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「超弦理論」を身につける

中学生の頃、美術の授業で描いた校舎の絵が「豆腐にしか見えない」と言われ、アートに対してトラウマを持つ私。それ以来、巧みな絵を描くアーティストは常に気になっており、中でも最近注目していたのがペインターのAICON氏です。作品を知ったきっかけはコラボレーションTシャツ。一見すると無機質な縞模様なのに、よく見るとその中に何かのモチーフが浮かんでくる。一筆書きのように描かれた線の、微妙な太さの違いによって起きる目の錯覚を利用したアート作品で、シンプルなのに奥深い作風が魅力です。

そうした作風が生まれたきっかけは「超弦理論入門」という、宇宙が誕生した理由を素粒子などミクロな視点で研究した本だそうです。そこからイマジネーションを掻き立てられたそうで、それがどうして縞模様につながったのかはAICON氏の頭の中をのぞいて見ないと分かりませんが、なんともアートですよね。

AICON氏がメーンビジュアルを担当した、アイウエア「ジンズ」の新シリーズが、12月21日に発売されます。日本の深遠な美意識を具現化したシリーズなのですが、第1弾は“一筆書き”をテーマにしたデザインで、チタン製のフレームが流れる一本の線に見えるように設計されています。記事内ではそのビジュアルを詳細に紹介しているのですが、“一筆書き”のテーマを見事に投影したデザインに、私は脱帽しました。しかも価格は1万9900円というお得感。“芸術の秋”は終わってしまいましたが、この冬、「超弦理論」のアイウエアを身につけようかな、と思っています。

「WWDJAPAN」 ヘッドリポーター
中村 慶二郎
NEWS 01

「ジンズ」が日本の深遠な美意識を具現化したシリーズを発表 第1弾は“一筆書き”がテーマ

アイウエアの「ジンズ(JINS)」は12月21日、日本の深遠な美意識を具現化したシリーズを新たに立ち上げ、その第1弾として“JINS IPPITSU(ジンズ イッピツ)”を発売する。4型8種をラインアップし、価格は1万9900円。一部の「ジンズ」店舗およびオンラインショップで取り扱う。

メガネの聖地、福井県鯖江市で制作した第1弾の“JINS IPPITSU”は、“一筆書き”をテーマにデザイン。日本を代表する浮世絵師葛 飾北斎の画集にも見られる芸術表現の、侘び寂びにも通ずるミニマルな美意識を表現した。装飾を施した華美なデザインとは対照的に、一筆書きのごとく、シンプルに削ぎ落とされ流れるようなフォームの美しさが際立つアイウエアだ。

フレームは、チタン製で全体が流れる一本の線のように見えるよう設計。厚みを 0.1mm単位で専用設計したリム、ブリッジから鼻パッドまでが切れ目なく一つになったパーツ、職人の手仕事を感じられる彫金など、細部に至るまで緻密に計算されている。これらのパーツが描く繊細な曲線は顔の輪郭に自然と溶け込み、同時に快適なかけ心地とフィット感を実現した。

さらに今回のメーンビジュアルには、今注目のペインターのAICON(アイコン)氏を起用。商品テーマである一筆書きを思わせる軽妙な筆致で描かれたビジュアルは、本商品が持つシンプルながら奥行きのあるデザインを彷ふつとさせる。

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NEWS 02

「レスポ」が直近10年で過去最高売り上げ プリントショルダーからの脱却目指す

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「レスポ―トサック(LESPORTSAC)」がブランド戦略の見直しを進めている。23年8月期(22年9月〜23年8月)の売上高は前年同期比23%増、コロナ前の19年度比では30%増。直近10年で最高の売上高となった。2024年春夏は、パルのセレクト業態「ガリャルダガランテ(GALLARDAGALANTE)」や、ベイクルーズグループの「イエナ(IENA)」のキッズライン、アルページュなどと別注企画を仕込み高感度層へのアプローチを強化する。

成熟した日本市場で再びブランドバリューを高められるか

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最新号の読みどころ

「クワイエット・ラグジュアリー」の静寂を破り、2026年春夏のウィメンズ市場に“カワイイ”が帰ってきました。しかし、大人がいま手に取るべきは、かつての「甘さ」をそのまま繰り返すことではありません。求めているのは、甘さに知性と物語を宿した、進化した“カワイイ”です。「WWDJAPAN」12月15日号は、「“カワイイ”エボリューション!」と題し、来る2026年春夏シーズンのウィメンズリアルトレンドを徹底特集します。