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ナイキがタイガーと別離
米ナイキがタイガー・ウッズとのパートナーシップを解消しました。12月に24年5月期の業績予想も下方修正しており、コストカットの一環のようです。インフレによる消費不振に苦しむ米国景気は数カ月後の日本の姿なんでしょうか。そうではないと願うばかりです。1本目の記事をお読みください。
年末に、SPA企業を中心に複数社の社長に取材の時間をいただきましたが、「コロナ後の世界はコロナ以前とは全く別物」「めまぐるしい変化を受けて、挑戦していくしかない」といった声が各社共通していました。そんなふうに思っていたところに、サザビーリーグからは経営体制変更の知らせが。経営のスピードを重視して分社化するとのこと。こちらは本日2本目の記事です。
ナイキがタイガー・ウッズとの27年にわたるパートナーシップ契約を解消
ナイキ(NIKE)は米出身のプロゴルファー、タイガー・ウッズ(Tiger Woods)との27年にわたるパートナーシップ契約を解消した。
ウッズは1月8日(現地時間)、「フィル・ナイト(ナイキ共同創設者兼名誉会長)の情熱とビジョンは、ナイキとゴルフのパートナーシップを密なものにした。彼や同社で働く人々、素晴らしいアスリートたちに感謝したい。長年を共にできたことに喜びを感じている」と自身のインスタグラムに投稿した。また「次はL.A.で会おう!」とも記し、今後の動向をほのめかした。それに対してナイキは、「タイガー、あなたは競争やステレオタイプ、慣習、旧来の考え方に挑むのみならず、ゴルフ組織全体や我々にも挑みをかけた。あなたの素晴らしい行動に感謝している」と自社のSNSにウッズの写真とともに投稿した。
同社は2016年にゴルフ用品事業から撤退したものの、ゴルフアパレルやフットウエアの製造販売を続けている。スコッティ・シェフラー(Scottie Scheffler)やローリー・マキロイ(Rory Mcllroy)などゴルフリーグのベストプレイヤーらのスポンサーも継続する。
同社は21年11月から株価が40%下落したほか、22年12月後半に行った23年第2四半期決算発表で、向こう3年にわたって予算を20億ドル(約2870億円)削減し、従業員の解雇や年間売り上げ予想を1%下方修正することを発表していた。23年12月から、ウッズとの契約解消やゴルフ事業からの撤退、他のゴルファーのスポンサー終了といったうわさが流れている。
株式電子取引プラットフォームを展開するウィリアムス トレーディング(WILLIAMS TRADING)のサム・ポスター(Sam Poster)アナリストは、投資家に向けたリポートの中で「今回のウッズとの契約解消はナイキにとって損害を与えるだろう。ゴルフ市場からのプレゼンスを失わせ、ブランドに対する長期的なダメージとなる」と記している。
「ロンハーマン」など運営のサザビーリーグが経営体制変更 社内カンパニーを分社化
サザビーリーグは2024年4月、「ロンハーマン(RON HERMAN)」などを手掛けるリトルリーグカンパニー、「エストネーション(ESTNATION)」のエストネーションカンパニー、「キハチ(KIHACHI)」「シェイク シャック(SHAKE SHACK)」などの飲食事業を手掛けるアイビーカンパニーを分社化し、子会社化する。同社はセレクトショップや雑貨ブランド、飲食など多様な事業を手掛けているが、分社化によって「各業界のめまぐるしい変化にスピード感を持って対応すると共に、権限委譲によってより一層の経営責任を持って事業の発展に努める」(広報担当者)ことが狙い。
25年4月には「アフタヌーンティー・リビング(AFTERNOON TEA LIVING)」のアイシーエルカンパニー、「アガット(AGETE)」などのエーアンドエスカンパニーも分社化する。サザビーリーグは現在、「アナイ(ANAYI)」などを運営するファーイーストカンパニー、「メゾンスペシャル(MAISON SPECIAL)」運営企業のPLAY PRODUCT STUDIO、カンペールジャパン、カナダグースジャパンなどを子会社として持つが、2年間かけて5カンパニーを分社化、これによりサザビーリーグは完全な持株会社となる。
24年4月に発足するアイビーカンパニー株式会社の社長には塚田龍平氏(現サザビーリーグ 取締役 上級執行役員アイビーカンパニー カンパニープレジデント)、株式会社エストネーションの会長には帰山元成氏(同 取締役 上級執行役員 営業統括)、同社長には大田直輝氏(同 エストネーションカンパニー カンパニープレジデント)、株式会社リトルリーグ社長には三根弘毅氏(同 取締役 上級執行役員 リトルリーグカンパニー カンパニープレジデント)が就く。
サザビーリーグの管理部門も4月に株式会社サザビーリーグIRISとして分社化し、石橋晃 現サザビーリーグ 執行役員 IT統括が社長に就く。シェアードサービス企業としてグループ内の管理部門を請け負うほか、他社にもサービス提供する。
「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反した性質はどんな文脈から生まれているのでしょうか。