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商標獲得、おめでとう!

 4年越しで、限定的とはいえ、ヴァージル ・アブローが残したアイコニックなデザインが商標として認められたのはうれしいですね。これはつまり、米国でこのレッドジップタイがついたスニーカーは、「オフ-ホワイト」だと一般に認知されていることの証明です。それってなかなかすごいことです。

 ありふれた、しかも機能性のあるものを使ったがために苦労しましたが、その“ありふれたもの”に独自の解釈を加え、価値に変える“魔法”は、ヴァージルの真骨頂だったと思います。彼が生み出したデザインは、コピーの嵐から守られ、この先も生き続けていくことでしょう。

「WWDJAPAN」副編集長
小田島 千春
NEWS 01

「オフ-ホワイト」のジップタイ商標 4年の攻防の末、限定的な登録が認められる

 米国特許商標庁は3月29日、「オフ-ホワイトc/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH以下、オフ-ホワイト)」のアイコンともいえる“レッド ジップタイ”の商標登録を認めた。2018年7月の申請から約4年、当初の出願内容を修正し協議を重ねた結果の登録承認となった。

 商標は登録時に分類を指定しなければいけない。「オフ-ホワイト」は出願当初、ハンドバッグや財布、バックパックが含まれる18類とトップスやボトムス、ヘッドウエア、フットウエアが含まれる25類を指定することで、「オフ-ホワイト」が展開するほぼすべてのアイテムをカバーしようとしていたが、最終的には①赤いジップタイであること、②履物に使用すること、③ジップタイを提出した図面の位置(“タン”とアッパーが接する部分でシューレースに取り付ける)に取り付けることとして、出願範囲を限定したことで登録が認められた。

 審査を行った米国特許商標庁は当初、ジップタイが機能的であることなどを理由に登録を拒絶していた(米国では原則として機能的な商標は登録を認めないとされている)。これを受けて「オフ-ホワイト」側は“レッド ジップタイ”は機能として必要なものではなく、出所を明示するためのもので、“レッド ジップタイ”がいかにブランドのシグネチャーデザインになっているかを主張し続けた。これに対して米国特許庁もアマゾンで売られている一般的な赤い“ジップタイ”を例に挙げ、「識別力のないプロダクトデザイン」であると反論し、“レッド ジップタイ”が機能なのか、「オフ-ホワイト」のアイテムだと識別するためのデザインなのかという点が大きな争点となった。

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NEWS 02

「リーバイス」×「ヒューマン メイド」 1944年製の“501”と“506トラッカージャケット”を再構築

 「リーバイス(LEVI’S)」は、「ヒューマン メイド(HUMAN MADE)」とコラボレーションした商品を4月7日に発売する。「ヒューマン メイド」デザイナーのNIGO®が「リーバイス」のアーカイブの中から、1944年製の“501”と“506トラッカージャケット”(通称、ファースト)の2型をセレクトし、「ヒューマン メイド」らしいアレンジを加え、共にメード・イン・ジャパンで再提案する。価格は“501”が税込3万7400円、“506トラッカージャケット”が6万2700円だ。

 “506トラッカージャケット”には、15オンスのセルビッジデニムを使用する。背面に「ヒューマン メイド」とリーバイ・ストラウス(LEVI STRAUSS & CO.)のロゴ、さらに今回のコラボのために特別にデザインした「ヒューマン メイド」のアイコンであるカモを刺しゅうする。翼を広げたカモのグラフィックは、「リーバイス」のシンボルであるジーンズのバックポケットに施す“アーキュエイトステッチ”をイメージしたもの。また、右の翼の先端の赤は「リーバイス」の“レッドタブ”へのオマージュだ。

 キャンペーンビジュアルもNIGO®のディレクションによるもので、本人がモデルも務める。撮影は1901年に開館した、近畿地方に現存する最古の芝居小屋である「出石永楽館」(兵庫県)で行った。

 NIGO®は、「リーバイス」の世界的コレクターとしても知られる。昨夏、自身のアーカイブから選んだ“501”と“507トラッカージャケット”(通称、セカンド)を「リーバイス」と忠実再現した商品を販売した。

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最新号の読みどころ

「WWDJAPAN」2024年6月17日号は、“グランパコア”というキーワードを軸に、メンズのリアルトレンドを特集します。“おじいちゃんの着古した服を借りてきた”ようなスタイルの“グランパコア”が今、どのように広がっているのか。セレクト各社やアパレルメーカーの展示会取材を通して背景を考察するほか、各ブランドの24-25年秋冬の推しスタイルを通して見えてくるリアルなトレンドを紹介します。