2025年本当に使い倒した私物ベスト3
PROFILE: 左:Rika/フリーランスPR 右:Yuka/グラフィックデザイナー
ファッション&ビューティの現場で活躍する注目の“あの人”に、2025年をリアルに支えた使い倒したアイテムベスト3を聞く年末の特別連載。その選択には、今の価値観とムードがはっきりと表れる。
第2回に登場するのは、ファッションスナップの常連としても知られる姉妹、ファッション&ビューティPRのRikaと、グラフィックデザイナーのYukaだ。自由でプレイフルなスタイリングが印象的な2人だが、その装いの裏には、流行との距離感や「自分にとって心地いいもの」を見極める確かな視点がある。25年に本当に使い続けた私物ベスト3を紹介してもらった。
姉のRikaが選んだベスト3
BEST1:
メルカリで出合った“デコ済み”のコンデジ
——Rikaさんが今年1番使い倒したアイテムは?
Rika:「パナソニック(PANASONIC)」の中古のコンパクトデジタルカメラ“LUMIX DMC-FX60”です。メルカリで購入した09年のモデルで、毎日持ち歩くほど愛用しています。
——ラインストーンのデコレーションがとってもかわいいですね。
Rika:実はこれ、デコられた状態で出品されていたんです。それが逆に良くて、即ポチしました。前の持ち主の“好き”をそのまま受け継ぐ感じがすてきだなと。
——Rikaさんのイメージにピッタリです。ちなみに、このストラップも付いていた?
Rika:これは、落下防止として、横浜ワールドポーターズの中にあるアクセサリーショップでオリジナルストラップを作ったんです。ラインストーンのデコレーションに合わせて、ピンク×ハートのデザインに。確か3000円くらいだったかな。

——どんな写真を撮ることが多い?
Rika:SNS用のコーディネート写真が多いです。友だちと撮り合ったり、自撮りもします。風景や物はちょっとボケやすいので不向きかも。でも、そのざらっとした質感こそ今っぽくて、フラッシュを焚くと奥行きが出てかっこいい写真に仕上がるんです。
——確かに、最近はやっているエモーショナルな写真が撮れそう。iPhoneのカメラとの使い分けは?
Rika:普段はiPhoneでサクッと日常の風景を撮ることが多いですが、このコンデジを買ってからは、スタイリングの撮影や物撮りが一層楽しくなりました。動画も独特の味が出ていい感じに仕上がるんです。専用機器があればデータ転送もすぐできるので不便なし。最近のカメラは、“高画質派”と“エモい旧機種派”の二極化を感じますが、私は断然後者です。
BEST2:
アプデし続けるじゃら付けチャーム

——25年はじゃら付けチャームがはやりましたね。フェスでもスタイリングの一部として取り入れている人をたくさん見かけました。Rikaさんもそんな流行から?
Rika:私はじゃら付けチャームがはやる前から、キーチャームとして使っていました。ガシャポンやキーホルダー集めが昔から大好きで、自然と増えていった感じです。気づいたらどんどん増えてしまって、ほかにも家に大量にあります(笑)。
——中でも「これがお気に入り」というキーホルダーは?
Rika:コジコジのキーホルダーです。コジコジが好きなのはもちろん、これを眺めていると、作中のポジティブな言葉を思い出せるのも好き。ずっと付けてたら、少し黒ずんできちゃいましたけど(笑)。あと、私はXGのファンなので、モフモフのビッグテイルチャームも外せません。
——「RKRN」とアルファベットがついているロープキーホルダーも気になります。
Rika:これは原宿のアクセサリーショップで作ったもので、6000円くらいでした。原宿に通い詰めていた“デコラ族”だった頃から現在まで、ずっと使っているニックネームが「りかりん」なので、そのアルファベットの頭文字を入れて、好きなパーツを詰め込みました。
——Rikaさんの“好き”を集結したじゃら付けですね。統一感がありますが、決まりはある?
Rika:ルールはありません。じゃら付けは自分らしさや個性、推しを表現する一つの手段だと思っているので、好きなものを、好きなだけ組み合わせていいと思います。ただ、その日のファッションに合うようにボリューム感や色味のバランスを調整することもあります。
——今後もアップデートする予定はありますか?
Rika:気づいたらガシャポンしたり、キーホルダーを買ったりしているので、自然に増えていく&アップデートすると思います。かわいいの衝動には勝てませんから!
BEST3:
「自分が一番リアルに履いている」バルーンパンツ
——3つ目のアイテムを教えてください。
Rika:私がプロデュースしているアパレルブランド「サイトーキョー(SCAI TOKYO)」のバルーンパンツです。価格は1万1000円で、カラーは5色展開。写真の赤チェックと黒チェックは私もリアルに愛用していて、今日も履いてきちゃいました。自分で作っているからこそ、逆に一番シビアに履いています(笑)。
——デザインする上で意識したことは?
Rika:ムエタイパンツをイメージして、刺繍を“あえて前”に大きく配置したところ。そこにバレエコアのテイストをミックスした、唯一無二のデザインにしてみました。私らしいデザインに仕上がったので、満足しています!

——実際に履いてみて、魅力は?
Rika:1枚で履くときも、レースタイツやルーズソックスなどレッグウェアとの組み合わせを楽しめるところ。レッグウエア次第で表情が変わるのも、飽きずに履ける理由です。あとは、本当に楽なのにかわいい。程よいボリューム感のあるシルエットが足を細く、お尻をコンパクトに見せてくれるんです。
——トレンドはあまり意識しないのでしょうか。
Rika:もちろんトレンドもチェックしますし、かわいいと思えば採用します。でも、それをそのまま着るというよりは、一度自分の中に落とし込んでから選ぶ。はやっているから着る、というより「今の私が着たいかどうか」。そこがブレなければ、結果的にトレンドと自然につながっていく気がしています。
妹のYukaが選んだベスト3
BEST1:
みんなの視線を独り占め!犬型バッグ
——Yukaさんが今年1番使い倒したアイテムは?
Yuka:移動式のセレクトショップ、クラウンマーケット(crown market)で購入したダックスフンド型のバッグです。最近、アニマルモチーフのバッグをコレクションブランドでも見かけるようになりましたが、これは他にない“べた塗りピンク”に引かれて即決。購入したのは25年の夏頃で、価格は約2万5000円。実用性よりも「好き!」という直感でビビッときて、姉妹で割り勘しました(笑)。
——お気に入りのポイントは?
Yuka:コーディネートのアクセントになる存在感ですね。派手なスタイリングにも負けないバッグをずっと探し求めていて、やっと出合えた主役級バッグです。あと、この子を持っているだけで会話が生まれるんです。「それどこの?」って聞かれることも多く、人との距離を縮めるきっかけにもなるんだなと感じました。
——どんなシーンで活躍している?
Yuka:「今日は気合いを入れておしゃれするぞ!」という日の相棒。仕事でも持ち歩きたいけど、パソコンやガジェットが入らないから完全にプライベート用です。

——荷物はあまり入らなさそうな気がしますが……。
Yuka:それが意外と入るんですよ。財布、iPhone、ペットボトル、ミニポーチくらいはいけます。ただ、詰め込みすぎると太って見えるのでほどほどに(笑)。
——26年も出番はありそう?
Yuka:もちろんです!流行に左右されず、自分の“好き”で選んだバッグなので。この前クラウンマーケットのポップアップに行ったら、黄色の子も見つけちゃって……もう1匹お迎えしようかな、なんて2人で考えています。
BEST2:
365日分のフォントと思い出が詰まった日めくりカレンダー

——2つ目のアイテムを教えてください。
Yuka:ドイツの出版社が発売している日めくりカレンダー“タイポダリウム”です。インスタグラムで見つけて、マイナーな雑貨屋さんのオンラインストアで3500円で購入しました。365日フォントが違って、毎朝めくるのが楽しみなんです。もう26年分も買いました。
——全てフォントが違うというのは、なかなか珍しい。
Yuka:世界中のフォントを使用しているそうで、タイポグラフィーのサンプルブックとしても活躍するんです。著作権などの関係で実際デザインに落とし込むことはあまりできないのですが、アイデアのヒントとして重宝しています。
——これはカレンダーをめくるのが楽しみになりますね。切り取ったら捨てている?
Yuka:切り取ったら、この箱に収納しています。私はさらに、めくったカレンダーに日記を書くようにしていて。余白の空いているスペースいっぱいに書いて、その日何があったのか、どんな気持ちになったのか。いつか読み返したら面白いかもと思って、書き留めておいているんです。
——なぜ日記まで?
Yuka:丁寧な暮らしがしたくて始めました。朝1枚カレンダー切り取るところからスタートして、夜日記を書いて1日を終える。そんな“面倒くさい時間”がとっても愛おしいんです。これまでは忙しくて自分の時間が取れない日も多かったので、せめて1日の終わりだけでも自分と向き合いたいなと思ったんです。日記は書いていても、風呂キャンセルするときもあるんですけどね(笑)。
BEST3:
ようやくかなった手元のおしゃれ

——では、3つ目は?
Yuka:一軍のアクセサリーたちですね。ネックレスもお気に入りですが、今年は特にリングの存在が大きかったです。
——一番思い入れのあるものを教えてください。
Yuka:「ジャスティン デイビス(JUSTIN DAVIS)」のピンキーリングです!エッジの効いたジュエリーブランドなのですが、珍しいキュートなイチゴデザインにお店で一目惚れしてしまって。別のリングを目当てにお店に行ったのですが、気づいたら両方お迎えしていました。
——リングを集めるのが趣味とか?
Yuka:いえ、もともとあまり持っていなかったんです。というのも、前の部署ではダンボールなどの手作業が多くて、どうしても実用性優先の毎日でした。せっかくかわいくしたネイルはすぐに取れてしまうし、指輪も作業の邪魔になるので、自然と手元のおしゃれからは距離を置いていました。
ですが、25年春にグラフィックデザイナーの部署に移動になり、ようやく楽しめるようになったんです。それからはリングを爆買いして、毎月ジェルネイルをするように。手元って、自分から一番目に入るパーツじゃないですか。だから、かわいいとそれだけで気分が上がるんです。

——仕事以外なら付けられたのでは?
Yuka:邪魔だし作業中に外すのが面倒で、手に何かをつけるのがあまり好きじゃなかったんです。でも、手元のおしゃれに目覚めてからは、もうやめられませんね。これからもかわいいアクセサリーを追い求めたいと思います。
2025年、2人が手にした心の変化
——25年は、どんな1年でしたか?
Rika:私にとっては整えることができた1年でした。フリーランスって、気を抜くと働く時間が曖昧になってしまって、仕事とプライベートが混在しがちになるんです。友達と遊びながら仕事のメールを返しちゃうとか、逆にだらけて土日まで仕事がずれ込んだり……。
25年はそれを見直して、「タイムスケジュールを組む」「タスクを整理する」「自分の中で締め切りを決める」ことを徹底したら、心も体も軽くなって、仕事のミスも減ったんです。この1年で“心地よい働き方・休み方”をようやく掴めた気がします。
Yuka:この1年を漢字で表すと「革新」。ずっと目指していたクリエイティブ職に就けて、新しいことに挑戦できた年でした。大変な時期もあったけど、それを乗り越えてから心に余裕が生まれて、外に出る時間が一気に増えました。
というのも、グラフィックデザイナーって基本パソコンに向かうインドアな仕事で、在宅も多いんです。チーム制でもないから、1日誰とも話さない日もあるくらい。だからこそ、週末は外に出て誰かとご飯に行ったり、一緒に出かけたりするのがすごく楽しくて。人とのつながりがぐっと広がった一年でした。
2026年に見据えるのは、未来の私と次のステップ
——26年はどんな年にしたいですか?
Rika:これまでは目の前の仕事に全力で向き合うことで精一杯で、3年後、5年後みたいな少し先の未来を考えるのがすごく苦手でした。与えられた仕事を必死にこなして、疲れたら休んで、また走り出して……という繰り返しで1年が終わってしまう感覚がずっと続いていました。でも最近はいろいろな人と関わることで、「私は本当は何がしたいんだっけ?」と立ち止まって考える瞬間が増えてきたんです。
だから26年は、“働き方と少し先の自分”をちゃんと考える1年にしたいと思っています。自分は何ができて、何をしたくて、どんな場所で、誰と仕事をしていたいのか。その軸を一度整理して、もう少し働くことにもコミットしたい。次に進むにしても、今の仕事を広げるにしても、そのための力をしっかり身につけて自信を持って選択できるようになりたい。キャスティングの勉強もまだまだなので、そこも深めたいですね。
Yuka:来年はクリエイティブの仕事を、もっと幅広くトライしていきたいです。現在は広告写真のアートディレクションや、映像内(タイトルなど)のデザインを中心に手掛けていますが、パッケージやエディトリアルデザインなど、興味を持っていたのに踏み出しきれていない領域がまだまだあるなと感じていて。これからは自分の得意分野を極めつつ、表現の幅を意識的に広げていきたいと思っています。
特に、ファッションやビューティの案件にも、もっと関わっていきたいですね。ただ“好き”を追いかけるだけじゃなくて、そこに自分のクリエイションを重ねられるようになりたい。自分の世界観や感性をちゃんと仕事として届けられるように、各方面にアピールしたり、相談したり、自分から動く年にしたいですね。

CREDIT
PHOTOS:TAMEKI OSHIRO
「マリメッコ」が午年にちなんだコレクションを発売 馬がモチーフの“ムスタ・タンマ”を再フィーチャー

「マリメッコ(MARIMEKKO)」は1月19日、2026年の干支である“馬”にちなんだニューイヤーコレクションを全国の「マリメッコ」店舗で順次発売する。また、一般販売に先駆けて「マリメッコ」公式オンラインストアおよびラクテン ファッションで、1月7日に先行予約を開始する。一部店舗限定商品あり。
午年を祝うエネルギッシュなアイテムが登場
午年の幕開けを記念し、「マリメッコ」は3500点を超えるアーカイブプリントから、マイヤ・イソラ(Maija Isola)の“ムスタ・タンマ”を再びフィーチャーする。1954年にデザインされた“ムスタ・タンマ”は、マイヤ・イソラの幼少期の記憶に着想を得たもので、馬の群れとともに森を駆け抜ける自身の姿を思い描いている。
本コレクションは、力強さと優雅さを象徴する馬の躍動感あふれる精神にインスピレーションを受け、スカイブルー、ソフトピンク、鮮やかなレッドを融合させ、新しい干支の年のエネルギーを表現している。ラインアップは、マグカップ(4620円)やティーポット(2万900円)などのテーブルウエアをはじめ、カットソー(2万9700円)やTシャツ(3万9600円)などのウエアアイテム、バッグ(9460円)、キーチェーン(1万340円)などがそろう。さらに、2021年に「マリメッコ」創立70周年を記念して発売された、イェンニ・トゥオミネン(Jenni Tuominen)による“レンピへッパ”のセラミック製フィギュア(2万3100円)もラインアップする。
ジェノバ発フレグランス「ノービレ 1942」 創業一族に聞くイタリアの職人技を詰め込んだ“オーセンティック”な香り
PROFILE: 左から、ステファニア・ジャンニーノ「ノービレ1942」共同創業者、マニュエラ・ノービレ「ノービレ1942」アートディレクター

「ノービレ 1942(NOBILE 1942」(以下、ノービレ)は、ジェノバ発フレグランスブランドだ。同ブランドのルーツは1942年、ウンベルト・ノービレがローマで妻のために開いた香水店。2代目のベニートはナポリで香水店を営み、代々香水の販売を行ってきた。2005年に3代目のマッシモ・ノービレが一族の伝統を引き継ぎたいと妻のステファニア・ジャンニーノと共にフレグランスブランドを立ち上げた。マッシモは「シャネル(CHANEL)」のフレグランス部門で長年勤務、ステファニアは医薬品の輸出マネジャーとして活躍し、2人の経験とネットワークを生かそうと起業。多くのブランドが大手香料メーカーに生産を委ねる中で、高品質な香りを届けたいとほぼ全てを自社で製造する非常に珍しいブランドだ。日本では、フォルテが07年から輸入販売を手掛けている。イベントのために来日したステファニア共同創業者と娘でアートディレクションを手掛けるマニュエラ・ノービレに話を聞いた。
自社生産のこだわりから生まれる高品質の香り
3代目マッシモがフレグランスブランドとして「ノービレ」を始めた理由についてステファニアは、「当時はまだイタリア発のニッチフレグランスが少なく、可能性を感じた。イタリアらしいアーティスティックな香りを作りたいと思いブランドを始めた」と話す。ジェノバで起業したのは、海が好きな夫妻の拠点であり、心地よく感じる拠り所だったから。当時のフレグランス業界は、大手ブランドが中心。香りやボトル、パッケージ製造を小ロットで行うのは難しく、ニッチブランドを創業するには非常にチャレンジングだったという。「ノービレ」では、大手から独立した調香師たちと協業で香りを開発。現在も調香師と二人三脚で独自性溢れる香りを作っている。「母が香りのコンセプトを考えて、さまざまな調香師と協業して香りを開発する」とマニュエラ。
「ノービレ」はアーティザナルで高品質な香りを届けるために、香りからパッケージまで80%を自社で行う。カラブリア産ベルガモットやフィレンツェ産イリスといったイタリア産原料だけでなく、素材の特性を考えた自然なマセレーション(熟成)にこだわっている。「ワイン同様、香水の品質もマセレーションに左右される。それを自社でじっくり行うことで、香りに広がりや深みが出る」と話す。例えば、花の香りはすぐ拡散するので短い時間でもいいが木の場合は時間がかかる。外部の業者に任せると化学的に処理されることが多く、香りがフラットになるという。素材にこだわるだけでなく、マセレーションにも時間をかけ香りの品質を担保するだけでなくパッケージにまでこだわるブランドは珍しい。
イタリアが持つ魅力をストーリーと共に届ける
「ノービレ」が提案するフレグランスは、イタリアの歴史や文化を表現したオードパルファン”フレグランツァ スプレマ”が代表的だ。その中のベストセラーは、“ダンサ・リベリュール”。“トンボのダンス”という意味でオペレッタから着想を得たフルーティグルマンの香りだ。日本では、地中海の海や風を想起させる爽やかなレモンとローズブーケの香りだという。ステファニアは、「いずれも幸福感を感じる香りで、爽やかさと心地良さがエレガントに表現されている」と話す。
「ノービレ」ならではのユニークなシリーズが、一族のルーツがあるナポリにフォーカスした“リチュアル”だ。ナポリでお守りの象徴とされる赤いトウガラシをテーマにした“アンティ・マロッキオ”、ナポリで信仰される聖ジェンナーロに祈りを捧げる”ア・グラツィア”、ロトゲームの発祥地であるナポリのナポリ数字にちなみ運を引き寄せる“ラ・ベンダータ”の3種類で、それぞれお守り付きだ。各香りの調香師が登場するコミカルなショートフィルムを作成し、香りの世界観を伝えている。「ブランドの規模を大きくするには市場のトレンドに追随する必要があるが、われわれは、独自の方法でイタリアの伝統やフォークロアといったDNAを表現した香水を提案する。香りと共にそのストーリーも届けたい」とステファニア。
職人技を詰め込んだ“オーセンティック”なフレグランス
今年で誕生20周年を迎えた「ノービレ」。現在15カ国で販売している。ステファニアは、「ファミリービジネスなので、クリエイションもそうだがビジネスにおけるパートナー選びも慎重に行う」と話す。イタリア人としてのルーツや代々築いてきたネットワークを大切にしながら、じっくり地に足をつけて少しずつビジネスを拡大してきたという。「コロナ禍でデジタルを強化し、娘のマニュエラの影響でSNSなどを活用するがリアルなコミュニケーションを大事にしている」とステファニア。今でもトレードショーに参加したり店頭でワークショップを開催したり、人と人とのつながりを大切にしているようだ。
今後の戦略についてステファニアは、「独自性のあるユニークなモノ作りを継続する。品質が高くクリエイティブな香りを継続して提供できれば、消費者の信頼を得られるはずだ」と話す。「デュープフレグランスが多く出てきたから、今まで以上にオリジナリティーが必要。香りの独自性もだが、ボトルやロゴのデザインも工夫している」とマニュエラ。「ノービレ」では、ボトルにアルターレの手吹きガラス、パッケージやラベルにロルシカのダマスクシルクやトスカーナのレザーを使用し、カンポリーグレのフィリグリーと呼ばれる金細工を施すなど製品のすみずみにまでイタリアが誇る職人技が反映されている。それを可能にするのも、モノ作り全過程を自社で行うから。一族が培った歴史に基づくファミリーの情熱が反映された「ノービレ」は、モダンかつ“オーセンティック”なイタリアンフレグランスの旗手と言える存在だ。
「レスポートサック」と「フリークス ストア」が初コラボ バッグやポーチなど6型を発売

「レスポートサック(LESPORTSAC)」は1月9日、「フリークス ストア(FREAK’S STORE)」との初コラボレーションアイテムを発売する。また一般発売に先駆けて、12月23日から公式オンラインストア「デイトナ パーク」で先行予約販売をスタートする。
定番のモデルに別注カラーが登場
本コラボアイテムは、定番モデルに「フリークスストア」別注カラーが登場する。今回の別注カラーは、「レスポートサック」が過去に展開していたブラウンを参考にクラシックなムードを再現した。ブラックはユニセックスで取り入れやすいカラーとして、ブラック地にデニムカラーの差し色を加えた配色に仕上げた。それぞれ“ミニ ダッフル クロスボディー”(1万7600円)、“クラシック エブリデイ BP”(2万6400円)、“デラックス イージー キャリー トート”(1万4300円)、“ヘリテージ ベルト バッグ”(1万5400円)、“コスメティック クラッチ W/ストラップ”(6490円)、“キー カード ホルダー”(4620円)を用意する。
「アシックス」の大阪直営店がリニューアルオープン 約20mの試し履きトラックを新設

「アシックス(ASICS)」は12月27日、大阪・グランフロント大阪に西日本最大の面積を誇る直営店、アシックス グランドフロント大阪をリニューアルオープンする。当店舗は、2013年4月に国内4店舗目の直営店アシックスストア大阪としてオープンした。新しくなった店舗は、ランニング、テニス、バスケットボール用品に加え、“アシックススポーツスタイル”のスニーカーなどを拡充する。
測定や分析が可能なフロアを新設
売り場には、実際に走って履き心地を確認できる、約20mの試し履きトラックを新設し、走行時のフィット感やクッション性、グリップ力を実感できるようになっている。また、足形を計測する“アシックスフットアイディスリーディー”のサービスも提供する。4台のカメラで1度に両足を撮影し、足長、足高、アーチ高、足囲、かかと幅の5つの項目を約15秒で計測できる。事前予約は不要で、無料で測定できる。
さらに、“アシックスコンシェルジュサービス”による相談サービス(1回3300円)や、専門スタッフによる“アシックスランニングラボ”での測定・分析(フル測定2万1400円、フォームのみ測定5090円、AT測定:フル測定経験者限定 8150円)も利用できる。いずれも予約が必要だ。
種目ごとのアイテムが多数登場
当店舗では、種目ごとのアイテムを多数そろえる。ランニングでは、東京2025世界陸上競技選手権大会権大会で使われた“メタスピード”シリーズのほか、最新モデル“マジックスピード5”などが含まれる、“エキデンパック”9品番をラインアップする。
“アシックススポーツ”は、スポーツテクノロジーをライフスタイルへ提案する「アシックス」ブランドのカテゴリーだ。スポーツシューズに採用している機能性を取り入れながら、現代のデザインにアップデートしたシューズを多数展開する。今回は、2014年に発売したクッション性に優れたランニングシューズをライフスタイルシューズとして再登場させた“ゲルキュムラス16”をはじめ、“ゲルカヤノ14”、“ゲルニンバス10.1”などの商品を中心に展開する。
また、バスケットボールでは、12月19日発売の、「アシックス」と契約を結ぶ河村勇輝選手と共同開発したシューズ“スウィフトエースユウキ”を用意する。
◾️アシックス グランドフロント大阪
オープン日:12月27日
営業時間:11:00〜19:00
定休日:不定休
住所:大阪府大阪市北区大深町3-1 グランフロント大阪ナレッジキャピタル 3階
「プラダ」「MSGM」「トッズ」新作を展示会で最速チェック 22-23年秋冬メンズコレ現地突撃リポートVol.4
ボンジョ〜ルノ!ミラノ最終日は最高気温8度、青く澄み渡る空が広がっております。本日は展示会を中心にミラノの街を駆け回り、夜の便でパリへと戻ります。素敵なコレクションを見られれば寝不足も吹き飛びます。最終日も張り切っていきましょう〜!
14:00 「ケーウェイ(KWAY)」
1965年創設のフランス発レインウエアブランド「ケーウェイ(KWAY)」が、ミラノでは初となるリアルのショーを開催しました。フランスとイタリアでは老若男女問わず親しまれているカジュアルなブランドです。パンデミック直前の2020年1月に「ピッティ ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMAGINE UOMO)」でショーを行ってから、「フェンディ(FENDI)」や「サン ローラン(SAINT LAURENT)」「プレイ コム デ ギャルソン(PLAY COMME DES GARCONS)」とコラボレーションしてきました。
そのためショーで披露したコレクションは、商品のバリエーションを増やしてデザイン性を高め、ファッションブランドとしてのイメージをより強く印象付ける内容です。レインウエアはポンチョやパフ入りの軽いダウンで、ウィンドブレーカーは構築的な構造でドレスのように見せました。光沢のあるビニールのような表面のダウンはさまざまなボリュームで登場。シグネチャーであるジッパーの3ラインやイエロー、オレンジ、ネイビーの明るいカラーが鮮やかで若々しい印象でした。分厚いニットはウエアやボトムス、アクセサリーとしてルックに遊び心を加え、シアリングのディテールは高級感をもたらしました。
会場のフロントローを独占していたのはエディターではなく、10代後半〜20代前半のインフルエンサーたち。新路線は、機能性重視の合理的なワードローブと、SNS上での注目を求める若い世代には魅力的に映ったのではないでしょうか。
14:30「プラダ」展示会
昨日の「プラダ(PRADA)」のショーは、SNS上でかなりバズっていましたね。ファーストルックを飾ったカイル・マクラクラン(Kyle MacLachlan)の代表作であるドラマ「ツイン・ピークス(Twin Peaks)」の世界観と、今季の「プラダ」のクラシックなユニホームやグラフィックの雰囲気がオーバーラップし、ドラマのオープニング曲がずっと頭から離れません!
展示会場でルックを近くで見ると、マネキンからすごい威圧されているように感じました。アウターは全てショルダーパッド入りで肩が張り出し、ニットウエアもショルダー部分だけ縫い方を変えて肩幅を広く見せる工夫を施しています。ジャンプスーツのグラフィックを手掛けたのは、ラフ・シモンズ(Raf Simons)の長年のコラボレーターであるピーター・デ・ポッター(Peter de Potter)でした。ロボットモチーフのピアスは重いけど、間の抜けた感じがなんともかわいい!
16:00「トッズ」展示会
昨日デジタルで発表した「トッズ(TOD’S)」の展示会場へ行ってきました。映像はイタリア・トリノ近郊のリヴォリ城を舞台に、イタリア美術を象徴する歴史的建築物の中でコレクションを披露しました。ヴァルター・キアッポーニ(Walter Chiapponi)=クリエイティブ・ディレクターは「伝統と実験の融合により進化するイタリアの創造性からインスピレーションを得た」とコメントしています。彼が現職に就任してから2年間、クラシックなスタイルの現代的なアップデートに挑み続けていて好印象です。
今季は”イタリアン・ルーツ”がテーマとあって、控え目なワードローブに仕上げています。パッチポケットがポイントのシャツジャケットやシンプルなダウンジャケット、ライニングを取り外して保温性を調整できるトレンチコートなど軽量で凡庸性の高いアウターで、レジャーとアーバンの両方で着用可能なスタイルを提案します。トラックスーツのようにスポーティーなトラウザーとテーラードを合わせる手法は、今季のミラノで多く見られました。カラーパレットは、自然風景や建築物に触発された優しいアースカラーが中心。ウィメンズに比べると、メンズはまだクラシック寄りなようです。しなやかなレザー使いが毎シーズン見事なので、メンズでもレザーの作品をもっと見てみたい!
17:00「MSGM」
「MSGM」のコレクションは、昨日の展示会に参加し、今日は映像発表をチェックしました。服のモチーフにはマッシュルームやヘンプを使い、映像では現実と幻覚の境目が曖昧になるサイケデリックなムードを表現しました。マッシモ・ジョルジェッティ(Massimo Giorgeti)=クリエイティブ・ディレクターは今季、イタリア人建築家兼工業デザイナーのガエタノ・ペッシェ(Gaetano Pesce)が制作した数々のチェアから着想を得たそうです。ふわふわのフリースやテディベア生地、フェルトキルティングの質感は、まさに快適なチェアを思わせる肌ざわりのいい生地でした。
映像に登場したチェアは、イタリア高級家具ブランド「カッシーナ(CASSINA)」とのコラボレーション。今季は“快適さ”が重要なテーマの一つで、フーディーやショーツ、ワイドシルエットのトラウザー、内側前面にフリースをあしらったサンダルを中心に、「MSGM」は洋服と家具で私たちをリラックスした異世界へと誘い込みます。
「本日のジェラート」
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空港へ向かう前に、グロム(Grom)で最後のジェラートをいただきました。グロムは一時期、日本にも店舗があったので知っている方は多いかもしれませんね。パリの自宅近くに店舗があるので、いつでも食べれるっちゃ食べれる味なのですが、なんだか最後は新しい店に挑戦するのではなく、慣れ親しんだ味を欲する気分なんです。フレーバーも、私の定番であるピスタチオ。安定の味に癒されて、冷たいジェラートで心が温まりました。明日から始まるパリ・メンズ・ファッション・ウイークの日記は、「WWDJAPAN」ヨーロッパ通信員の藪野さんへとバトンを渡します。ミラノと同じくビッグメゾンはリアルのショーを開催予定なので、藪野さんの現地リポートにぜひご期待ください!
「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反した性質はどんな文脈から生まれているのでしょうか。