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「カルバン・クライン」、アイデンティティを取り戻す
「カルバン・クライン」にニューヨークのムードが戻ってきました。下で紹介するジェレミー・アレン・ホワイトによる下着の広告ビジュアル、アラフォー、アラフィフ世代には懐かしくないですか(笑。この記事を英訳した新卒記者は、今ひとつピンと来ていない印象でしたw)?
後日アップ予定ですが、「カルバン・クライン」を手がけるPVHは、本拠オランダのデザインチームを縮小し、その機能をニューヨークに移すリストラにも取り組んでいます。アイデンティティを取り戻し、どう進化するのでしょう?
世界的にはラフ・シモンズによって大きく変わったイメージは過去のものになりつつありますが、日本においてはオンワード時代の販路が健在です。NYのイメージは、こうした販路の再考とともに広がるのでしょう。
「カルバン・クライン」の下着広告が大バズり 俳優ジェレミー・アレン・ホワイトで18億円のインパクト
「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」が1月4日(現地時間)に公開した男性向け下着の広告がSNS上で大バズりしている。
俳優のジェレミー・アレン・ホワイト(Jeremy Allen White)を起用し、写真家のマート・アラス(Mert Alas)が撮影を、ファッション編集者のエマニュエル・アルト(Emmanuelle Alt)がスタイリングを手がけた。ホワイトは広告の中で、「カルバン・クライン」2024年春のアンダーウエアコレクションを着用している。引き締まった身体にジーンズや下着のみというスタイリングは、同ブランドの90年代の広告を思わせる。
メディア効果計測ツールを手掛けるローンチメトリックス(LAUNCHMETRICS)によると、同広告は公開後48時間以内に、1270万ドル(約18億円)相当のメディアインパクトをもたらしたという。「カルバン・クライン」はブランド単体で300万ドル(約4億3000万円)相当の価値を創出。インスタグラムの投稿は85万9000ドル(約1億2000万円)相当のインパクトを生み、140万以上の「いいね」数を稼いでいる。
ホワイトの名前は5日、X(旧Twitter)のトレンドワードランキング1位を獲得したほか、同ブランドがTikTokに投稿した初のキャンペーン動画は現在、450万以上の再生数を記録している。
新生「グッチ」のメンズ初披露 ウィメンズ同様のアプローチで日常のラグジュアリー【2024-25年秋冬メンズコレまとめ】
「グッチ(GUCCI)」は、サバト・デ・サルノ(Saboto De Sarno)=クリエイティブ・ディレクターが初めて手掛ける2024-25年秋冬メンズ・コレクションを1月12日、ミラノで発表した。会場は、街のはずれにある鋳造工場跡を使ったイベントスペース。その中に、黒を貴重としたミニマルな空間を用意した。そこに流れたのは、聞き覚えのあるマーク・ロンソン(Mark Ronson)による「レイト ナイト プレリュード(Late Night Prelude)」。モデルの登場とともにスポットライトのランウエイを描き、服に焦点を当てたショーを見せた。
ウィメンズに呼応するスタイルで幕開け
幕開けを飾ったのは、広めのショルダーとピークドラペルで仕立てたダブルブレストのロングチェスターコートに胸元を深くえぐった白のタンクトップという、昨年9月に披露した初のウィメンズ・コレクションのファーストルックに呼応するスタイル。ウィメンズでマイクロミニだったパンツは、メンズではくるぶし丈に。前者では厚底“ホースビット”ローファーだった足元は、クリーパーシューズのデザインを取り入れた新作の“ホースビット”ローファーになり、背に赤と緑の“ウェブ”ストライプをあしらった白ソックスを合わせる。首元を飾る大ぶりな“マリナ チェーン”のネックレスはゴールドからシルバーに変わり、アイコンバッグの“ジャッキー”は大ぶりなサイズでアレンジした。
この一目でウィメンズ・コレクションとのつながりが分かるルックは、新たな「グッチ」のイメージやワードローブを確立していく上で同じメッセージを繰り返し伝えていくことが大切と考えるサバトが「ミラーリング」と呼ぶアプローチを象徴するもの。今回のメンズ・コレクションには、そんな「ミラーリング」が随所に見られる。カギとなるメッセージは、ウィメンズで掲げた「ANCORA(イタリア語で「もう一度」の意)」。そこには、「もう一度『グッチ』のファンになり、もう一度ファッションを楽しんでほしい」という想いが込められている。前述の空間デザインや演出も、悪天候のために急遽会場を屋外のブレラ通りから屋内の「グッチ ハブ」に変更したウィメンズのショーと同様。使用したサウンドトラックもラッキーラブ(Lucky Love)の「マスキュリニティー(Masculinity)」を新たに加えた以外は全く同じだ。
デザインにおけるウィメンズとの共通点は、エンボスなどで控えめに描く「GUCCI」のロゴやコートのベンツから覗く“ウェブ”ストライプ、華やかなクリスタル装飾やビーズフリンジといったディテールから、「アンコーラ ロッソ」と呼ぶキーカラーの深みのある赤、リザードで描くストライプなどの色や素材使いまで。セーラーカラーにクリスタルをびっしり飾ったセーターやスイングトップにルーズなデニムを合わせたスタイルなど、ウィメンズと瓜二つのルックも登場した。
バリエーション豊かなアウターとテーラリング
メンズならではの特徴は、充実したアウターとテーラリングだ。艶のあるレザーやウール、ナイロン、人工ファーなどの素材で作るコートは、広い肩と深いベンツ、ロング丈がポイント。中には床をかすめるほどのトレンチコートやチェスターコートもある。一方、よりカジュアルな提案としては、かっちりした肩のラインが目を引くフライトジャケットやハリのあるレザーで仕立てたオーバーサイズのシングルライダースジャケット、同系色で“GGモノグラム”を描いたワークジャケットなど。首元にクリスタルを飾った丸襟の肉厚なカーディガンも、内側に薄い中綿入りでアウターとして活躍する。
「ミニマルテーラリング」と呼ぶジャケットやパンツは、意図的にひじやウエスト、膝裏に入れたシワ加工や、着物の重ね襟のようにラペル内側の端をコントラストカラーで切り替えたデザインがアクセント。丈感にこだわったというパンツは、細身のクロップドもしくは、裾にスリットを入れたよりゆったりしたシルエットのフルレングスで提案する。また、アイコニックなパターンを少しずらして重ねることで陰影をつけた新たな“GGモノグラム”も打ち出す。
注目アクセは、スタイルを仕上げるスカーフタイ
カジュアルからフォーマルまでのバリエーションで現代男性の上質なワードローブを構成するようなコレクションを印象的に仕上げたのは、多くのルックに取り入れた細長いスカーフタイだ。“ジャッキー”と同じシルバーの金具で留めるデザインはチョーカーと組み合わせたかのよう。モデルの動きに合わせて風になびき、比較的シンプルなスタイルにスパイスを加える。今季のスタイルを特徴付ける要素の一つであり、エントリー価格のアイテムとしてのヒットも期待できそうだ。
バッグは、やや柔らかな質感のレザーと発売当時のオリジナルデザインの金具でアップデートした“ジャッキー”。ウィメンズでは定番サイズとより小ぶりなものが登場したが、メンズではビッグサイズで統一した。そのほかは、マチありのビッグトート“ジャッキー ソフトトート”のアレンジや1950年代のアーカイブを再解釈した大ぶりな半月型ショルダーバッグ、型押しでサイドにロゴを描いたドラム型のボストン、オールブラックの“バンブー”、ナイロンや“GGモノグラム”キャンバスのバックパックやバムバッグなど。ストラップなどのディテールには、“ウェブ”ストライプや“ジャッキー”と同じ金具を取り入れている。
シューズは、前述のクリーパースタイルの“ホースビット”ローファーが充実。スタッズやモノグラムでアレンジしたモデルもある。テディ・ボーイズやパンクなどイギリスのサブカルチャーと深いつながりをもつデザインが、サルトリアを軸にしたエレガントなスタイルにも若々しさとほど良いストリート感覚をもたらしている。
今回発表されたコレクションはウィメンズ同様、パッと見の派手さや分かりやすさではなく、ディテールやパターン、素材にこだわり、服作りの本質やウエアラビリティーに重きを置いたもの。「日常に根ざすラグジュアリー」を掲げるサバトは、ウィメンズと一貫したアプローチで新たな「グッチ」のビジョンをより一層明確に示した。
新「グッチ」メンズ注目のバッグやシューズを速報 生まれ変わるアイコンたち
「グッチ(GUCCI)」は、2024-25年秋冬メンズ・コレクションをイタリア・ミラノで発表した。昨年1月にクリエイティブ・ディレクターに就任したサバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)による、メンズのデビューショーとして注目を集めた。コレクションテーマは、昨年9月に発表したウィメンズと同じく、イタリア語で“もう一度”や“もっと”を意味する「アンコーラ(Ancora)」だ。
コレクションはウィメンズとリンクさせ、普遍的なデイリーウエアを洋服の構造とディテールでラグジュアリーに昇華させる内容だった。一部のルックをウィメンズと鏡合わせのようにほぼ同じ構成にし、アクセサリーとジュエリーにはメンズならではのデザインを反映させた。注目アクセサリーは、チョーカーで留めるシルクのロングタイ。スタイリングの要として、アイコニックな深いレッドにグリーン、グレーやベージュとカラーバリエーション豊富に登場し、新生「グッチ」メンズのシグネチャーになりそうだ。
バッグの主役は、ビッグサイズの“ジャッキー”バッグだろう。加えて、三日月型のホーボーバッグと大容量のハンドバッグ、ナイロン素材の軽量なバックパックやボディーバッグといったメンズの定番バッグをそろえる。足元は、厚手のクリーパーソールを備えて進化したアイコン”ホースビット”ローファーで、パンキッシュなムードを添える。船のアンカーのチェーンにインスピレーションを得たデザインが特徴の、”マリナ チェーン ジュエリー”をはじめ、シューズやバッグに施すハードウエアもシルバーで統一し、マスキュリンな側面を際立たせた。
「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反した性質はどんな文脈から生まれているのでしょうか。