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どんどん境目が曖昧になるプレステージとプチプラ

 「シャネル」がついに「ゾゾコスメ」に出店しました。原宿駅前にアットコスメの旗艦店「アットコスメ トーキョー」ができた時も思いましたが、百貨店を中心に売ってきたプレステージコスメと、ドラッグ・バラエティーショップで売ってきたプチプラコスメの境目がどんどん曖昧になってきています。

 これまでは百貨店とドラッグ・バラエティーショップ、はっきり売る場所を分けることで2つの世界が交わることはなかったですが、「ゾゾコスメ」を見ると、Kビューティブランド「アピュ」の900円のリップの隣に、「ディオール」の8000円のアイシャドウパレットが並びます。「シスレー」の11万円の美容液と同じ括りで、「ウーノ」の500円の洗顔料が取り扱われています。実店舗だと売り場の作り方などで多少の差別化は図れるものの、ECとなると製品の見え方はプレステージであれ、プチプラであれ、全く同じです。

 今後も同様の動きが増えるであろう中、「デパートの中で丁寧な接客を受けられる」「薬局で自由に気軽に買える」など、それぞれのアドバンテージがある意味発揮できない場で、どのように魅力を発信し続けるのか、もしくは差別化を図るのか、注目です。
 

北坂 映梨
NEWS 01

「シャネル」のコスメがZOZOTOWNに出店

 「シャネル(CHANEL)」は7月15日、ファッション通販サイト 「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」内のコスメ専門モール「ゾゾコスメ(ZOZOCOSME)」に出店した。フレグランス、メイクアップ、スキンケアを販売する。また名香「No5」の誕生100周年を記念した限定コレクション「ファクトリー 5 コレクシオン」の一部製品も限定で取り扱う。

 「ゾゾコスメ」は3月にオープン。国内外のプチプラからラグジュアリーブランドまで幅広く扱うほか、「ゾゾスーツ(ZOZOSUITS)」や足型の3D計測ツール「ゾゾマット(ZOZOMAT)」に次ぐ、肌分析ツール「ゾゾグラス(ZOZOGLASS)」も導入している。

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NEWS 02

ファストリ減速 国内・中国ユニクロ3〜5月が計画未達

 ファーストリテイリングの2020年9月〜21年5月期連結業績(国際会計基準)は、売上高にあたる売上収益が前年同期比9.9%増の1兆6980億円、営業利益は同72.1%増の2278億円だった。前年春に多数の店舗を休業・営業時間短縮していた反動で大幅な増収増益となったが、3〜5月に限るとユニクロの国内・中国事業ともに計画未達。ジーユー事業も同様で、コロナ禍以降の絶好調からやや変調をきたしている。

 3〜5月の国内ユニクロ事業の既存店売上高は同31.1%増。昨年の反動で3〜4月は大きく伸ばしたが、5月は前年同月比0.6%減と12カ月ぶりに前年割れ。続く6月も同19.2%減と、大きく落とした。「商品の新しさやニュース性が不足していたことが要因。前年は緊急事態宣言明けにワンマイルウエアや“エアリズムマスク”などが売れたが、今年もその実績に引っ張られてしまい、お客さまから見て新しさが感じられない商品構成だった」と、岡崎健取締役グループ上席執行役員CFO。

 3月からは総額表示による実質値下げも行っている。その点については、「原価改善を進めてきたことで、(実質値下げをしても)粗利益率は前年同期に比べ0.5ポイント低下の51.7%にとどまった。計画を上回る水準だった」手応えを語る。

 中国ユニクロ事業も国内ユニクロと同様、3〜5月で大幅な増収増益を達成しつつも、計画には未達。ワクチンが広がり、消費ムードが上向いている北米、欧州は計画を上回った。

 商品政策が不振だった点はジーユー事業もユニクロと同じ。ジーユーは「さまざまなトレンドを取り入れ過ぎて品番数が増えると共に、売れ残ってしまって値引きが必要となった」。これを受け、21年秋以降は改めてマストレンドに照準を絞り、品番を減らす。

 3〜5月の結果と、足元の売り上げ状況やコロナの再拡大などを鑑み、上期(20年9月〜21年2月)の好調を受けて4月に上方修正していた21年8月期連結業績予想を、改めて下方修正している。修正後の売上収益は前期比7.0%増の2兆1500億円(修正前は同10.0%増の2兆2100億円)、営業利益は同64.0%増の2450億円(修正前は同70.7%増の2550億円)。

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最新号の読みどころ

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