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「言葉選び」の難しさ
「言葉選び」って、難しいですよね?例えば最近、私は自分の仕事を「伝えること」ではなく、「届けること」だと思っています。「届ける」の方が、発信者と受信者の関係性がフラットで、加えて「伝える」以上の“何か”を含有している気がします。その“何か”とは、何か?それを考え続けています。
そんな「言葉選び」の一助になるかもしれないのが、この新企画。WWDJAPANの2年生が、私たちは当たり前に使って(しまって)いる言葉の意味を考え直します。記事では2人の“定義”をお届けしていますが、それさえあくまで解釈の一例です。さぁ、皆さんは2人の一例、どう思いますか?ポッドキャスト(WWDJAPANと検索してください)と合わせて、お楽しみください!!
「ストリート」って何? “めんどくさい”新米2人によるポッドキャスト連載:考えたい言葉 vol.1
「WWDJAPAN」ポッドキャストシリーズの新連載「考えたい言葉」は、2週間に1回、同期の若手2人がファッション&ビューティ業界で当たり前に使われている言葉について対話します。担当する2人は普段から“当たり前”について疑問を持ち、深く考え、先輩たちからはきっと「めんどうくさい」と思われているだろうな……とビビりつつも、それでも「メディアでは、より良い社会のための言葉を使っていきたい」と思考を続けます。第1弾は、【ストリート】をテーマに語り合いました。「WWDJAPAN.com」では、2人が対話して見出した言葉の意味を、あくまで1つの考えとして紹介します。
ポッドキャスト配信者
ソーンマヤ:She/Her。入社2年目の翻訳担当。日本の高校を卒業後、オランダのライデン大学に進学して考古学を主専攻に、アムステルダム大学でジェンダー学を副専攻する。今ある社会のあり方を探求すべく勉強を開始したものの、「そもそもこれまで習ってきた歴史観は、どの視点から語られているものなのだろう?」と疑問を持ち、ジェンダー考古学をテーマに研究を進めた。「WWDJAPAN」では翻訳をメインに、メディアの力を通して物事を見る視点を増やせるような記事づくりに励む
佐立武士(さだち・たけし):He/Him。入社2年目、ソーシャルエディター。幼少期をアメリカ・コネチカット州で過ごし、その後は日本とアメリカの高校に通う。早稲田大学国際教養学部を卒業し、新卒でINFASパブリケーションズに入社。在学中はジェンダーとポストコロニアリズムに焦点を置き、ロンドン大学・東洋アフリカ研究学院に留学。学業の傍ら、当事者としてLGBTQ+ウエブメディアでライターをしていた。現在は「WWDJAPAN」のソーシャルメディアとユース向けのコンテンツに注力する。ニックネームはディラン
若手2人が考える【ストリート】
地域密着型で生活者から生まれる草の根ファッションのこと。人の活気から生まれ、コレクションやデザイナーから生まれるメインストリームのファッションに対するカウンターカルチャーとしてその時々で変わっていく。地域ごとに発展してきたので、ファッションを通したアイデンティティーとしての強い側面を持つ。「ストリート」スタイルという固定の系統があるのではなく、音楽や映画などによって影響を受けながら進化するカルチャー全般を指すが、日常的に着られる実用的なファッションというのは共通項。日本ではストリートの数あるスタイルやカルチャーの中から、スケーターファッションなどを指す外来語としている印象を受ける。
【ポッドキャスト】
「WWDJAPAN」ポッドキャストシリーズはSpotifyやApple Podcastsでもお聞きいただけます。
オンワードから単品訴求の日常着 ECのレビュー分析で改良重ねる
オンワード樫山は、婦人服ブランド「アンフィーロ(UNFILO)」を今年秋から本格的に販売する。百貨店向け婦人服「自由区」の派生レーベルとして2019年からEC(ネット通販)で扱ってきたが、好評を受けてリアル店舗の出店に乗り出す。実店舗とオンラインストアのメリットを融合した新業態ストア「オンワード・クローゼットストア」のほか、10月にはラゾーナ川崎プラザにポップアップストアを開く。それらの検証を踏まえて22年春から常設店の出店を目指す。
「アンフィーロ」は40〜50代の女性に向けた日常着。日常生活に求められる機能性と手頃な価格をセールスポイントにする。撥水、冷感、ストレッチ、ウォッシャブル、UVケアなどの機能性を前面にした競争力のある単品でMDを組む。オンワードの認定工場で生産された高品質な商品を「自由区」の半分ほどの価格で売る。中心価格(税込)はカットソー3900円、パンツ6900円、スカート7900円、ワンピース8900円、アウター1万4000円。
商品開発においては編集者らによる座談会や自社ECモールに寄せられたレビューを分析し、定番商品の改良を重ねる。例えば、一枚で着られる美しいシルエットが特徴の“マイビューティTシャツ”。今春から追加生産を重ねて3カ月で1万枚を販売したが、丈感や素材などについて寄せられたたくさんのレビューを分析して、8月から販売する新作に反映している。担当の山本洋輔課長は「お客さまのリアルで説得力のある声に耳を傾け、一緒に理想の服を作り上げる。マーケティング基点の商品開発と呼んでいる」と話す。
「オンワードクローゼット」を利用するオンワードの会員顧客360万人を基盤にしながら、リアル店舗を出店したり、女性ファッション誌「ストーリィ(STORY)」(光文社)との協業によるオウンドメディアを始動したりすることで、新しい顧客との接点を広げる。
「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反した性質はどんな文脈から生まれているのでしょうか。