Fashion. Beauty. Business.
これからの資本主義
経営者には哲学的思考も必要だと思うのですが、ファッション業界で私が“哲学的”と思う経営者の1人がブルネロ・クチネリです。彼の経営は、彼の会社で働く人やイタリア・ソロメオ村に住む人を幸せにするために行われている感じがするんです。ソロメオ村でモノ作りをし、工場を建てて雇用を増やすだけでなく、畑や公園も造園して、村ごと復興させてきました。次は図書館のようですね。
ちょうど先日、ドイツの哲学者、マルクス・ガブリエルの「つながり過ぎた世界の先に」を読んだばかりで、“倫理資本主義”という言葉に納得していたところ。それを語るだけでなく、実践しているのがすごいなと改めて思いました。“倫理資本主義”、これからの時代のキーワードだと思います。
ブルネロ・クチネリがローマのG20サミットに出席 「人類のために」スピーチ
自身の名を冠したブランドを持つ創業者兼デザイナーのブルネロ・クチネリ(Brunello Cucinelli)は31日、ローマの主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に出席した。同会議では、世界の環境・気候問題、新型コロナウイルスのパンデミック、世界の回復支援措置をテーマに各国家政府が語り合った。
クチネリは、G20サミット議長国であるイタリアのマリオ・ドラギ(Mario Draghi)首相に招待され、参加。「環境保護・気候変動との戦いにおける公共と民間の協働」をテーマにしたイベントの冒頭を飾るスピーカーとして、“人間らしいサステナビリティと人道的な資本主義”について語った。ほかにも、ウェールズ公チャールズ皇太子(His Royal Highness The Prince of Wales)が当日はスピーチした。
クチネリはスピーチで「サステナビリティやこれからの資本主義の形について、情熱を込めて仕事や人生で取り組んできたし、今も関心を持っているテーマ。調和の取れた世界を取り戻すことがなぜ大事であるかを世界各国の首脳に呼びかけることができて光栄だ」と述べた。締めの挨拶では「世の中を構築する力と影響力を持つ各国の首相の皆さま。世界が良いところで、美しく在るべきための責任を担うからこそ、どうか歩むべき正しい道を提示してほしい。クリエイティビティーが私たちを守り、新しい普遍的なヒューマニズムに導きますように」と訴えた。
同氏はほかにも、ブランドのゆかりの地であるイタリアのソロメオに哲学や建築、文学・詩、クラフトマンシップの5つを主に扱う図書館の開設を計画中。教養とともに文化を育む場所作りに乗り出した。20年には、新レーベル“ブルネロ クチネリ フォー ヒューマニティ(Brunello Cucinelli for Humanity)”を設立した。レーベルでは店頭で売れ残ったアイテムをギフトにする取り組みを提案。そういった商品はセールして売り切るのが一般的だが、クチネリは「人類を支援するプロジェクト」として新たな試みを続ける。
ZOZO 610(武藤貴宣)の喜び溢れるファッション人生^_^ Vol.1 親はゆるく、楽しそうに働いていました
座右の銘は「鳴かぬなら 笑わせてみせよう ホトトギス」。ZOZOTOWN立ち上げメンバーで、出店ブランドの営業部門を統括する武藤貴宣氏が、ファッションへの愛と明るい未来について、ゆるく語ります。
こんにちは。僕がこれまでファッション業界で働いてきて経験したこと、ファッションの魅力について、ゆる〜くではありますが、これからしばらく語っていきたいと思います。突然ですが、僕はファッションが大好きで、ファッションでもっと世界が幸せになればいいなと考えています。この連載では、そのヒントになるようなディスカッションもできたらと思っているので、どうぞよろしくお願いします。
そもそもなぜファッションが好きなのか。それは両親からの影響が大きいです。僕は岐阜出身なのですが、岐阜って結構、糸偏の仕事が多いんです。父も母も親戚も、周りにそういう糸偏の仕事をしている人が多かったので、自然と洋服に囲まれた生活をしていました。
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「クワイエット・ラグジュアリー」の静寂を破り、2026年春夏のウィメンズ市場に“カワイイ”が帰ってきました。しかし、大人がいま手に取るべきは、かつての「甘さ」をそのまま繰り返すことではありません。求めているのは、甘さに知性と物語を宿した、進化した“カワイイ”です。「WWDJAPAN」12月15日号は、「“カワイイ”エボリューション!」と題し、来る2026年春夏シーズンのウィメンズリアルトレンドを徹底特集します。
