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中国のアウトドアブーム
デサントの2024年3月期上期は、ゴルフウエアの勢いが落ち着いても、中韓が好調で前年同期の売上高を超えました。記事によると特に中国で「デサント」ブランドは、「『ナイキ』『アディダス』に比べても遜色ない」と思われていて好調なんだとか。
中国のアウトドアブームの勢いがすごいという話は、他スポーツブランドからも聞きます。台湾の双子の女の子の登山インフルエンサーをSNSでフォローしていますが、彼女らのおしゃれな投稿を見るにつけ、「海の向こうではアウトドアが盛り上がっているんだな〜」と感じます。日本ではゴルフ含め一巡したと言われているアウトドアですが、アジアに目を向ければまだまだ商機は多そうですね。
「デサント」直営店売り上げ1.5倍 店舗リニューアル奏功

デサントの2023年4〜9月期の売上高は前年同期比4.9%増の599億円だった。ゴルフブームの落ち着きを、中国と韓国のアスレチックカテゴリーがカバーした。営業利益は同15.2%減の41億円、経常利益は同18.8%増の800億円、純利益は10.5%増の56億円だった。
コーポレートブランド「デサント(DESCENTE)」の国内売上高は、前年同期比6%減の48億円だった。しかし直営店の売上高は同50%増と伸長した。同社は同ブランドを“プレミアムスポーツブランド”と位置付けて、商品構成の見直しや宣言広告への投資、既存店17店舗のうち8店舗のリニューアルなどを行っており、その一定の成果が表れた。
ブランディング強化の背景には、中国での実績がある。中国では持株会社デサントチャイナが同ブランドを運営し、2023年3月期の売上高は602億円(日本は176億円)だった。上海と北京には1000平方メートルを超える大型店舗を構え、タウンユースの人気もある。日本よりも「はるかに高いブランドイメージ」(小関秀一社長)を持つ。「中国で『デサント』のロゴを見れば、『あの人いいものを着ているね』と思われる。日本より高価格なのに、それに負けない商品価値を提供している。店舗クオリティーも『ナイキ』『アディダス』と比べて遜色ない。日本も、そこを目指さなければならない」。
意識変革を促すため、日本の社員100人による中国視察も実施する。「(中国の)店の規模と人気を目の当たりにすれば、世界に負けないブランドだという実感が持てるはずだ」。ブランド運営に直接関係する人のほか、総務や経理なども参加しており、これまでに80人が視察を終えた。「コーポレートブランドが成長すれば、その他のブランドにも好影響が出る。会社全体で盛り上げていきたい」。
ファストリ、原料まで追えるサプライチェーン可視化システムが稼働 まずは綿から
ファーストリテイリングは11月7日、サステナビリティ方針の説明会として、「“LifeWear=新しい産業”説明会」を開催した。同様の説明会は2021年にスタートし、今年で3回目。昨年の説明会で公表していた、「最終商品から原材料まで、サプライチェーン全体を可視化するシステム」の詳細を説明すると共に、生物多様性保全のための取り組みなどを公表した。「サステナビリティ達成のために本業をおろそかにすることはない。われわれが本業を充実させることで、地球環境や人権もよくなるという形を作る」と、サステナビリティ分野を統括する柳井康治 取締役グループ上席執行役員。
同社では17年以降、縫製工場や素材工場の集約を進めると共に情報公開し、把握・管理を進めてきた。それを、さらにサプライチェーンの上流の紡績工場、原材料生産(自然由来の原料の栽培・収穫、合繊原料のチップ生産)にまで広げ、品質とコストの安定化を図ると共にトレーサビリティーや人権への対応も強化する。既に23年春夏シーズンから、「ユニクロ」商品で原材料レベルまでの商流を把握しているといい、8月末までに「ユニクロ」の綿商品の紡績工場を集約した。
今後、綿だけではない全素材で紡績工場集約を進める。「紡績工場は国別で整理し、半分から3分の1に集約していく。集約することで価格競争力が上がり、トレーサビリティーへの対応もしやすくなる」(指吸雅弘グループ執行役員)。
カシミヤは衛星画像で全牧場を解析
“原材料まで把握できる仕組み”は、サプライチェーンの各段階に関わるサプライヤーや取引先工場などが、産地、品質などの情報をプラットフォーム上に登録するもの。ファーストリテイリング社員も随時それを確認することが可能で、商品を企画する段階で原料産地や品質、規格などをトレースして指定することができるようになった。綿商品からこの仕組みをスタートしており、早期に全素材に拡大する。今後はトレーサビリティーをさらに深化させて、単に産地(国・地域)を指定するというのではなく農場や牧場まで指定していくという。リサイクルポリエステルのチップについては、既に工場指定に着手している。
「社外からの注目度が高く要望も多い」(柳井取締役)生物多様性については、「ファーストリテイリング生物多様性保全方針」を策定し、説明会と同日に公表した。「長期的にバリューチェーン全体で、ネットポジティブを目指す(企業活動で生物多様性に対しプラスの影響を与える)」。特に多様性への影響が大きいウール、カシミヤ、コットンにフォーカスし、カシミヤでは琉球大学の研究チームと連動して全牧場の衛星データ解析、牧場への社員訪問などを進める。ウールも同様にし、綿では環境再生型農業の検討を行う。
「クワイエット・ラグジュアリー」の静寂を破り、2026年春夏のウィメンズ市場に“カワイイ”が帰ってきました。しかし、大人がいま手に取るべきは、かつての「甘さ」をそのまま繰り返すことではありません。求めているのは、甘さに知性と物語を宿した、進化した“カワイイ”です。「WWDJAPAN」12月15日号は、「“カワイイ”エボリューション!」と題し、来る2026年春夏シーズンのウィメンズリアルトレンドを徹底特集します。