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レッドオーシャンを泳ぐ
TOKYO BASEといえば、販売員が個性豊かで、お客さまと密につながりながら、成長していく企業という印象があります。そんなTOKYO BASEが、カジュアルの新セレクト業態を次の柱にすべく注力しています。
ルミネ新宿の2025年下半期でもメンズで特に好調だったのはTOKYO BASEが運営するショップ群。26年1月期の連結業績は、売上高が前期比17.5%増の237億円で、過去最高を更新しました。この勢いを、カジュアル系でも実現できるのか。これからが楽しみです。
好調TOKYO BASE、次の柱はカジュアル新業態 レッドオーシャンでも勝算あり
セレクトショップ「ステュディオス(STUDIOUS)」などを運営するTOKYO BASEが好調だ。2026年1月期の連結業績は、売上高が前期比17.5%増の237億円となり、過去最高を更新した。次の成長の柱として仕掛けるのが、この春に始動した新セレクト業態「キー タイムズ(KEY TIMEZ)」だ。
同社はこれまで、モード市場を主戦場としてきたが、今回は初の本格的なカジュアル業態への挑戦となる。谷正人最高経営責任者は3月に開いた決算会見で、「レッドオーシャンでの戦いになるが、会社としてようやく挑戦できる基盤が整った。ゆくゆくは『ステュディオス』を超えるような事業に育てていきたい」と話し、将来的には年間売上高100億円規模への成長を目指す考えだ。
3月に表参道ヒルズにメンズ店とウィメンズ店、ルミネ新宿2にメンズ・ウィメンズ複合店(198平方メートル)、グランフロント大阪(360平方メートル)を出店し、夏にはなんばパークスと香港にも出店する。大人の男女が立ち寄りやすい立地を選び、新たな顧客層との接点を狙う。
語りどころのあるカジュアルで勝負
ルミネ新宿店の店内は、別荘をイメージし、木の温もりや柔らかな照明、余白を生かした設計で、アットホームな空間に仕上げた。駅ビルの利便性を備えながら、慌ただしさを感じさせない落ち着いた売り場作りを意識したという。
商品ラインアップは、既存業態で扱ってきたブランドを含むものの、編集方針を明確に変えた。同事業を統括する小林陽平部長は、「既存のお客さまの声はあえて追わず、これから開拓したい30〜40代の大人の男女が何を求めているのか、リサーチを徹底した」と話す。その中で見えてきた勝算は、「語りどころのあるカジュアル」だ。「モードでは、感度が上がるほどデザインが尖っていく。一方、大人のカジュアル市場では、シンプルでオーセンティックなものほど支持される点が大きく違う」と分析。
例えばメンズでは、カシミヤ専業ブランド「ボーディ(BODHI)」や、素材やシルエットに定評のある「ブラームス(BLURHMS)」など、一見ベーシックでも品質や作りに強みを持つブランドをそろえた。
そのほかの例として挙げるのが、「テーラー東洋」のスカジャンだ。前身の港商商会は、戦後まもなく米兵向けの土産物としてスーベニアジャケットを考案した、“スカジャンの生みの親”として知られる存在。「キータイムズ」では、その原型を忠実に再現したアイテムを扱う。価格は7万円〜。小林部長は「背景ストーリーや歴史も付加価値と考える。今の時代、もっと安いスカジャンを作ることもできるが、本物の目線で、語って売れる業態にしたい」と話す。
カバンやアクセサリーなど雑貨類も同じ目線でセレクトし、取り扱いの珍しい「ポーター(PORTER)」の“クラッグ”シリーズなどを目玉商品とした。「価格は7万円台と決して安くはないが、こだわりを語れば、お客さまは『そうだよね』と納得して購入してくださる。それを伝えられる接客力のあるスタッフもそろえた」。
商品構成は仕入れ約8割、オリジナル約2割で構成する。オリジナル商品の価格帯は、ジャケット・ブルゾン3万5000円〜6万円円、コート5万円〜7万円、パンツ2万円〜4万円、ニット1万8000円〜3万円など。
「ここでしか出合えないこだわりの商品をそろえ、セレクトショップの本来の楽しみをお客さまに伝えていきたい」と小林部長。国内外のカジュアル市場で販路を広げ、事業ポートフォリオの拡充につなげる。
引き続きポップアップが好調 ルミネ新宿は10%オフキャンペーン効果の最大化が奏功【ビジネスリポート2025年下半期】
JR新宿駅直結のルミネ新宿は、利便性の高いロケーションにトレンド性の高いファッションブランドを多く集め、働く女性を中心に支持を得ている。近年はルミネカード10%オフキャンペーンをフックにキャンペーン期間以外も顧客との接点を作る工夫をしている。金子岳史常務取締役ルミネ新宿店長兼ルミネエスト店長に2025年下半期の商況を聞いた。 (この記事は「WWDJAPAN」2026年2月23日号特別付録「ビジネスリポート2025年下半期」からの抜粋です)
WWD:2025年下半期の商況は?
金子:売上高は前年同期比6.6%増。総じて好調だ。6カ月のうち、7月、9月を除く4カ月が過去最高となり、特に11月の伸びが大きかった。7月も9月も過去最高にならなかっただけで、前年はクリアしている。結果、過去最高売上高を更新した。単価が上がる一方で点数は下がりやすく、「良いものを買おう」という動きが見える。購買は年々ジャストニーズ化しており、必要なタイミングを見極めて買う傾向が強まっている。クリスマスギフトも12月の前半に余裕を持って買う動きは減り、直近で買う傾向が見られる。ギフト需要自体は伸びていないが、12月も前年をクリアしたところを見ると、自分のために必要なものをしっかり購入しているのかもしれない。
WWD:前年も好調だったが、それを上回るとは。
金子:新宿店に来店してもらうための仕掛けと、入店ショップの皆さんによる継続的な仕組み。これらがうまく機能した。まず、館の仕掛けとしては上半期に引き続き、ポップアップが好調だ。特に春にルミネ1のギャラリーワンで開催して非常に好評だった「ファミリア(FAMILIAR)」のポップアップは、ギフト商戦に合わせて12月に開催。ルミネ向けの商品選定やSNSでの訴求強化などもあり、2回目も大いに盛り上がった。ルミネ2では、10月のBLACKPINK、11月の「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」の若年向け韓国ライン「ザ・ノース・フェイス・コリアコレクション(THE NORTH FACE KOREA COLLECTION)」のポップアップが特に好調だった。ディレクターズブランド「ポローラ(POLAURA)」のポップアップも反響が大きかった。9〜11月にはにしむらゆうじさんが描く「スタジオUG」の仲間たちとのコラボをルミネ新宿とイイトルミネ新宿で実施。グッズを扱うポップアップショップのほか、限定メニューや限定オリジナルノベルティがもらえるデジタルスタンプラリーなどを用意した。大型IPコラボ企画で館としてもチャレンジだったが、10月、11月の売り上げに寄与することができた。
入店ショップの皆さんによる継続的な仕組みとしては、ルミネカード10%オフキャンペーンを軸に、キャンペーン期間前に顧客に新作を見せて、ウェブ決済で購入してもらい、期間中は販売はもちろん、次回の来店につながるように工夫し、10%オフキャンペーン効果の最大化を各ショップが実践している。成功ケースをフロアマスターを通じて共有しており、それをうまく取り入れる店が増えている。
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