Fashion. Beauty. Business.

TOPICS

ゲーム大国アメリカの本気

 アメリカはやはり動きが早い。アメリカファッション協議会(CFDA)が、アメリカのブランドのメタバースやNFT進出を支援すると発表しました。仮想通貨やメタバース、NFT、ゲームなどに強い3社と提携し、ブランドやデザイナーがバーチャルで世界進出できるようサポートするといいます。eスポーツなどのゲーム市場が大きいアメリカですから説得力がありますし、スティーブン・コルブCFDA最高経営責任者(CEO)のコメントからも本気度を感じます。

 3月の「楽天 ファッション ウィーク東京」でも、バーチャルとリアルを融合した取り組みがありました。新しいし、楽しいし、ファッションと相性が良さそうなことは間違いないのですが、ビジネスとどう結びついていくのかはまだまだ未知数です。ワクワクする反面、コレクションそのもののクリエイションがさらに大切になりそうな気がしています。

大塚 千践
NEWS 01

NYコレを主催するCFDAがメタバースやNFTに進出するブランドを支援 ウェブ3移行に備え

 アメリカファッション協議会(Council of Fashion Designers of America以下、CFDA)は、ファイブクリプト(5CRYPTO)、ザ・サンドボックス(THE SANDBOX)、ポリゴン ステュディオス(POLYGON STUDIOS)と提携し、アメリカのブランドのウェブ3(Web3、ブロックチェーン技術を基盤とする新しいインターネットのあり方)への移行に備え、メタバースやNFTに進出することを支援する。

 ファイブクリプトは仮想通貨やメタバース、NFTに特化したクリエィティブコンサルティング企業。アニモカ ブランズ(ANIMOCA BRANDS)傘下のザ・サンドボックスは、ユーザーが分散型プラットフォームを使ってバーチャルのゲームフィールドを作ることができるサービス。セバスチャン・ボルジェ(Sebastien Borget)とアーサー・マドリッド(Arthur Madrid)が共同設立した同社は、これまでにスヌープ・ドッグ(Snoop Dogg)、「グッチ(GUCCI)」「アディダス(ADIDAS)」とコラボレーションしている。ポリゴン ステュディオスは仮想通貨ポリゴンの大規模でエネルギー効率の良いNFTプロジェクトに強みがあるブロックチェーン部門で、トップクラスのウェブ3のゲームやNFTプロジェクトの大半を手掛け、過去に「ブルガリ(BULGARI)」「プラダ(PRADA)」「アディダス(ADIDAS)」「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE & GABBANA)」といったブランドのウェブ3移行を支援してきた。

 この提携は、CFDAに所属するアメリカのデザイナーやブランドに学習の機会や知見を与え、彼らがバーチャルの世界に進出してより多くの顧客層にリーチすることや、新たな収入源を確保しつつウェブ3のコミュニティーと関わり、よりコミュニティーを活性化することを目的としている。

 CFDAのスティーブン・コルブ(Steven Kolb)最高経営責任者(CEO)は、「我々の使命は、デジタル戦略でCFDAメンバーの成長を支援し、ファッションと小売りの革新を進めるリーダーになってもらうこと。この提携の目的は、メンバーにメタバースに進出するにはどうすれば良いか、進出した後は何をすればいいのか、基本的な知識とプランを与えること。ブランドの大小に関わらず平等に学びの機会を与えるファッション団体は我々が初めてだと思う。ウェブ3が素晴らしいのは、真にグローバルな市場が広がっていることだ。メタバースでは、国境を越えて世界中のパートナーとコラボレーションし、成長する可能性が無限にある。CFDA自体がメタバースに参入し、CFDAの活動をプロモーションするだけでなく、メンバーにチャンスを与えることが目標だ」と語る。
 
 コルブCEOによれば、メンバーは顧客エンゲージメント、ブランド構築、ロイヤリティプログラムについて学ぶ機会があるほか、パネルディスカッションや個別面談、編集コンテンツなどが用意されているという。CFDAが主催するニューヨーク・ファッション・ウイークが将来メタバースで開催されるかという質問に対しては、「それを望む人がいる限り可能性はあるが、メタバースでのファッションショーは顧客と関わるためのマーケティングツールのひとつに過ぎず、リアルのファッションショーに取って代わるとは思わない」と回答した。

トップページに戻る
NEWS 02

メーガン妃の「インヴィクタス・ゲーム」ファッションまとめ ハリー王子とそろって登場

 負傷軍人などのための国際スポーツ大会「インヴィクタス・ゲーム(Invictus Games)」が、4月15日〜22日にかけてオランダの首都ハーグで開催中だ。サセックス公爵ハリー王子(Prince Harry以下、ハリー王子)がパトロンを務める同大会には、メーガン・マークル(Meghan Markle以下、メーガン妃)=サセックス公爵夫人も訪れている。歓迎レセプションに「ヴァレンティノ(VALENTINO)」の白のパンツスーツで出席したメーガン妃は、ほかにも「セリーヌ(CELINE)」や「ケイト(KHAITE)」「ブランドン マックスウェル(BRANDON MAXWELL)」などのブランドを着用。「インヴィクタス・ゲーム」でメーガン妃が披露したファッションをお届けする。

 ランドローバーチャレンジを観戦していたメーガン妃は16日、白いトップスに「セリーヌ」による黒のツイードジャケットとバッグを合わせた。ジーンズは「マウジー(MOUSSY)」を着用し、シューズは「シャネル(CHANEL)」のバイカラーのパンプスを選択。ポニーテールにまとめたヘアースタイルに、イギリスの眼鏡ブランド「リンダ ファロー(LINDA FARROW)」のサングラスをコーディネート。ハリー王子は大会のロゴが入った黒いポロシャツに、ネイビーブルーのスニーカーを着用した。

 夜に行われた開会式では、「ケイト」のオフショルダーのトップスに、黒のフレアパンツを選択。足元は「マノロ・ブラニク(MANOLO BLAHNIK)」のヒールだった。「ロレイン・シュワルツ(Lorraine Schwartz)」のイヤリングが際立つまとめ髪スタイルで登壇し、開催国のオランダに感謝の意を伝え、ウクライナへの連帯と支持を表明した。

 メーガン妃は、「ブランドン マックスウェル」のジャケットと、ウオッシュ加工が施されたジーンズを着用。「マノロ・ブラニク」のパンプスと合わせた。ヘンリー王子は、大会のロゴが入ったジップアップトップスと、チノパンを合わせたスタイルで出席した。

トップページに戻る

最新号の読みどころ

「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反した性質はどんな文脈から生まれているのでしょうか。