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八木通商のブランドとフルーツ大福

 八木通商と言えば、「歴史ある、単品特化型のブランドを、本国と共に商品開発しながら、イメージを高める」で、「モンクレール」を筆頭に「マッキントッシュ」や「バブアー」などを育ててきました。「ケーウェイ」、ピッタリですねぇ(笑)。歴史があり、レインコートが主軸で、商品開発の余地が大いにある(つまり現状は「もう一声!」ってカンジ)。路面店からイメージを発信するのでしょう。

 先日、話題のフルーツ大福を手がける若き経営者に会いました。「おはぎや羊羹を買うなら『虎屋』だけれど、フルーツ大福なら僕たち。『虎屋』の職人が生涯で作るフルーツ大福を、1日で作っているかもしれないから(笑)」と言います。なるほど。単品で60年近くブランドには、どこにも負けない資産があるハズですね。

 

「WWDJAPAN」編集長
村上 要
NEWS 01

八木通商が「ケーウェイ」を輸入販売 フランスのレインウエアの代名詞

 八木通商はフランスのアウターウエアブランド「ケーウェイ(K-WAY)」を輸入販売する。2022-23年秋冬シーズンからで、運営は子会社のスープリームス インコーポレーテッドが行う。

 「ケーウェイ」は1965年にレオン・クロード・デュアメル(Leon- Claud Duhamel)が、レインウエアで創業。撥水性が高く、軽量でパッカブルな同アイテムは、フランスではレインウエアの代名詞として使われるほど、生活に浸透しているという。2004年に「カッパ(KAPPA)」や「スペルガ(SUPEPGA)」などを傘下に収めるベーシックネット(BASIC NET)が買収。パッカブルでベーシックなレインウエア3型(1万9000〜2万3000円)を軸に、アウターを中心としたファッション性のあるウエアを展開する。現在、直営店がフランスで28店、イタリアで29店あるほか、その他の欧州やアジアで販売。北米とアジアでの拡大を計画しており、日本では八木通商と提携した。

 トップラインの「ケーウェイ R&D」は、毎年1月にミラノで、6月にパリでコレクションを発表しており、実験的でデザイン性の高いウエアを提案。これとは別に、中綿のアウターやプリントレインウエアなど、機能的でユニセックスなライン“ル ヴレイ”、ダウンコートや上下のスエット、ニットなど、都会的でカジュアルな“クラシック”、機能素材を用い、スキーウエアなども展開する“アクション”の3ラインを展開する。メンズ、ウィメンズ、ユニセックスを等しくそろえており、価格帯はアウターで約2万〜12万円。キッズやバッグなどもある。これまで、「フェンディ(FENDI)」や「エンジニアド ガーメンツ(ENGINEERED GARMENTS)」、「コム デ ギャルソン プレイ(COMME DES GARCONS PLAY)」などとコラボもしている。

 「日本ではそれほど知名度がないが、バイヤーは皆知っているブランド。ベーシックでタイムレスなアイテムが多く、幅広い層にアプローチできる。別注やコラボにも対応しやすい」とスープリームス インコーポレーテッドの橋本芳樹代表取締役常務。売上高目標は5年後に上代で年間30億円。今夏、渋谷・明治通りに路面店を開く。

 八木通商はこれまでも「マッキントッシュ(MACKINTOSH)」や「モンクレール(MONCLER)」「バブアー(BARBOUR)」「アレクサンドル ドゥ パリ(ALEXANDRE DE PARIS)」など、歴史のあるヘリテージブランドを同社ならではのマーケティング手法で成長させてきた。「まずはロゴとブランドの認知度を上げていくことが大事」と八木通商の八木洋三常務取締役。「その上で、ファッションよりで、アッパーなポジションへと引き上げていきたい。本国と一緒に商品開発もしていく」と語る。

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NEWS 02

「ヴォーグ ジャパン」新編集トップにティファニー・ゴドイが就任

 コンデナスト・ジャパンは、1月6日に「ヴォーグ ジャパン(VOGUE JAPAN)」のヘッド・オブ・エディトリアル・コンテントに編集者のティファニー・ゴドイ(Tiffany Godoy)の就任を発表した。同氏は、昨年末で退任した渡辺三津子「ヴォーグ ジャパン」元編集長の後任として同誌のすべてのコンテンツを監修するほか、「ヴォーグ ガール(VOGUE GIRL)」の同職も兼任する。

 ゴドイは、編集者やジャーナリスト、コンサルタント、ポッドキャストクリエイターとして活動している。これまでは「ヴォーグ ジャパン」をはじめ、CNNや「ハイスノバイエティ(HIGHSNOBIETY)」など世界各国のメディアに寄稿しており、自ら創刊した「 ザ・リアリティ・ショー・マガジン(The Reality Show Magazine )』の編集長兼クリエイティブ・ディレクターも務めている。

 同氏は、「日本のコンテンツ・リードとして『ヴォーグ』の歴史に貢献できることを、とても誇りに思います。日本と『ヴォーグ』は、私のクリエイティブとキャリアにとって重要な柱です。日本独自の美意識とカルチャーのフィルターを通して、新しいメディアの可能性、アイデンティティ、革新性を交差させる機会を得たことに、とても興奮しています」とコメントしている。

 また、アナ・ウィンター(Anna Wintour)米「ヴォーグ」編集長兼コンデナスト アーティスティック・ディレクターは、「ゴドイは、プリント、デジタル、オーディオ、動画と、ジャンルを横断する編集経験を持っています。さらに、日本のファッションとカルチャーへの深い理解とパッションがある彼女は、このポジションに適任なのです」と期待する。

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最新号の読みどころ

「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反した性質はどんな文脈から生まれているのでしょうか。