Fashion. Beauty. Business.

TOPICS

世界最大のECイベントに学ぶ

去年くらいから、中国のダブルイレブン(独身の日)セールの盛り上がりに陰りが見えています。覚えていますか?2019年のときはテイラー・スウィフトがライブを行うほどのお祭りぶりでした。

今年もかつてほどの盛り上がりはないなと思っていましたが、さまざまな地殻変動が起こっているようです。ECにおけるトレンドが詰まったイベント、実験の場であることには変わりなさそう。学べることが多い記事でした。

「WWDJAPAN」副編集長
小田島 千春
NEWS 01

処理水問題からインタレストコマースまで 2023年ダブルイレブンのトピックスから見る中国市場の攻略法

有料会員限定記事

中国の年間最大の商戦ダブルイレブン(W11、独身の日)では日本企業の苦戦や処理水問題の影響、中国版TikTokのドウイン(Douyin、抖音)や短尺動画アプリのクアイショウ(Kuaishou、快手)のインタレストコマースの成長などさまざまなトピックスが見られた。中国現地に運営拠点を持ち、中華圏に特化したデジタルマーケティング事業を展開するアンボット(UNBOT)の福積亮グローバル営業統括と李奕暄グローバル営業部プロデューサーに、今年のダブルイレブンを振り返ってもらうとともに今後の中国市場の見立てを聞いた。

ECの流通取引総額は減少、ライブコマースは伸長

今年のダブルイレブンは、EC全体の流通取引総額(以下、GMV)が前年比2.08%増の1兆1386億元(約22兆7720億円)と微増にとどまった。福積統括は「EC市場の伸びには限界があるので微増は予想通り。今年の特徴は、総合ECの減少とインタレストコマースの成長だ」と話す。Tモール(TMALL、天猫)、JDドットコム(JD.COM、京東)、ピンドゥオドゥオ(PINDUODUO、拼多多)など総合ECの合計GMVは同1.12%減の9235億元(約18兆4700億円)だった一方、ライブコマースプラットフォームは同18.6%増の2151億元(約4兆3020億円)と大きく伸ばした。

この続きを読むには…
残り2775⽂字, 画像0枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
トップページに戻る
NEWS 02

カール・ラガーフェルドが手掛けた「シャネル」のオートクチュール252点がオークションに

パリの競売会社モーリス・オークション(MAURICE AUCTION)は11月20日、レバノン出身の実業家ムウナ・アユーブ(Mouna Ayoub)が保有する「シャネル(CHANEL)」のオートクチュールアイテム252点のオークションを開催した。いずれもカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)が1990年代~2014年にデザインしたものだ。

オークションでは全品に買い手が付き、落札額の合計はおよそ150万ユーロ(約2億4450万円)。中でも、創業者のガブリエル・シャネル(Gabrielle Chanel)が大切にしていたコロマンデル屏風に似た刺しゅうを施したイブニングコートは31万2000ユーロ(約5000万円)で落札され、予想落札価格の15万~20万ユーロ(約2400万~3260万円)を大幅に上回る結果となった。

コレクションを手放す理由は「2つある」とアユーブは説明。「一つはもう私には似合わないからだ。二点目はカールを知らず、彼のオートクチュール作品を所有するチャンスがなかった若い世代に、私と同じように所有し、着用し、愛してもらいたいからだ」。多くのアイテムは袖を通していない新品だという。

アユーブは1990年にカールがデザインした「シャネル」のオートクチュールを「ヴォーグ(VOUGE)」で目にして以来、オートクチュールのアイテムをオーダーし続けていると話す。今回250点以上を手放してもまだ約2500点のアイテムを所有しており、「シャネル」のほかに「スキャパレリ(SCHIAPARELLI)」「フェンディ(FENDI)」「ディオール(DIOR)」などのものがあるという。

アユーブはオークションの売却益の一部を、女性の権利と自由の獲得を支援し、女性に対する暴力と闘う団体であるフォンダシオン・デ・ファム(Fondation des Femmes)に寄付する予定だという。

この続きを読むには…
残り0⽂字, 画像0枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
トップページに戻る

最新号の読みどころ

「クワイエット・ラグジュアリー」の静寂を破り、2026年春夏のウィメンズ市場に“カワイイ”が帰ってきました。しかし、大人がいま手に取るべきは、かつての「甘さ」をそのまま繰り返すことではありません。求めているのは、甘さに知性と物語を宿した、進化した“カワイイ”です。「WWDJAPAN」12月15日号は、「“カワイイ”エボリューション!」と題し、来る2026年春夏シーズンのウィメンズリアルトレンドを徹底特集します。