Fashion. Beauty. Business.
「角栓崩壊」というコピーを捻り出し、薬機法に向き合う「あっぱれ」な精神
ビューティの世界では最近、①効果・効能実感を、②分かりやすくキャッチーな言葉で表現できる製品が売れるという構図が定着しています。「角栓崩壊」コスメは、まさにこの構図を目指したもので、すでに「角栓溶解」「角栓分解」などさまざまな言葉が出ていましたが、「角栓崩壊」は強いですね(笑)。
こと日本のメーカーは、薬機法を遵守する意識が強く(当たり前なのですが)、最近はグレーゾーンやスレスレ感が強い韓国系ブランドに押されていた印象がありました。そこからコピーを捻り出す才能を磨き、今に至っています。「あっぱれ!」と思うと同時に、法改正を含めてフェアな競争環境が整うことを期待しています。
「角栓崩壊」ジェル洗顔が医薬部外品に刷新 「エスト」は“毛穴”も“毛山”も洗いきる大人の角栓洗顔

花王のスキンケアブランド「エスト(EST)」は6月5日、ジェルタイプの洗顔料を医薬部外品として刷新し、“クラリファイイング ジェルウォッシュ MED”を発売する。価格帯は130g、5280円。一部店舗では5月27日から先行販売する。
同製品は、大人世代の額や鼻の周辺に見られる“プツプツ”とした肌状態に着目して開発した。毛穴に詰まった角栓によって毛穴周辺の肌が盛り上がって見える状態を「毛山」と定義し、その原因となる角栓を分解洗浄する。
今回のリニューアルでは、角栓を分解して洗浄する「角栓崩壊洗浄技術」に加え、有効成分としてグリチルリチン酸ジカリウムを新たに配合し、肌荒れやニキビを防ぐ機能を加えた。
保湿成分としてトコフェロール(ビタミンE)、D-マンニット、ソルビット液を含む「クリアアップ成分」を配合するほか、ハイビスカスエキスなどを含む「モイストピール成分」も新たに採用した。隠れた角栓や古い角質を除去し、洗うたびに滑らかな肌に導く。
さらに、主力のベーシックラインにも配合する、過酷な乾燥環境でも細胞構造を保ち生き抜く、極限環境生物に着想した独自開発成分「エクトビオシス」を進化させた「エクトビオシスα」を配合。洗浄とともに、肌の潤いを保持する。
花王によると、毛穴は顔全体で約16万個存在し、角栓は目に見えない形でも広く分布している。頬の角栓面積は加齢とともに増加する傾向があり、毛穴の詰まりによって肌表面の凹凸が目立つ原因になるという。“クラリファイイング ジェルウォッシュ MED”はこうした角栓の増加による肌悩みに対応する。
「エスト」“洗顔”カテゴリーが絶好調
前身の“クラリファイイング ジェルウォッシュ”は、22年3月に発売した。清原麻紀子ブランドマネジャーは「年々人気が高まっている」と話す。同ブランドの洗顔料は認知が高いとは言えなかったが、同製品や24年2月に発売した炭酸の泡洗顔料“AC ピュリファイ マッサージウォッシュ”が転機となり、洗顔カテゴリーはブランド内でも上位の売れ筋製品へと成長したという。
洗顔料は目的買いの比率が高い一方、リピート率も高く、化粧水や美容液などスキンケア製品との併売も伸びている。「エスト」は30代後半から40代を主なターゲットとしているが、“クラリファイイング ジェルウォッシュ”の発売をきっかけに、毛穴悩みを持つ20〜30代の新規顧客の獲得にもつながっている。
「エスト」は2000年に誕生。24年9月にはブランドを刷新し、既存製品のリニューアルを順次進めている。昨年は、スキンケア発想の頭皮ケア“クラリファイイング スカルプジェル”や、ハンドプレスで落とすクレンジング“ナーチャリング クレンジングセラム”がヒット。“砂漠スキンケア”としてリニューアルしたブランドを象徴する“ザ ローション”と乳液も好調だという。
「カキモトアームズ」が社長交代 創業家以外から初、取締役の村松亜子氏が昇格
美容室「カキモトアームズ」を運営する柿本榮三美容室は3月1日付で、前取締役の村松亜子氏を社長に起用した。同日付で代表取締役会長の柿本榮三氏、社長の柿本哲氏は退任。同時にカキモトホールディングスを設立し、新経営体制のもと成長の加速を図る。
村松社長は、1999年にカキモトアームズに入社。PRやブランディングを長年担当し、15年7月に取締役に就任した。近年は麻生台ヒルズへの出店をリードするなど、同社のラグジュアリーブランディングに貢献してきた。
村松社長は「美容師ではないからこそ見える視点と現場への深いリスペクトを武器に、期待を超える価値を提供し続ける新体制をけん引する」と意気込む。
このほか、岩上晴美カラーリストマネージャーと小林知宏スタイリストチーフが副社長に昇格し、経理に従事していた津曲兼輔氏が専務に就任する。
同社は「50年築き培ってきた歩みを大切にしながら、確かな技術と信頼を礎として新たな価値を生み出せる企業を目指し、着実に前に進んでいく」と表明した。
「カキモトアームズ」は1976年に東京・自由が丘にオープンした「柿本榮三の美容室」が祖業。現在は麻生台ヒルズや自由が丘、田園調布など都内に直営店10店を運営する。26年1月時点で社員数は300人で、年商は38億円に及ぶ。
「WWDJAPAN」4月6日号(vol.2466)は、これから新しい一歩を踏み出すフレッシャーズはもちろん、変化の激しい現代を生き抜く全業界人へ贈る、熱量たっぷりの「ファッション&ビューティ業界入門 2026」特集です。業界で働くとは、つまり「プロ」として生きていくこと。そのためにまず把握しておくべき「業界のアウトライン」を知るための最新データとエッセンスをぎゅぎゅっと凝縮しました。