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売上高5年で約2倍!アジアからのインバウンドが急増する成田国際空港の実情

「成田空港SC部門」上昇気流に乗る

 インバウンドを追い風に、成田国際空港の商業施設の売上高が急伸している。2014年度(15年3月期)の売上高は、前年比115.1%の972億円と過去最高を更新した。店舗の増床に加えて、国際線の外国人旅客数が初めて1000万人を突破したことが大きな要因だ。今年4月にはLCCの新ターミナルも開業し、訪日外国人がさらに増えることは確実とみられる。今年度の売上高も1104億円(同113.5%)と強気の計画を立てている。

日本人の減少を外国人がカバー

 成田国際空港の商業施設の売上高の伸びは、インバウンドの伸びと比例する。14年度は、羽田空港の国際線増便などの影響で日本人の旅客数は前年比84.7%の1350万人に減ったものの、外国人が同115.1%の1064万人に増えたため、全体としては同98.0%の微減にとどまった。この急増した外国人が、空港で活発に購買している。ラグジュアリー・ブランドが集積された出国エリア(免税店)では、都心の百貨店と同様に、中国や東南アジアの観光客が円安によってお得感が増した高級時計やアクセサリーを買い求める。

 昨年夏には第1旅客ターミナル内の商業施設「エアポートモール」をリニューアルし、新規27店を入れたことも奏功した。新規店の中では「ABCマート」が世界的なスニーカーブームに乗って好調。聖林公司の「ブルーブルー」もTシャツはもちろん、同ブランドらしい藍染のセットアップスーツの動きが良い。バッグの「サマンサ&シュエットギャラリー」もアジアの若い女性に人気だ。成田国際空港の牧山耕己リテール部門第一営業グループマネージャーは「話題性、希少性、情報発信性の3つのテーマを軸に、今の日本を代表するファッションストア、雑貨店、飲食店を誘致した。まずは日本のお客さまに喜ばれることを重視し、結果として外国人のお客さまにも支持されている」と話す。

都心百貨店並みの高坪効率

 成田国際空港は日本最大のショッピングセンター(SC)としての顔を持つ。売上高972億円は、ラゾーナ川崎プラザ(14年度767億円)、御殿場プレミアム・アウトレット(同761億円)、ららぽーとTOKYO-BAY(同724億円)など有力SCを抑えて圧倒的な1位だ。年間約3500万人の搭乗客に加え、空港で働く約4万人のスタッフの買い物や食事にも利用されている。「以前はお土産物屋の延長のようだったが、06年のブランドブティック(出国エリアの免税店)の拡充を皮切りに、都心に負けないファッションブランドや飲食店を誘致する気運が高まった」と高橋修一・第二営業グループマネージャーは振り返る。特筆すべきは、上記の有力SCの店舗面積が8万~10万平方メートルであるのに対し、成田空港の商業施設は約2万8000m²(弊紙推定)にすぎないこと。単純計算で月坪当たり90万円以上を売っていることになる。都心のファッションビルはもとより、有力百貨店と比べても遜色がない。

 坪効率が高い理由は売上高の半分以上を占めるといわれる免税店だ。特に第1旅客ターミナルの「ナリタナカミセ」、第2旅客ターミナルの「ナリタ5番街」には「エルメス(HERMES)」「グッチ(GUCCI)」「シャネル(CHANEL)」「カルティエ(CARTIER)」「ブルガリ(BVLGARI)」「フェラガモ(FERRAGAMO)」「バーバリー(BURBBERY)」「ティファニー(TIFFANY)」「オメガ(OMEGA)」など主要どころが並ぶ。今春は「ヴィクトリアズ・シークレット」「バオ バオ イッセイ ミヤケ」がオープンした。さらに第2旅客ターミナルの改修に伴い、16年秋をメドに「ナリタ五番街」を拡充する計画だ。