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伸び代十分
「グローバルブランドなのに日本での自由度が高い。その強みをもっと生かす」――なるほど、と納得しました。しかし、どこに特長を持たせるのか。野球、サッカー、バスケットボールで強いのでしょうが、分かりやすいアイコンアイテムが必要な気がします。そういう意味で、スニーカーは万人にリーチできますから、開発を期待したいです。または、高機能アンダーウエアをとにかく磨く。モノ作りにおけるイノベーションを発揮できるかどうかが重要です。
日本での年商は300億円。新興なのに2010年代半ばに飛ぶ鳥を落とす勢いの急成長を目のあたりにして、「すごい!」と思った身としては、再び上位争いに参戦し、市場を盛り上げてほしいです。まだまだポテンシャルのあるブランドだと個人的に注目しています。
「アンダーアーマー」のドーム井出社長、日本企画に成長のカギ
「グローバルブランドなのに日本での自由度が高い。その強みをもっと生かす」と話すのは、ドームの井出和仁社長だ。同社は米スポーツブランド「アンダーアーマー(UNDER ARMOUR)」の日本事業を手がける。日本のニーズに即した日本企画を、段階的に全体の5割ほどに高める。きめ細かいマーケティングでリーチできなかった層に接近する。
日本において「アンダーアーマー」は野球、サッカー、バスケットボールが強い。この体育会系の硬派なイメージを大切にしながらも、もう少しライトな層をどれだけ獲得できるかが成長のカギとみる。健康や美容、ダイエットのためにスポーツをする人たち、その延長にあるアスレジャーに伸び代があるという。まだシェアが低いシューズもポテンシャルが大きいと見る。
アンダーアーマーとドームは、米国本社と日本代理店の枠を超えた信頼関係を築いてきた。アンダーアーマー創業者のケビン・プランク(Kevin Plank)とドーム創業者の安田秀一氏は、1998年にブランク氏が会社を設立して以来の盟友。当時20代で共に元アメフト選手だった2人は、後に同ブランドの代名詞になった高機能アンダーウエアの可能性を信じ、日米で緊密に連携を取りながらブランドを育て上げてきた。
ドームは2022年に伊藤忠商事の傘下になり、井出社長も伊藤忠の出身だ。経営体制は変わったものの、長年の関係は受け継がれている。
17日には東京・有明の本社で小売り関係者など百十数人を招いた「2026年秋冬セールスサミット」を開催した。井出社長らによる事業戦略や新商品のプレゼンテーション、辻直人、赤穂ひまわりらプロバスケ選手によるトークショーを開催した。
ドームの売上高は現在300億円前後。当面は売上拡大よりも利益改善を重視する。足腰を磐石にさせた上で、大型路面店の出店などの投資を再開させる。
ゴールドウイン、社名ブランドに賭ける 中国に布石
ゴールドウインが社名ブランド「ゴールドウイン」の拡大にアクセルを踏む。連結売上高の4分の3を占める「ザ・ノース・フェイス(TNF)」の一本足打法から脱却するため、次の成長の柱として大きく育てる。2033年3月期までに売上高を500億円に拡大させる野心的な目標を打ち立てた。達成のカギを握るのは中国市場だ。(この記事は「WWDJAPAN」2025年11月17日号からの抜粋です)
人口1200万人の中核都市である中国・杭州市。高級ショッピングモール「ミックスシティ」の2階に、今年1月「ゴールドウイン」が出店した。157㎡の店舗空間は砂が固まってできた堆積岩を用いて、自然との調和と日本的なミニマリズムを表現した。店舗デザインは現代美術家の杉本博司氏、建築家の榊田倫之氏が率いる新素材研究所だ。
意表を突かれるのは店舗の立地である。周囲は「ディオール」など高級ブランドが軒を連ねる。「ハイブランドの中で十分に勝負できると考えている」と話すのは、現地法人の高得運(蘇州)商貿有限公司の齊藤武CEOだ。
「ゴールドウイン」は機能性とファッション性を高いレベルで融合した“プレミアムスポーツブランド”を志向する。中国においては富裕層をターゲットに定め、ソファーを置いたサロンスペースで接客し、広い試着室も完備するなど、高級店のようなサービスを提供する。客単価は6万円。ハイブランドよりは手頃な価格で高い満足感を得られると評判は上々だ。
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3月30日発売の「WWDJAPAN」は、2026-27年秋冬東京コレクションの特集です。他にも「バーバリー」のジョシュア・シュルマンCEOや、そごう・西武の田口広人・社長へのインタビューを掲載。エスティ ローダーとプーチが合併協議など話題を豊富に収めています。
