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LVMH帝国を担う5人目の兄弟
LVMHのベルナール・アルノー会長の末息子が若いことは知っていましたが、23歳だったのですね。長女のデルフィーヌは46歳ですから、もはや親子ほどの年の差です。そしてその間に男子が3人。アントワンが44歳、アレクサンドルが29歳、フレデリックが26歳です。あのLVMH帝国を誰がどう継ぐのかは、大変興味あるところですが、この年齢の幅広さはなかなかないですよね。
性別だけでなく、年代も幅広いのは、組織として望ましいことだと思います。それは兄弟でも一緒かも? もちろんジャン・アルノーが優秀であればの話ですが、このデジタル化が進み、価値観が変化する世界で、グループの要職に23歳がいるというのは、なかなか心強いでしょう。この先、5人の兄弟が仲良く力を合わせるのか、それとも? 来年もLVMHからは目が離せないですね。
モーニングダイジェストは本日が年内最終です。来年は5日から配信します。来年もどうぞよろしくお願いします。
LVMHアルノー会長の23歳の末息子、「ルイ・ヴィトン」ウォッチ部門のディレクターとして入社
LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)のベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長兼最高経営責任者(CEO)の末息子であるジャン・アルノー(Jean Arnault)が、2021年8月にルイ・ヴィトンのウォッチ部門マーケティングおよびプロダクト・ディベロップメント・ディレクターに就任していたことが分かった。
直属の上司となるキャサリン・ラカーズ(Catherine Lacaze)=ルイ・ヴィトン ウォッチ&ジュエリー・ディレクターは、社内向けの文書で、「ジャンは『ルイ・ヴィトン』シャンゼリゼ店と本社のウォッチ&ジュエリー部門での経験を経て、正式にわれわれのチームに加わる。就任以降は、経営戦略の策定や製品開発、小売りの指揮など、バリューチェーン全体の運営に携わっていく」と述べている。同文書によれば、ジャンはLVMH傘下の時計ブランド「タグ・ホイヤー(TAG HEUER)」の研究施設でウォッチ製造の知識を養ったという。
ジャンは1998年生まれの23歳。パリの有名私立校サン・ルイ・ドゥ・ゴンザーグ(Saint-Louis-de-Gonzague)のカレッジを優れた成績で卒業し、英インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)の大学院で機械工学を学んだ。その後、米マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology)で数理ファイナンスの修士号を取得。ビジネス特化型SNS「リンクトイン(LinkedIn)」のプロフィールには、投資会社モルガン・スタンレー(MORGAN STANLEY)、F1のマクラーレン・レーシング(McLaren Racing)、「ルイ・ヴィトン」などでインターンとして経験を積んだことが記載されている。
アルノーLVMH会長兼CEOには5人の子どもがいるが、これで全員がグループ内で要職に就いたことになる。長男のアントワン・アルノー(Antoine Arnault)=ベルルッティ(BERLUTI)CEO兼ロロ・ピアーナ(LORO PIANA)会長は2018年6月、LVMHのヘッド・オブ・コミュニケーション&イメージに就任。長女でルイ・ヴィトンのエグゼクティブ・バイス・プレジデントであるデルフィーヌ(Delphine Arnault)は、19年1月にLVMHの執行委員会のメンバーとなった。次男でリモワ(RIMOWA)のCEOを務めるアレクサンドル(Alexandre Arnault)は、21年にLVMHの傘下となったティファニー(TIFFANY & CO.)で新体制が発足した際、同社のプロダクトおよびコミュニケーション部門のエグゼクティブ・バイス・プレジデントに就任した。三男のフレデリック(Frederic Arnault)は、20年6月にタグ・ホイヤーのCEOとなっている。
古着ビジネスのもう一つの川上“ウエス屋”を取材して考えさせられたこと
古着小売にとって、国内の仕入れ先には大きく“古着卸(古着問屋)”と“ウエス屋(ボロ屋)”がある。古着卸については以前取材した「鈴可」分を参照いただきたいが、今回は横浜にある1970年創業のウエス屋、桑宏商店を取材した。
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WWD:桑宏商店の事業について聞きたい。
桑原洋介 桑宏商店 専務(以下、桑原):主なビジネスは、機械油などの汚れを拭き取るための布“ウエス”の製造・販売です。これが売上ベースで全体の6割ほど、さらに古着卸が1割ほど、日本国内では流通させづらい中古衣料の輸出が3割ほどです。
WWD:ウエスの原料となるのは、家庭から出される衣料ごみ?
桑原:はい。当社では、横浜市と川崎市の回収業者から原料を買っています。
WWD:「鈴可」は市と契約していたが、さまざまな形態がある?
桑原:そうですね。市町村ごとに異なると思います。
WWD:買った衣料ごみをどうする?
桑原:いったんプールして、手作業で選別します。まず、家庭から出された状態のままのビニール袋を破って、中身を作業台の上に広げます。
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