「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」からフリマアプリまで、スマホ経由で、いつでもどこでも気軽にショッピングできるファッションEC時代が到来している。そんな中で、新コンセプトのファッションアプリが登場している。ここ最近リリースされた注目のファッションアプリを紹介する。
「ファブリカ(FAVRICA)」
「ファブリカ(FAVRICA)」
欲しい服を最短で発見 「ファブリカ」は、好きなブランドをフォローするだけで、欲しいアイテムを見つけられるアプリ。強みは、使い勝手のいいインターフェイスと自社の優秀なエンジニアが開発した独自のアルゴリズムを備えた強力な検索エンジンだ。本格的なサービス開始は6月で、ツイッターやフェイスブックなどの口コミでユーザーを集め、ダウンロード数は5万人を突破した。同アプリを立ち上げたヒースローは、慶応大学SFC出身の杉崎正哉・社長(29)が、2012年に同級生らと創業した。これまでは大手企業のサーバー管理やデータベース管理などを受託してきたが、「ファブリカ」の本格的な立ち上がりに際し、このアプリに業務を集中するという。
「クローゼット(XZ)」
「クローゼット(XZ)」
目指すはファッション版クックパッド “着回し”に注目したアプリ 自宅のタンスに眠る服を有効活用できるアプリが「クローゼット」。最大の特徴は、これまでのコーディネートアプリとは異なり、ユーザーの手持ちの服の有効活用を主眼に置いていることだ。博報堂、モバイルコンテンツ制作会社を経て、このアプリを立ち上げた荻田芳宏・社長は、「女性誌を見ると、“着回し”という言葉が非常に頻出していることに気がついた。コーディネートアプリは多いけど、ファッション消費を喚起することが目的になりがち。僕らのサービスの目的は、ユーザーがソーシャルネットワークを上手く活用することで、手持ちの新しい着回しと出合ってもらうこと」と語る。昨年9月にサービスを開始後、現在着回し術を公開する“ソーシャルクローゼット”上のアイテム登録数は20万点を突破。着回しアイデアの発見も3万5000回突破するなど、活用するユーザーや頻度は増え続けているという。
「サスティナ(SUSTINA)」
「サスティナ(SUSTINA)」
服だってレンタル サービス続々登場 ありそうでなかった、服の定額制レンタルサービスがここにきて続々とスタートしている。3月29日から、アプリでも「サステナ」がサービスを開始。月5800円で服が借り放題という珍しさから、すでにダウンロード数は3万人を突破し、サービスを受けるために順番待ちの状態だ。5つのアイテムをチョイスし、飽きたら返却。送料やクリーニング代は無料で、レンタルビデオと同じような使い勝手になっている。また、サービス名の通り、サスティナブルを標榜し、アイテムはリユース品が中心で、ユーザーからの買い取りも行なっている。取り扱いブランドも「アー・ペー・セー(A.P.C.)」「ザラ(ZARA)」「エモダ(EMODA)」など国内外の有力ブランドが並んでいる。4月28日からは「アップルウオッチ(Apple Watch)」の取り扱いも開始するなど、ウエアラブルデバイスにも力を入れていく。
番外編
「アップティー(UP-T)」
2次創作を後押しするTシャツEC、運営は日本最大のテキスタイルメーカーだった 日本最大のテキスタイルメーカーの丸井織物は、ユーザーが無料でTシャツのデザインを行ない、販売できるTシャツ販売サイト「アップティー(UP-T)」をスタートした。最大の特徴は、2次創作デザイン機能を実装していること。1次創作者が許可したものに関しては、ユーザーが1次創作者のデザインに上乗せしてデザインし、販売することができる。2段階の許可制になっており、許可を取れば2次創作アイテムは自分のデザイン料を上乗せした形で販売することも可能だ。なお著作権はすべて1次創作者のものになる。
丸井織物は石川県の能登半島に拠点を置く、日本最大のテキスタイルメーカーで、日本と中国に合計1000台以上の織機を稼働させている。ポリエステルやナイロンの超極薄ファブリックを得意とし、国内外の大手スポーツブランドに供給してきた。繊維業界の中でも、同社の宮本徹・社長はいち早くトヨタ生産方式を導入するなど、徹底したコストと品質管理の高さで世界的に知られている。