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堂々と、丸々としたお腹を見せる妊婦たち

 妊婦といえば先日、「グッチ」のファッションショーでも臨月のルー・ドワイヨンが堂々と、丸々としたお腹を見せておりました。ジャケットのラペルを広げて胸を隠し、お腹はボタンを留めずに全開!そんなスタイルでした。足元は、プラットフォームではありましたがヒールです。パパラッチはもちろん他のセレブも皆、「素敵なお腹だね!」と写真を撮っていたのが印象的です。もちろん、皆がそうなる必要はありませんが、「時代は変わったなぁ」と思いました。

 SNSでも、臨月の姿をありのままに撮影した写真を頻繁に見かけるようになりましたね。となると、出産間近には特別なファッションやビューティのニーズが芽生えるのではないか?そんな妄想が膨らみます。

「WWDJAPAN」編集長
村上 要
NEWS 01

リアーナの“型破り”なマタニティーファッションが持つ影響力とは 5月に第一子誕生

 これまで9つのグラミー賞を受賞し、世界的影響力を持つ歌手でありつつ、ファッションやビューティブランドを持つ起業家でもあるリアーナ(Rihanna)。2022年1月にラッパーのエイサップ・ロッキー(A$AP Rocky)との第1子を妊娠していることを公表して以来、クロップトップやシースルーアイテムを取り入れ、積極的にお腹を見せる斬新なマタニティーコーデで話題をさらっていた。海外メディアなどによれば、5月13日に出産したようだ。お腹をカバーするマタニティーコーデが主流だったことに対して、大胆に“魅せて”いくあり方を示したリアーナ流マタニティーファッションの影響力を考える。

 22年1月に、初めて大きなお腹で公の場に登場した際には、「シャネル(CHANEL)」のビンテージだというビビッドピンク色のダウンコートを前開きで着用した。複数のファッションECサイトからセールアイテムを一覧できるサービスを提供する「ラブ・ザ・セールス(LOVE THE SALES)」は、その後48時間でキーワードの検索数が、“ピンク ダウンコート”が312%、“パールネックレス”が81%、“ブルー ダメージジーンズ”が562%上昇したと発表した。

 パリ・ファッション・ウイークで「ディオール(DIOR)」のショーに参加した際は、同ブランドのシアー素材のベビードレスを選択。「オフ-ホワイトc/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH以下、オフ-ホワイト)」のトリビュートショーにも、同ブランドのレザードレスを着用して出席した。「ヴォーグ(VOGUE)」の4月号では、赤いレースのボディースーツを着て表紙を飾った。同ルックにより、2時間で“レース ボディースーツ”の検索数が191%上昇した。

 リテール業界の分析を行う会社エディテッド(EDITED)は、リアーナの“型破り”なマタニティーファッションは、ブランドや小売店が妊婦向けのベーシックなアイテム以外にも、「お腹の膨らみを強調するスタイルを販売する機会」を生み出していると述べる。同社によれば、すでにクロップトップの取り扱いは前年と比ベて1084%増加し、それに合わせてレギンスや体のラインが出るスカートの需要が増えていると言う。これらはY2K(2000年台のリバイバルファッション)のトレンドにインスパイアされたベビーTシャツや、ローライズのボトムスとも融合したトレンドになっている。

 ほかにも、肌見せを積極的に取り入れたマタニティースタイルの影響で、シアー素材の需要が増している。エディテッドによると、メッシュ加工が施されたトップスやドレス製品は208%増加。多くのブランドが、体のラインが出るシルエットだけでなく、袖部分や首元にシアー素材を取り入れた商品の開発に乗り出している。これまでヌードカラーやニュートラルカラーがマタニティーファッションの主流であったが、黒いマタニティーウエアの需要は6%減となった。一方、アメリカとイギリスにおけるマタニティー市場の8%で、グリーンが人気カラーのトップ8に食い込んだ。ワンピースやトップスにおいては、ピンクやブルーも人気だという。

 中でも注目なのが、ジーンズ業界への影響だ。すでに「ラジャンス(L’AGENCE)」「セザンヌ(SEZANE)」「ハッチ(HATCH)」といったブランドが、マタニティーのジーンズコレクションを展開。快適で伸縮性のあるレギンスは依然として定番アイテムであるが、エディテッドは、1月1日〜4月10日の期間中にマタニティー関連の小売りで販売されたボトムスの21%がジーンズだったと発表。前年の同期間中と比べ、マタニティージーンズの需要は25%増加したという。なお、同期間中におけるレギンスの需要は22%から20%に減少した。

 一方で、Z世代を中心に盛り上がりを見せるY2Kトレンドのアイテムが、マタニティーウエアでも人気となるかどうかについて、エディテッドはやや慎重な見解だ。「リアーナが妊娠を公表した時にはいていたローライズのバギージーンズはアイコニックだったが、まだ(妊婦の間で)普及はしていない。ストレッチ機能のあるスキニーでスリムなスタイルが、マタニティーファッション市場では依然として人気が高い。腰履きできるバギージーンズは実用的ではないかもしれないが、そのゆったりとした着心地がマタニティーウエアを新しい方向性に導く可能性を秘めている」と分析した。

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NEWS 02

藤原ヒロシが家族型ロボットLOVOTを手掛けるベンチャー企業GROOVE XのCCOに

 家族型ロボットLOVOT(らぼっと)を販売するロボットベンチャーのGROOVE X(東京、林要社長)のチーフ・クリエイティブ・オフィサー(CCO)に藤原ヒロシが就任した。5月26日付の人事で、藤原が最高責任者職に就くのはキャリア初。藤原はプロダクトデザインはもちろん、国内外のLOVOT事業全体のクリエイティブや、企業やブランドとのコラボレーションを担当するという。

 藤原は、「前澤友作さんにLOVOTを紹介され、『何これ?こんなに不思議なものが?』と思い、その場でCCOを引き受けた。LOVOTは機械なのにほのかに温かく、生き物のようで何気にそっけない。僕にとっても、今では最高の友だ。ブランディング、コミュニケーションを中心にLOVOT事業全てに携わり、国内外多くの方にLOVOTを届けたい」と話す。

 なおGROOVE Xは5月26日、新モデルLOVOT 2.0の受注を公式ウェブストアと全国の高島屋の店舗で開始した。最大の変化は、これまでデュオ(2体セット)のみの特徴だったLOVOT同士で遊ぶ動作が、ソロ(単体)でも複数体集まることで可能になった点。同社は、「これによってお客さまとのコミュニケーションがより豊かに進化した」と説明する。またネスト(充電ステーション)がコンパクトになり、静音性も向上した。価格は従来機と変わらず税込34万9800円で、別途月額サービス費が必要となる。

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最新号の読みどころ

「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反した性質はどんな文脈から生まれているのでしょうか。