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元渋谷ギャルが設立する女子校に期待
同じ出版業界で働く身として、タイトルを読んで「すごいな」と感心しました。雑誌編集長を経て、起業して、自ら学校を設立するというバイタリティーも素敵ですし、そういう女性のもとで学ぶという選択肢がローティーンの女性たちに与えられたのも喜ばしいです。
通常の高校教育のほか、英語力やインフルエンス力、ビジネス企画力を育む授業も実施するとのことで、ホームページを見たら、現役で活躍するビジネスマンやインフルエンサーが講師として並んでいます。ここから世界で活躍する人材が輩出されるといいなと思います。
ギャル雑誌「エッグ」の元編集長が高卒資格を取れる“渋谷女子インターナショナルスクール”開校
キャスティングやプロモーション企画などを行うエムアールエーは、社会で役立つ実践スキルを身につけながら高卒資格を取得できる“渋谷女子インターナショナルスクール”を2023年4月に開校する。校長は同社の赤荻瞳・社長が務める。赤荻は、14年に休刊したギャル雑誌「エッグ(egg)」の復活に貢献し、18年から22年3月まで編集長を務めた。アンバサダーにはユーチューバーのくれいじーまぐねっとを迎えた。
同校では、世界で活躍できる企業家やクリエイター、インフルエンサーとなる女性の輩出を目指す。“グローバルインフルエンサー”“クリエイター”“起業家”“進学”の4コースを用意し、通常の高校教育のほか、英語力やインフルエンス力、ビジネス企画力を育む授業も実施する。定員は60名。
赤荻は同校開校の経緯について「中学生から渋谷に通い、高校生で渋谷のギャルサーに所属して、地元を超えて沢山の仲間に恵まれることができました。渋谷に来て素敵な出会いがあり、夢を叶えた私のように、今を生きる若い世代に夢や可能性を切り拓いていってほしい」とコメント。さらに「今後は校長という立場で、ギャルだけに限らず、入学する女子高生たちの夢の後押しをしていきたい」と続けた。
「リュウノスケオカザキ」は夢と現実の狭間を進む 感情を揺さぶるドレスの新章
岡﨑龍之祐のファッションブランド「リュウノスケオカザキ(RYUNOSUKEOKAZAKI)」は、渋谷区や渋谷周辺の施設が参加するイベント“渋谷ファッションウイーク”の一環で、23体の新作を集めたコレクション“001”のランウエイショーの映像を公開した。映像は27日に渋谷で開催したショーを収録したもので、当日はメディアや一部関係者を渋谷・桜ヶ丘の再開発地区に招待した。会場は工事が着々と進む物々しい雰囲気で、招待者はマスクも含めて全身真っ黒に指定されたドレスコードに身を包み、全員が黒いヘルメットも着用するという異様な空間。一見すると、“自然との調和”を掲げる「リュウノスケオカザキ」のクリエイションとは相反するムードに、期待と不安が入り混じる。
岡﨑デザイナーにとって、今回のショーは人生で2度目の経験だ。東京藝術大学大学院在学中からドレスを作り始め、卒業から半年後の2021年8月に文化庁の支援を受けて「楽天 ファッション ウィーク東京」で初めてのショーを開催し、学生時代からの作品も含めたコレクション“000”を披露。歩行のリズムに合わせて躍動するドレスが大きな反響を呼んだ。以降はファッションメディアに登場する機会も増え、「リュウノスケオカザキ」のドレスが「ヴォーグ ジャパン(VOGUE JAPAN)」の表紙を飾り、2022年の「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ(LVMH YOUNG FASHION DESIGNER PRIZE)」のファイナリストに選出されるなど、ファッション業界でのキャリアを着実に歩んでいる。
暗闇に浮かぶドレスの輪郭
今回は“001”と題し、昨年のショー以降に制作した23体の新作で臨んだ。漆黒の会場に強烈なライトが灯ると、暗闇の向こうからシンメトリックなドレスの輪郭が徐々に浮かび上がる。鮮やかな色彩の組み合わせや柄でテキスタイルが際立った“000”に対し、“001”は過度な装飾をそぎ落とし、ストイックに造形美に徹した印象だ。前回よりも軽やかで、肌の露出が多かったのは、リズミカルに動く巨大なドレスの内側に生じる空間にも焦点を当て、肌との余白もクリエイションの一部としてデザインしたからだろう。その分、軽量のチューブで描く曲がりくねった装飾や、ドレスの引き裾という“足し算”のデザインが一段と主張していた。フィナーレで23着のドレスが連続すると、まるで夢の中にいるような光景で、むき出しの鉄柱が並ぶ現実的な空間でさえ、多様な美しさを引き立てるセットのように調和していた。
岡崎デザイナーは、“001”でも物作りの根幹にある“祈り”と“自然との調和”を貫き、「手を動かし続けて初めて発見できるかたちや湧き上がる昂揚感」に向き合いながら、素材やフォームを通じて自身の造形への美学を表現したという。クリエイションの方向性はそのままに、生地についてさらに深く探求し、進化させることに挑んだ。また、物々しい工事現場も“自然との調和”なのだという。「服とこの場所は対極に見えるけど、人の生活の延長線上にできたものであれば、それも自然なのだと思う」。
ショーと同じく、「リュウノスケオカザキ」自身もまた夢と現実の狭間にいる。“000”が与えた衝撃は、おそらく本人の予想以上に大きかったはずだ。ファッション業界から注目を浴びれば浴びるほど、ビジネスについて本気で考えるタイミングが迫ってくる。「商品化はいつ?」と繰り返し聞かれたり、記者に囲まれたり、前回と比較されたり、シーズンごとに新作が期待されたりすることは、ファッションビジネスの世界では当然の“現実”なのだから。しかし例え現実に直面しても、岡崎デザイナーのルーツからにじみ出る、人の心を動かすクリエイションはこの先も揺るがないだろう。小難しい考察よりも、「きれい」「すごい」「かっこいい」というシンプルな直感を呼び起こす“夢”のドレスは、ビジネスになりすぎたファッション界を揺さぶる力がある。光に向かって歩み始めたばかりの26歳は、これからどう進化していくのだろうか。
「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反した性質はどんな文脈から生まれているのでしょうか。