Fashion. Beauty. Business.
絶好調だからこそ?
営業利益率32%。さすがです。でも、絶好調の立役者の1人であるはずなのに、どうしてヴィルジニー・ヴィアールは「シャネル」を去るのか。賛否両論のクルーズコレクションにどれだけヴィアールが関わっていたのか。ショーの画像に映るマダムたちの顔はどちらかというと満足そうです。
絶好調だからこその“攻め”の世代交代でしょうか。経営陣の世代交代も進んでいるようです。盤石感のあるブランドだけに、退任理由の謎は深まるばかりですね。
「シャネル」強し!23年も2ケタ増収 値上げやラグジュアリー消費の“正常化”もどこ吹く風
シャネル(CHANEL)が2023年12月期決算を発表した。コロナ禍後の爆発的な需要増に支えられていたラグジュアリー消費の“正常化”により、売り上げが低下するブランドも多い中、同社は14%増収と2ケタ成長を維持。度々の値上げにもかかわらず、順調に業績を伸ばしている。一方で、5月に披露した25年クルーズ・コレクションはSNS上で賛否両論に。その直後の6月5日、ヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)=アーティスティック・ディレクターの退任が発表された。ここでは、潤沢な資金を元に長期的な戦略を策定し、進化し続ける同社の最近の動向をまとめた。(この記事は「WWDJAPAN」2024年6月10日号からの抜粋です)
シャネルの2023年12月期決算の売上高は、前期比14.6%増の197億4400万ドル(約3兆998億円)、営業利益は同10.9%増の64億700万ドル(約1兆58億円)、純利益は同3.0%増の47億3200万ドル(約7429億円)だった。
地域別の売上高では、欧州が同18.8%増の56億600万ドル(約8801億円)、アジア太平洋地域は同17.7%増の101億7800万ドル(約1兆5979億円)、南北アメリカは同2.6%増の39億6000万ドル(約6217億円)だった。
同社は上場しておらず、部門別での売り上げなどを明らかにしていないが、全部門が全ての地域において22年度を上回ったという。ファッション部門は、特に好調だったウエア、レザーグッズ、シューズが業績をけん引。ウオッチ&ジュエリー部門は、6月に発表した新作のハイジュエリーコレクション“ツイード ドゥ シャネル”や、タイムレスなアイコンウオッチ“プルミエール”が好調だった。フレグランス&ビューティ部門は、外出が増えたことによるメイクアップ用品の需要や、トラベルリテールの回復が業績を後押しした。
また、23年は新たに47店をオープンし、総店舗数は612店に。新店のうち31店がフレグランス&ビューティの専門店、16店がファッション、ウオッチ&ジュエリーの店舗だった。
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西武池袋本店「百貨店区画」を半減 25年夏リニューアルオープン
そごう・西武は10日、西武池袋本店の改装計画を正式に発表した。2025年1月から段階的にリニューアルオープンを行い、同年夏にグランドオープンする。売り場面積を現在のほぼ半分の4万8000平方メートルに縮小し、ラグジュアリー、コスメ、デパ地下を中心とした百貨店へと再編する。最大の面積を占めてきた衣料品売り場は大幅に減らす。百貨店区画を集約して空いた区画にはヨドバシカメラの旗艦店が入る。
そごう・西武は昨年9月、親会社セブン&アイ・ホールディングスが全株式を投資ファンドのフォートレス・インベストメントグループに売却した。フォートレスは家電大手のヨドバシホールディングスと連携して、各店舗のテコ入れを進める。旗艦店である西武池袋本店は百貨店区画を半分に減らした上で、ヨドバシカメラの旗艦店を入れる予定だが、こちらのオープン時期などについては未定だ。
まず25年1月に地下1・2階、地上3階にデパ地下、コスメの売り場を開く。コスメは売り場面積を1.7倍に広げ、ユニセックスブランドを含む国内外約60ブランドを扱う。デパ地下は約180のショップで構成する。
25年春には1・2階、4〜6階にフレグランス、宝飾、時計、ラグジュアリーの売り場ができる。ラグジュアリーは約60ブランドを集め、メンズ・ウィメンズの複合ショップ展開にし、売り場面積を1.3倍にする。
25年夏から秋にかけては7・8階にファッション、雑貨、催事場、アートサロンなどを開く。アパレルが上層階になるのは百貨店としては珍しいケースとなる。男女でフロアを分けるのではなく、同じフロアでの展開に切り替える。
売り場の品ぞろえを充実させるだけでなく、施設全体も高級感のある空間づくりに注力し、目の肥えた客の期待に応える。外商機能も引き続き強化していく。西武池袋本店のコンセプトを、そごう横浜店、そごう広島店など他の店舗にも広げていく考えだ。
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「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反した性質はどんな文脈から生まれているのでしょうか。
