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共学は大事だけど、女子会も楽しい
最初のニュースは“前澤ファンド”がフェムテックに出資というニュース。ビジネスはもちろん、フェムテックというマーケットや認知拡大のチャンス到来で、創業者は「(今は)どうしても閉鎖的で“女子校感”が漂いますが、今後は、友人やパートナーとも考えていけるような“共学”のようなテーマにしたい」と意欲的です。個人的にも年末は、差別どころか存在さえしていないように軽んじられてきた女性たちに関する書籍を読み、「学ぶ」って大事と痛感したところ。女子校が共学になればいいですね。とはいえ、「セックス・アンド・ザ・シティ」の“女子会”感も楽しいもの。人間とは、どこまでもアンビバレントで多面的です(笑)。
“前澤ファンド”がフェムテック企業メデリに出資 “女子校感”から“共学”なテーマに
フェムテック事業を行うメデリ(MEDERI)が、ZOZO創業者で、スタートトゥデイ社長で実業家の前澤友作氏が設立した“前澤ファンド”「10人の起業家に100億円」出資企画に選出された。出資額は非公表。
メデリの坂梨亜里咲代表は、自身の不妊治療の経験をきっかけに起業。2020年春に、医師や専門家の監修のもとに妊娠や出産に関わるサービスを展開するウーマンウエルネスブランド「ウブ(Ubu)」をスタートし、妊娠に必要な栄養を厳選したサプリメントや、感染症や妊娠に影響があるとされる膣内の菌の状態を自宅で簡単にチェックできるキットを展開している。
今回の企画について「女性向けの健康サポート事業を行っていくなかで、男性や社会の理解が必要だと実感していました。”前澤ファンド”のことは、前澤氏のTwitter投稿で知り、応募に至りました。女性の健康・活躍は女性だけの問題ではありません。より多くの方に、自分の体に興味を持ち、早期に知ってもらいたいという強い思いがあります。メデリを通して、女性をエンパワーし、女性の可能性を広げていきたいです」(坂梨代表)。
“前澤ファンド”は、「社会課題の解決」や「趣味の追求」を事業テーマに掲げる起業家や団体に対して、前澤氏の個人資産をもとに総額100億円規模の出資を行う株式会社として設立。今回の出資先として決定したのは、「ひとり親の養育費保証事業」「ペットを幸せにする事業」「自宅で健康チェック事業」などの13の事業領域(計14社、自社事業含む)で、坂梨代表は、唯一の女性起業家だ。
前澤氏は、経営株主に近い立場で各社の経営に携わるという。前澤氏からメデリへのコメントは以下の通り。「男性にはない女性特有の悩みを、家でできる女性ホルモンチェックの結果に応じて解決するビジネスということで、内容を理解するまでに少々時間がかかりましたが、今となっては理解も深まり、むしろそうした女性特有の悩みはパートナーなど男性側もそれなりに知っておくことで、協力しあって解決できたらすばらしいな、と思うに至りました。同時に女性にもっと優しくしないとなぁとも思いました(笑)」。
今後メデリは、自宅でできる女性ホルモンチェック事業に注力し、不妊対策だけでなく女性のライフステージや体の変化に寄り添うサービスを強化していくという。「女性ホルモンチェックの結果に応じて、PMSや更年期障害の不調や不妊対策など女性一人一人にパーソナライズされた健康サポートを行ないます。これは今までにない習慣であり、普及し定着するには険しい道のりかもしれません。不妊やホルモンに限らず、フェムテック領域に関する日本人の知識はまだまだ低い。どうしても閉鎖的で“女子校感”が漂います。今後は、友人やパートナーとも考えていけるような“共学”のようなテーマにしていきたいですね。ホルモンチェックが一人でも多くの女性に自分の体調に興味を持つきっかけとなり、結果的に本人だけでなく大切な人の笑顔につなげるために、事業に真摯に向き合い、新しい文化を創りたいです」(坂梨代表)。サービス開始は今春を予定する。
米国の2020年返品額は44兆円 小売売上高の10%
全米小売業連盟(National Retail Federation以下、NRF)と米データ分析会社アプリス・リテール(APPRISS RETAIL)の調査によれば、2020年の米国における小売りの売り上げは4兆378億ドル(約419兆9312億円)で、その10.6%に当たる約4280億ドル(約44兆5120億円)相当が返品された。ホリデーシーズンには、これが13.3%に増加したと見られている。
調査は20年10~11月に米国の主な62の小売店を対象に実施。返品率が最も高かったのはカーアクセサリーや修理工具など自動車用品の19.4%で、アパレルの12.2%、家庭用品の11.5%がそれに続いた。なお返品全体の5.9%に当たる252億ドル(約2兆6208億円)が詐欺によるものだった。
20年はコロナ禍の影響でECの売り上げが大幅に伸びたことから、返品率も高くなっている。ECの売り上げは5650億ドル(約58兆7600億円)だったが、その18.1%に当たる1020億ドル(約10兆6080億円)相当が返品された。またその7.5%に当たる77億ドル(約8008億円)が詐欺によるものだった。
NRFのマーク・マシューズ(Mark Mathews)調査開発および業界分析担当バイス・プレジデントは、「ECでの売り上げが大幅に増加したため、返品率も前年の倍以上となった。一方で、返品手続きを消費者とのつながりを深める機会だと捉えている小売店も多い。顧客の買い物体験を向上させる、新たなタッチポイントとして活用できるからだ」と語った。
小売店やブランドにとって、返品を素早く処理し、シーズン内に再び販売できるようにすることは非常に重要だ。作業を行う人員を増やすことでスピードアップを図るケースがほとんどだが、最新のテクノロジーによってECでもサイズを的確に選べるようにして、返品そのものを減らすことに取り組む企業も増加している。
「セックス・アンド・ザ・シティ」が復活 過去のファッション的名シーンをプレイバック
ワーナーメディア(WARNER MEDIA)は、同社の手掛けるストリーミングサービス「HBO Max」で、人気ドラマシリーズ「セックス・アンド・ザ・シティ(SEX AND THE CITY以下、SATC)」のリブート版を制作・放送する。リブートとはもともとのストーリーとは別に、新たに仕切り直して作品を作ること。「アンド・ジャスト・ライク・ザット...(And Just Like That...)」と題された新シリーズには、「SATC」のメインキャラクター4人のうち、キャリー役のサラ・ジェシカ・パーカー(Sarah Jessica Parker)やミランダ役のシンシア・ニクソン(Cynthia Nixon)、シャーロット役のクリスティン・デイヴィス(Kristin Davis)が出演する。キム・キャトラル(Kim Cattrall)演じるサマンサは物語に登場せず、30代頃よりもさらに複雑になった50代の友情模様や人生を描くという。
「SATC」は1998〜2004年にかけて放送された、ニューヨークを舞台としたドラマ。メインキャラクター4人の友情や恋愛事情を赤裸々に描いて大ヒットを記録し、映画化もされた。衣装は、映画「プラダを着た悪魔(The Devil Wears Prada)」やドラマ「エミリー、パリへ行く(Emily in Paris)」を手掛ける有名スタイリストのパトリシア・フィールド(Patricia Field)が担当。さまざまなデザイナーズブランドを取り入れたドラマのファッションも広く愛されており、キャリーが頻繁に着用したレタードネックレスや「マノロ ブラニク(MANOLO BLAHNIK)」のシューズ、オープニングシーンに使われたチュールスカートなど象徴的なファッションアイテムが誕生した。
また出演者のパーカーは、ドラマ終了後も自身が演じたキャリーに通じるファッションを披露してきた。例えば、1997年には肌の色に近いドレスでセクシーさへの自信を表現した通称“ネイキッドドレス”をまとって「VH1/ヴォーグ・ファッション・アワード(VH1/Vogue Fashion Awards)」に登場した。2019年9月にニューヨーク・シティ・バレエ団(New York City Ballet)が主催するイベント「フォール・ファッション・ガラ(FALL FASHION GALA)」に参加した際には、「ザック ポーゼン(ZAC POSEN)」によるボリュームのあるビビッドピンクのドレスに左右異なる色のハイヒールを合わせた。これは、キャリーが「クリスチャン ルブタン(CHRISTIAN LOUBOUTIN)」のピンクとブルーのハイヒールを履いたシーンになぞらえたものだ。
ここでは、そんな数々のアイコニックなファッションを生み出してきた「SATC」の名シーンを振り返る。
「クワイエット・ラグジュアリー」の静寂を破り、2026年春夏のウィメンズ市場に“カワイイ”が帰ってきました。しかし、大人がいま手に取るべきは、かつての「甘さ」をそのまま繰り返すことではありません。求めているのは、甘さに知性と物語を宿した、進化した“カワイイ”です。「WWDJAPAN」12月15日号は、「“カワイイ”エボリューション!」と題し、来る2026年春夏シーズンのウィメンズリアルトレンドを徹底特集します。