Fashion. Beauty. Business.
「大手はできないこと」をするのに、大手に感謝
「アンリアレイジ」の森永さんは既に経験豊かですが、若手デザイナーやアントレプレナーは、「大手ではできないこと」や「大手はしないこと」を実現するために起業したのに、大手に助けられたり、大手に影響を受けたりしています。「業界の先輩としてのアドバイスは、本当にありがたい」とは、Spartyの深山社長からfoufouの高坂マールさんまで、皆が口を揃えて言う言葉です。否定せず、取り入れる感じは、新世代っぽいですねw。
もちろん下の記事の通り、大手にも学ぶことやメリットはあるのでしょう。主張し続けていますが“お見合いオバちゃん”よろしく、出会いを創出し、「仕掛ける」に貢献するのは、「私たちメディアの役割だよなぁ」と改めて思うのでした。
「アンリアレイジ」の森永邦彦が老舗オンワードと組んだ理由
デザイナーの森永邦彦が手掛ける「アンリアレイジ(ANREALAGE)」とオンワード樫山の協業による、バッグとアクセサリー主軸のブランド「アンエバー(ANEVER)」がこのほど、オンワードグループの自社EC「オンワード・クローゼット(ONWARD CROSSET)」で販売を開始した。
「アンエバー」は一瞬(A NEVER)と永遠(AN EVER)を組み合わせた造語で、“対極の概念をつなぐ”の意。商品ラインアップでは、ドライフラワーを樹脂に閉じ込めたパーツをシグネチャーとしており、これらは「時間とともに枯れていく一瞬の花の命」を樹脂の中で「永遠に生かす」ことで、ブランドコンセプトを表現したものだ。
販売している2021年春夏コレクションは、バッグ8型(5940円〜)とアクセサリー13型(2200〜7700円)で、「アンリアレイジ」の商品と比較すれば格段に手の届きやすい価格設定。ブランドがこれまで取り込んでこなかった層へリーチすることも狙いの一つだ。森永氏は協業に至ったきっかけについて、「これまで『アンリアレイジ』ではファッションが好きな方々に向けて尖ったデザインの、ある種の非日常的な服を作ってきた。より大衆向けのアイテムに価値を吹き込む仕事から学び取れることもあるはずだと考えた」と話す。「アンエバー」のパーツでは生花を用いるため、花の形や模様が一点一点それぞれ違い、リーズナブルながら全てがオンリーワンといえるアイテムだ。
オンワードの大手アパレルならではの生産背景もメリットと捉えた。「コレクションシーンでは最新の発表作品が常に優先される。過去のものはすぐに忘れ去られてしまう。それらからエッセンスを抽出し、積み重ねていくことができる何かを作ることが『アンリアレイジ』に必要なことだと考えていた。その一つの形が別のブランドを作ることだったが、自分たちだけの力では限界がある中で、(オンワードの資本力が)とても魅力的だった」と振り返る。
一方のオンワード側は、「アンエバー」にファッション感度の高い若者の取り込みを期待する。同社の会員システム「オンワードメンバーズ」は約360万人以上を抱える(2020年12月時点)が、主要顧客層は40代以上。「アンエバー」の春夏コレクションでは若者の認知度が高い女優の平手友梨奈を起用するなどプロモーションにも力を入れる。公式インスタアカウントのフォロワーは現在約3500人とブランドとしては小規模だが、その内訳は35歳以下が7割を占める。
今回のように企業としてブランドと協業する事例は珍しい。これについて「アンエバー」の企画・生産を担当する不破一貴・第二カンパニー課長代理MDは「ブランドを通じて、オンワードという名前も若い方を中心により多くの人に認知していただきたいため。(『アンエバー』は)まだスタートしたばかりだが、お互いにメリットを享受しながらさまざまな化学変化を生み出していきたい」と話す。
白髪染めは“透明感”にもこだわる時代 赤みと濁りのない鮮やかなグレイカラー「エドル クオン」登場
“エドル”シリーズは、赤みに縛られない自由な色表現をかなえるファッションカラーとして、2019年2月の発売以来、幅広い世代が求める外国人のような透明感カラーを提供してきた。
ブリーチを使ったデザインカラーやハイトーンカラーの人気は、大人女性へも広がっているが、白髪染め(グレイカラー)では、自由なカラーデザインをあきらめる人が多い状況だった。
そこで“エドル クオン”では、作用成分の浸透を高め、ベースの赤みを効率よく消し、美しい色艶を保つ“エドル”独自の処方をグレイカラーに最適化したシナジープレックスオイル処方を採用。白髪への染着作用を高めながら、黒髪にも白髪にも均一な透明感を与える。
白髪までクリアに染め上げる高い発色力と染着力、薄くなった染料の定着領域(CMCβ層)を補強することでかなえる色持ちのよさ、さらにしなやかで艶のある美しい仕上がりで、年齢や性別にとらわれず自由に楽しめるグレイカラーとなっている。
質感を楽しむベースカラー21色と、色を楽しむシェードカラー20色の全41色。ファッションカラーのような透明感カラーを求める大人女性にもフィットする13レベルまでの幅広いラインアップで、ブリーチとの組み合わせでクリエーティブなカラー提案の幅が広がる。
ライン名にある“クオン=久遠”は、永遠、いつまでも続くこと、遠い過去や未来を意味する日本語。大人の女性たちに“自由に、自分らしさをいくつになっても貫き続けてほしい”という思いを込めてネーミングした。
「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反した性質はどんな文脈から生まれているのでしょうか。