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ライフスタイル企業ではなく……

 「無印良品」の記事をついピックアップしてしまうのですが、彼らは生活者に寄り添うのが本当に上手。今回は防災グッズです。商品開発や価格にいろんなメッセージが読み取れますね。なんていうか、頼もしいです。

 この頼もしさ、彼らの活動にも一貫しています。町おこしや給水、古着を染め直して販売など、社会や地域、環境保全に貢献することに軸足を置いた姿勢も、やはり頼もしいです。災害発生時にはボランティア活動をする社員には特別有給休暇で支援。今回のは本当に困ったときのお助け隊です。そうやって地域や社会のライフラインになっていけば、何があっても倒れない企業になるんだろうなと思いました。

「WWDJAPAN」副編集長
小田島 千春
NEWS 01

「無印良品」、防災プロジェクトを拡大 社員の災害ボランティア参加を有給に

 9月1日の防災の日を前に、また近年自然災害が各地で増えていることや企業のESG面へのコミットメントに注目が集まっていることなどを背景に、ファッションや小売りの関連企業でも防災関連の取り組みを打ち出す企業が大手を中心に出てきている。代表例の一つが「無印良品」の良品計画だ。同社は一部店舗で自治体と組んだ防災ワークショップなども既に実施しているが、そうした防災プロジェクトの活動を拡大する。

 物販では、日常生活でも使えて、災害時にも役立つアイテムとして販売している「いつものもしも」シリーズのセット商品をリニューアルする。マスクや絆創膏、ハンカチなどが入った“携帯セット”は1690円から990円に値下げ。ほか、“持ち出しセット”(3990円)、“備えるセット”(5490円)も内容やパッケージを刷新した。ポケットを11個つけた“着るバッグ”コート(6990円)なども新商品として「いつものもしも」シリーズに加えた。

 物販以外の面では、防災意識を高めるために9月の1カ月間を「いつものもしも」月間とし、店頭やアプリ、SNSで防災情報や避難についてのコンテンツを積極的に発信。また、企業や学校、集合住宅などに必要な防災用品などを提案する法人向けサービスも8月26日から開始した。

 災害発生時に社員やスタッフが公募でボランティア活動に参加する「災害ボランティア制度」も9月からスタートする。一般社団法人災害時緊急支援プラットフォーム(以下、PEAD)と連携し、まずは72人がPEADにボランティア登録した。ボランティアに参加する社員(アルバイトは含まず)には特別有給休暇を付与し、企業として社員の活動をバックアップする。

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NEWS 02

ユニクロが災害時に必要な「服の備え」をリスト化 防災の日には紗栄子を招いたラジオ番組も放送

 ユニクロは9月1日の「防災の日」を前に、災害避難の際に役立つ「服の備えチェックリスト」を公式ホームページのサステナビリティ専門ページ内で公開した。また1日には、災害支援活動を積極的に行っているモデル・タレントの紗栄子さんや山村武彦防災システム研究所所長をゲストに招いたラジオ番組「TOKYO FM×ユニクロ『防災の日 特別番組 〜考えよう、服の備え〜』も放送する。

 ユニクロは今年2月に、全国の20〜60代男女2400人を対象に「災害時の備え」に関するインターネット調査を実施。その結果、「86.2%が日ごろから防災を意識しているが、災害時避難のための『服の備え』を行っているのはわずか14.7%だった」「避難経験者の4人に1人以上が『避難時に足りなかったもの、あったらよかったもの』として衣類をあげた」(発表資料より)。一方で、避難所の設置や運営、被災者支援を担う自治体に書面でアンケート調査を行った(7月)ところ、「回答のあった927の自治体のうち、マスクを除く衣類の備蓄を行っているのは18.2%に留まっていた」という。こうした調査より「個人および自治体ともに、避難時に必要とされる『服の備え』は十分とは言えない」としている。

 調査結果を受け、「服の備えチェックリスト」では、災害発生時から支援物資が届くまでの数日間に必要な衣類をリスト化。どういった服が何枚必要なのか、「ユニクロ(UNIQLO)」の商品ではどれがそれに当てはまるのかを公表している。

 ユニクロでは全国約810の店舗網を生かし、これまでも災害時には服を通じた被災者支援を実施。海外の災害にも緊急支援を行ってきた。今後は、日本全国の自治体と災害時の物資供給協力に関する協定を順次締結していく予定。9月1日のラジオ番組は、20時30分〜21時に放送予定。

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最新号の読みどころ

「クワイエット・ラグジュアリー」の静寂を破り、2026年春夏のウィメンズ市場に“カワイイ”が帰ってきました。しかし、大人がいま手に取るべきは、かつての「甘さ」をそのまま繰り返すことではありません。求めているのは、甘さに知性と物語を宿した、進化した“カワイイ”です。「WWDJAPAN」12月15日号は、「“カワイイ”エボリューション!」と題し、来る2026年春夏シーズンのウィメンズリアルトレンドを徹底特集します。