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名店が歴史に幕を降ろした日

 昨日はいくつかの店舗が営業を終了し、閉店しました。関係者の皆様、お疲れ様でした。

 三越恵比寿店の閉店を知った時、40代の私は大きな衝撃を受けましたが、20代には「恵比寿に三越、あるんですか?」という同僚もいました。恵比寿という街(特に東口)、ガーデンプレイス、そして百貨店。いずれも20代には馴染みがないのかもしれません。地元密着型の店舗でしたから、なおさらでしょうか?三越の退店後は、スーパー、そしてオフィスが入ると言われています。スーパーは、地域の住民にとってありがたいですね。オフィスは、周辺はもちろん、働き方が変わろうとしている今、どれだけの需要があるのでしょうか?

 

「WWDJAPAN」編集長
村上 要
NEWS 01

三越恵比寿店が閉店、26年間の歴史に幕 集まった周辺住民に「えびす顔で、ありがとう」

 三越恵比寿店が2月28日をもって閉店した。最終日は19時の閉店後に田代直子店長が登場し、周辺住民を中心としたファンが見守る中でセレモニーを実施。閉店に合わせて制作したというオリジナルソング「えびす顔で、ありがとう」をバックに、田代店長が26年間の感謝を伝え、「お楽しみいただけましたか」と問いかけると、集まったファンからは拍手が巻き起こった。

 「恵比寿地域の皆さまに育てられた店舗だった。2020年5月のコロナ禍による自主休業明けの日には、本当に多くのお客さまに集まっていただき、感動した」と田代店長。「ブランドやショップが撤退し、半年ほど前は空いている区画もいくつかあったが、最後は明るく楽しんでいただくために全フロア全区画を再び埋めた」という。セレモニーに集まった客数についてはまだ公表していないが、同日朝11時のオープン前には、「約500人の行列ができた」と広報担当者。

 同店閉店後の「恵比寿ガーデンプレイス」商業棟には、スーパーマーケットの「ライフ」、高級輸入食品の「明治屋ストアー」、ドラッグストア「トモズ」などが2022年の春から秋にかけて出店。2階部分はワークプレイスになると発表されている。セレモニーを最前列で見ていた近隣在住の40代女性は、「開業当時、妹が食品売り場でバイトをしていて、連日大入りだったのが懐かしい。(閉店後にはスーパーなどが入ると聞き)不足はないが、やはり『恵比寿ガーデンプレイス』の顔がなくなってしまうのは悲しい」とコメント。息子と二人でセレモニーを見守っていた60代男性は、「開店当初から来ているが、かつてに比べると近年は大分客が減っていると感じていた。周辺に商業施設が増え、ECにも客を取られていたのでは」と分析する。「地下1階の子ども用品売り場で頻繁に集まっていた」というバギーを押した30代ママのグループは、「跡地にはオフィス(ワークプレイス)も入ると聞き、友達と集まれる場所が減ってしまうのは寂しい」と話す。

 三越恵比寿店は1994年、「恵比寿ガーデンプレイス」の開業と同時にオープン。店舗面積は4層(地下2階~地上2階)約1万8000平方メートルと百貨店としては小規模ながら、ファッションや食料品、化粧品などに特化したMD構成で、周辺住民の日常に対応する百貨店を目指してきた。近年は苦戦が続いていたと見られ、2017年、19年にはリニューアルも実施していたが、収益体制の抜本的な改善にはつながらなかった。
同じく2月28日には、バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)新宿店やそごう川口店(埼玉・川口市)も閉店した。

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NEWS 02

バーニーズ新宿店が営業終了、最終日も整然 名店の誇り貫く

 「バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)」新宿店が、2月28日の夜に営業を終了した。ニューヨークから上陸したファッションの大型専門店の日本1号店が、30年の歴史に幕を降ろした。19時に閉店し、約30分後に約40人ほどの顧客を前に、スタッフ全員が正面入口の前に立ち、シャッターが降りる中でお辞儀をすると、顧客たちからは「今までありがとう!」という声が一斉に上がった。

 バーニーズ ジャパンは伊勢丹(現三越伊勢丹ホールディングス)が1989年に設立。翌年11月に日本1号店として「バーニーズ ニューヨーク」新宿店をオープンした。当時、高級ブランドを中心に地下1階から地上8階の9フロアで構成するファッション専門の大型店は異例のスケールで、大きな話題を呼んだ。その後、伊勢丹が全株式を住友商事と投資ファンドに売却し、運営から撤退。15年にはセブン&アイ・ホールディングス傘下に入るなど運営は変わった。新宿店の成功を受けて、店舗は銀座や横浜、神戸、福岡、六本木と主要都市に広がった。

 本国の「バーニーズ ニューヨーク」は19年8月に破綻。ニューヨークの旗艦店の閉店セール時には床に服が散乱するなどの混乱が見られたが、新宿店は最終日も店内はいつもどおりの整然とした佇まいで別れを惜しむ顧客たちを迎え、閉店間際までその姿は変わらなかった。

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最新号の読みどころ

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