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生活者目線で、視座は高く
週の最後は、破産と閉店というニュースになってしまいました。フォリフォリは、本国の親会社による不正の影響も大きそうですね。一方の「テイジンメンズショップ」は、61年の歴史に終止符です。母体のテイジンアソシアリテイルは、ウィメンズや雑貨、インテリアショップもクローズです。時代が大きく変わっていることを感じさせます。
変革の時代に求められるものは?そう考えていた時、ビューティ業界のお二人のトップから同じタイミングで「視座の高さ」という言葉をいただきました。目の前の何か、だけではなく、より高いところに立つと見える業界の構造さえ超越できる何か。視座は高く、でも常に生活者や消費者、お客さま目線で。それを意識し続けることができたら、こんなニュースは減るのかもしれないと考えています。
ギリシャ発アクセサリー「フォリフォリ」日本法人が破産 一部店舗は別会社が運営
ギリシャ発アクセサリーブランドの「フォリフォリ(FOLLI FOLLIE)」の日本法人フォリフォリジャパンが2月19日、東京地裁から破産開始決定を受けた。東京商工リサーチによると、負債総額は13億4000万円。路面店や百貨店で時計やバッグ、ファッションジュエリーなどを販売しており、ピーク時の2006年2月期には売上高55億円だった。その後は苦戦し、19年12月期の売上高は30億円にまで減った。また、本国親会社の粉飾決算やマネーローンダリングの不祥事が発覚し、親会社からの支援が滞っていた。さらに新型コロナウイルス感染拡大の打撃で、21年2月までに一部事業を別会社に事業譲渡した。「フォリフォリ」の一部店舗は別会社で継続している。
テイメンが閉店、61年の歴史に幕 セレクトショップの先駆け
帝人グループのテイジンアソシアリテイル(東京都、丸山浩之社長)は、“テイメン”の愛称で親しまれた「テイジンメンズショップ」の銀座本店を3月28日に閉店する。これに先駆けて3月3日には千葉県市川市のニッケコルトンプラザ内にある店舗も閉め、実店舗が消滅する。全国に13店舗あるアウトレット業態の「テイジンメンズショップ ラック」も、3月末までに全て閉店する。
「テイジンメンズショップ」銀座本店は、1960年に銀座4丁目の晴海通り沿いにオープン。アイビーの象徴的ブランドである「ヴァン(VAN)」をメインで扱い、66年に飲食店の「スナック ヴァン」を2階に開いたことで、“街のアイビーリーガース”の総本山となった。英国ブランド「バラクータ(BARACUTA)」のスイングトップ“G9”や「ジョン スメドレー(JOHN SMEDLEY)」のニットウエア、米国の靴ブランド「ジー・エイチ・バス(G.H.BASS)」のローファーなど、同店が日本に広めたブランドは多い。
なおテイジンアソシアリテイルは、運営するウィメンズの「ディアプレ」(全2店舗)、生活雑貨を扱う「セサミ」(全4店舗)および「セサミプラス」(全1店舗)、インテリアショップの「インテリアート」(全2店舗)も3月末までに閉店する。
「クワイエット・ラグジュアリー」の静寂を破り、2026年春夏のウィメンズ市場に“カワイイ”が帰ってきました。しかし、大人がいま手に取るべきは、かつての「甘さ」をそのまま繰り返すことではありません。求めているのは、甘さに知性と物語を宿した、進化した“カワイイ”です。「WWDJAPAN」12月15日号は、「“カワイイ”エボリューション!」と題し、来る2026年春夏シーズンのウィメンズリアルトレンドを徹底特集します。