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「アネッサ」は、違うルートからの山登り
資生堂「アネッサ」の、「太陽の光を美容効果のある光として活用する」という発想、面白いですね。この「防いできたものを有効活用する」というアプローチは、いろんなところに応用できそうな気がするのみならず、サステナブルな取り組みの多様性に貢献しそうです。
これまで太陽の光は、「とにかく防ぐもの」と捉え、いわゆる日焼け止めを「どれだけ紫外線を防げるか?」「どれだけ汗に流れないか?」「同時に、どれだけ心地よく使えるか?」で“高み”を競ってきた印象です。ところが今回の「アネッサ」は、まるで全く違うルートから山を登っているような。そして、これがファッション&ビューティ業界に期待したいクリエイティブ。感服いたしました。
「シセイドウ」から革新的技術搭載の日焼け止め誕生 紫外線を美容効果のある光に変換してスキンケア
資生堂は5月1日、グローバルブランド「シセイドウ(SHISEIDO)」から日焼け止め乳液“アーバン トリプル ビューティ サンケア エマルジョン”(税込5280円※編集部調べ)を発売する。潤いが持続しハリやキメの整った明るい肌に導くアイテムで、国内では「シセイドウ」の旗艦店・グローバル フラッグシップ ストアをはじめ、百貨店を中心とした約380店、ブランドオフィシャルサイト、資生堂の総合美容サイト「ワタシプラス」で取り扱う。海外はブランドを展開する88の国と地域で順次販売する。
同社は100年以上の紫外線研究で培った知見と技術を結集し、紫外線から肌をしっかり守るサンケアを提案し続けてきた。今春登場する“アーバン トリプル ビューティ サンケア エマルジョン”は、肌を紫外線から守るだけでなく、美肌のために太陽の光を活用するという発想で開発。農業分野の光の活用研究からインスピレーションを得て、「ヒトの肌に与える光の効果」「太陽の光を変換して利用する植物の光合成プロセス」に着目。世界初(ミンテル社及び同社調べ)の“サンデュアルケア技術”を採用し、「太陽の光を美容効果のある光に変換してスキンケアする」という革新的な価値を提案する。
同製品は“生活紫外線”とも呼ばれるUVA(紫外線A波)、UVB(紫外線B波)はもちろん、チリやホコリなどさまざまな微粒子から肌を守る。また、潤いを保護する資生堂独自成分のスピルキュアエッセンスを配合。オイルフリー処方のためトーンアップ下地としても使用できる。
婦人服の「恵山」が事業終了 「ロイヤルパーティー」は譲渡先で継続
婦人服の恵山(東京、沖山英嗣社長)は、事業活動を2月28日で終了すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う店舗休業や販売不振の長期化を受けて、継続が困難と判断した。主力の「ロイヤルパーティー(ROYAL PARTY)」事業は、同業のエルダブリュシー(東京、塚越克己社長)に3月1日付で譲渡する方向で調整する。
同社は1977年設立。2000年代以降はファッションビルで「スパイラルガール(SPIRALGIRL)」「ロイヤルパーティー」「ミーア(MIIA)」など若い女性に向けたブランドが人気を集めてきた。現時点で国内19店舗のほか、ネット通販で販売している。「ロイヤルパーティー」は、19年に「スパイラルガール」を譲渡したエルダブリュシーが製造・販売を引き継ぐ見通し。5店舗ある「ミーア」は23日までに順次閉店する。
「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反した性質はどんな文脈から生まれているのでしょうか。