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AKB48グループの衣装を手掛ける茅野しのぶクリエイティブ・ディレクター 衣装へのこだわりやTGCとの新プロジェクトを語る


 AKB48グループの衣装制作やヘアメイクを行うオサレカンパニー衣装部は、東京ガールズコレクション(TGC)とコラボレーションしたファッションデザイナーを発掘・育成する新プロジェクト「ドリーム ランウェイ トウキョウ」をスタートした。受賞者は、9月に開催する「TGC 2015 AUTUMN/WINTER」でコレクションを披露することができるほか、オサレカンパニー衣装部から作品を発表する機会が与えられ、"未来のトップデザイナー"として支援を受けることができるというもの。現在も募集中で、締め切りは6月末まで延長している。

 「WWDジャパン」は、AKB48グループに所属する300人以上のアイドルの衣装を手掛ける茅野しのぶクリエイティブ・ディレクターに独占取材。6日に福岡のヤフオクドームで行われるAKB48の「第7回 選抜総選挙」を前に、衣装へのこだわりと新人発掘プロジェクトの狙いを直撃した。


WWDジャパン(以下、WWD):AKB48の衣装デザイナーになったきっかけは?

茅野しのぶクリエイティブ・ディレクター(以下、茅野):専門学校在学中からアイドル向け衣装スタイリストのアシスタントを始めました。秋元康さんがAKB48を設立し、このネット時代にあえて、会いに行ける劇場型アイドルを育てると聞き、「若いエネルギーを信じてやらせてもらいたい!」と自分から売り込みにいって採用されました。当初は制作着数が少なかったので、秋元さんが講師を務めていた京都造形芸術大学の学生がデザインしたものを、工場との間に入って、素材を決めたり、トワルを組んだりしていました。その後、2006年に「会いたかった」でメジャーデビューする際に、企画・デザインやアパレル素材の使用を本格的に担当するようになりました。

WWD:衣装をデザインする上でのこだわりは?

茅野:フリル、スパンコール、キラキラ、ヘソ出しといった一般的なアイドルの衣装を壊したいと思っていました。いかに、メンバーを身近に見せるかということで、テーマを制服にしました。AKB48は歌って踊るアイドルなので、腕が動きやすかったり、身体のラインがきれいに見えるパターンを採用して、工場からは「アイドルの衣装にここまでやらなくても」と言われるほど、こだわりは強く持っています(笑)。しかも、安っぽくは見せたくないので、選抜チームも研究生でもスタンスは一緒で、全員平等にフィッティングを行うことがポリシーです。本人のフィッティングでは、いわば聖徳太子状態です(笑)“360度どこから見てもかわいい”ということ、印象に残る衣装になるように意識しています。メンバーは一般の子たちでモデルではないので、それを踏まえてデザインします。衣装の調和を大事にしつつも、違和感が大切だと思っています。メンバーは、みな違った個性があるので、それを生かせるように調整する。例えば、板野友美がいた頃は、彼女の“今っぽい”雰囲気を表現するために、あえてスカートを短くしたり、小嶋陽菜はフェミニンな印象で、篠田麻里子はお姉さんぽくしたり、前衛的といった具合にデザインを変えています。

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