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東京ガールズコレクション的な、新しいto Cの古着ファッション・ウイーク

かつては圧倒的にアメリカでしたが、今、古着探しのメッカは日本、そして東南アジアに移っていると聞きます。記事にもある通り、日本は保存状態がよかったり、すでに存在する多くの古着ファンによって体系的に整理整頓されていたり、そして日本のブランドのかつてのアーカイブが価値を増していたりとさまざまな理由が存在します。

ゆえの古着ファッション・ウイーク。納得です。東京ガールズコレクション的な、新しいto Cイベントとして、ファッション・ウイークが定着するといいな。

「WWDJAPAN」編集長
村上 要
NEWS 01

初の古着ファッション・ウイークに約1.9万人来場 ワンオー松井社長が発案

東京クリエイティブサロン実行委員会は3月15〜17日、日本の古着文化やビンテージの価値を発信する「東京ヴィンテージファッションウィーク」を新宿住友ビル三角広場で初開催した。22日まで開催している国内最大級のクリエイティブの祭典「東京クリエイティブサロン」の公式イベントの一環。会場には100店舗におよぶ古着店が集まり、3日間で約1万8600人が来場した。

会場のフリーマーケットスペースには、古着大手の「ウィゴー(WEGO)」や「古着屋ジャム(JAM)」、原宿を代表する人気店「ベルベルジン(BERBERJIN)」など、古着好きなら一度は耳にしたことのあるショップが並んだ。さらに、ZOZOが提供するブランド古着のファッションゾーン「ゾゾユーズド(ZOZOUSED)」も出店。資源循環サービス「パスト(PASSTO)」も参加し、古着にまつわるさまざまなプレーヤーが一堂に会した。

スタイリスト原田学とeriによる
ファッションショーも

13日と14日には、古着だけを用いたファッションショーも開催した。13日のショーは、「一般的な古着店で流通するアイテム」をテーマに構成。希少なビンテージではなく、古着店で日常的に見かけるアイテムを使ったスタイリングを披露した。「アディダス オリジナルス(ADIDAS ORIGINALS)」のスリーストライプパンツや「ドクターマーチン(DR.MARTENS)」の10ホールブーツなど、古着店で見慣れたアイテムがスタイリングによって新しい表情を見せた。

スタイリングを担当したのは、人気スタイリストの原田学と、古着店「デプト(DEPT)」を運営するエリ(eri)。2人で25ルックを仕上げた。テーマは「街ですれ違ったら振り返ってしまうおしゃれな人」(エリ)。衣装は「ウィゴー」と「古着屋ジャム」が提供した。

古着だけでショー用のスタイリングを組む難しさもあったというエリは、「普段着の古着をどう“ショー映え”するスタイリングにできるかを意識した。かと言って、過度に演出することなく『あ、真似してみたいかも』と思ってもらえるようなフレンドリーさも欲しかったので、そのバランスを取ることに気を配った」と語った。

原田は今回のショーについて、「ジャンルや年代が全く違うビンテージウエアを自由に組み合わせることで、さまざまな着こなしができる楽しさを知ってほしい」と呼びかけた。

ショーを見た後、そのまま会場で古着を“ディグる”ことができるのも、このイベントの魅力だ。ショーで見たスタイルをヒントに実際に古着を探せる、ランウエイとフリーマーケットがつながる体験は、このイベントならではの楽しさといえるだろう。

古着は日本の財産 
世界にまだないファッションウィークを目指したい

同イベントの仕掛け人は、PRエージェンシー、ワンオーの松井智則社長だ。松井社長は、「東京クリエイティブサロンは、日本を世界5大都市ファッションウィークの一つにすることをミッションに掲げる。パリにはラグジュアリー、イタリアにはテーラード、ニューヨークにはビジネスという都市ごとの強みがある一方で、日本の財産はやっぱり古着だと思う。どの国よりも量が多く、物を大切にする価値観から保存状態も良い。ファッションショーも企画することで、日本独自のストリートカルチャーである古着をトレンドの発信源として提案したかった」と話す。

今回は、希少性や資産価値の高いビンテージだけでなく、日常的に楽しめるレギュラービンテージを扱う店を中心に声をかけ、古着好きのコア層に限らず、まだ古着に触れたことのない一般層にも開かれた入り口を意識したという。

松井社長は「新しいトレンドを発表する場と、古着として循環した服を楽しむ場。その両方が共存する、世界にまだないファッションウィークを目指していきたい」と展望を語った。

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NEWS 02

TASAKI HDでラグジュアリー復帰のリシャール・コラス社長 「和」のイメージで“ヨーロッパ・コンプレックス”を払拭したい

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PROFILE: リシャール・コラス/TASAKIホールディングス取締役 兼 代表執行役社長 グローバルCEO

リシャール・コラス/TASAKIホールディングス取締役 兼 代表執行役社長 グローバルCEO
PROFILE: 1953年、フランス・オード地方出身。75年にパリ大学東洋語学部を卒業後、在日フランス大使館儀典課を経て、79年にジバンシィに入社。81年、同社の日本法人の設立に伴い代表取締役に就いた。85年にはシャネルに入社し、93年には香港シャネルのマネージングディレクターに就任。95年にはシャネル日本法人代表取締役社長に就いて、2018年からは会長として、長年にわたり日本市場のブランド戦略と事業成長をけん引した。現在はイオンの社外取締役も務めている。TASAKIホールディングスでは、世界各地でのブランド戦略および成長戦略を統括し、日本発のラグジュアリーブランドのグローバル展開を推進する役割を担う PHOTO:SHUNICHI ODA

日本のジュエリーブランド「タサキ」を擁するTASAKIホールディングス(本社:兵庫県神戸市)は、3月16日付けでグループの経営体制を変更した。新しい経営トップは、「シャネル」の日本法人を長らくけん引したリシャール・コラス取締役 兼 代表執行役社長 グローバルCEO。田島寿一・代表執行役社長 CEOは、代表権のない会長となった。また日本におけるブランドビジネスを担うTASAKIのトップには4月1日付で、フェラガモ・ジャパンでトップを務めている小田切賢太郎・代表取締役CEOが就任する。パリのヴァンドーム広場に程近く「カルティエ」も本店を構えるラペ通りの旗艦店オープンを控える「タサキ」にとって、「シャネル」で長らく活躍したコラス社長をトップに迎えたのは理にかなっているが、数年ぶりの第一線復帰に驚いている業界人は多い。果たしてコラス社長は、なぜラグジュアリーの最前線に、しかも日本ブランドのトップとして戻ってきたのだろうか?社長に就任した当日、直撃した。(編集長 村上要)

WWD:今回、TASAKIホールディングスのトップを引き受けた理由は?

リシャール・コラス=TASAKIホールディングス取締役 兼 代表執行役社長 グローバルCEO(以下、コラス社長):昨年の12月ごろ、知人を介して、この仕事の紹介を受けた。創業一家とは食事をしたこともあり、仲良くさせていただいた。ブランドも旧知の存在で、日本では長らく存在感を発揮しているイメージ。叔父がオークラ東京で「タサキ」の真珠を扱っていたから、18歳のころから知っている。この会社は、パールファーム(真珠の養殖場)から、製造・販売に至るまで、“宝物”がいろいろある会社。投資会社(TASAKIは2017年、アジア系の投資ファンドのMBKパートナーズに315億円で買収され、上場を廃止。昨年には、アジアが拠点の投資企業ファウンテンベスト・パートナーズと日本の投資企業ユニゾン・キャピタルが買収した。買収価格は1000億円と見られている)との仕事は未経験だが、両社ともTASAKIへのリスペクトがあり、「この人たちとなら一緒に仕事ができる」と思った。共に根幹には「ブランドをエレベーションしたい。『タサキ』を日本で最初のインターナショナル・ラグジュアリー・ブランドにしたい」という思いがある。

WWD:日本法人を率いたあとは、スイスで「シャネル」のトラベル・リテール事業責任者に。その後は、イオンの社外取締役を務めている。

コラス社長:シャネルで働いて40年、スイス・ジュネーブに移る際に百貨店などのあいさつ回りをしていた中で、イオンの岡田元也・取締役 兼 代表執行役会長に「取締役会に入ってくれないか?」とのお誘いをいただいた。シャネルとイオンは全く違う業界に身を置いているが、岡田さんの考え方やビジョンは尊敬している。「シャネル」での経験が長かったから、最初は「ディスカウントなんてあり得ない!」とも思ったが(笑)、多くを学び、良い経験になっている。イオンでの仕事は、今後も継続する。妻は、私のことをマグロと例える(笑)。寝る時も泳いでいるマグロのように、イオンでもこれからも自分のアイデアなどを出していきたい。

WWD:率直に現在の「タサキ」をどう捉えている?

コラス社長:ビジネスの大半は、日本市場とインバウンド。中国での知名度は高いが、(今は現地のマーケットが軟調だから)日本のお客さまとのビジネスで頑張っている。日本のブランドとして誇らしいが、一方で私には“ヨーロッパ・コンプレックス”があるように見える。特に広告などで発信するイメージや売り場は、外資系ラグジュアリーに影響されている印象だ。私の仕事は、「タサキ」で日本のブランドであることの誇りを表現すること。売り場、広告・宣伝やPRを含めて、「和」がすごく重要だ。例えば販売スタッフは素晴らしい人たちばかりだが、彼らのユニホームなどは考え直しても良いだろう。

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最新号の読みどころ

「WWDJAPAN」4月6日号(vol.2466)は、これから新しい一歩を踏み出すフレッシャーズはもちろん、変化の激しい現代を生き抜く全業界人へ贈る、熱量たっぷりの「ファッション&ビューティ業界入門 2026」特集です。業界で働くとは、つまり「プロ」として生きていくこと。そのためにまず把握しておくべき「業界のアウトライン」を知るための最新データとエッセンスをぎゅぎゅっと凝縮しました。