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大型・複合店ならではのチャレンジ
ベイクルーズの大型店は、主要ブランドをぜ〜んぶ展開する規模感です。2号店の名古屋では、コスメも取り扱い。となると、スタッフの力量は今まで以上に問われます。ブランド横断、カテゴリー横断での買い物をショップの構造からもオススメするワケですから、「イエナ」の担当も「ジャーナル スタンダード」のことはもちろん、「ウィズム」の商品だってある程度把握する必要があるでしょう。大変そうだけど、楽しそうです。
4層の大型店は、もはやパルコと一蓮托生でもあるでしょう。パルコと共に、ラシック界隈や名駅に押されがちなエリアの盛り上げに一役買います。それもまた、ショップにとっては新たなチャレンジ。検討をお祈りします!
ベイクルーズが複合大型店2号店を名古屋パルコにオープン
ベイクルーズは、グループの複数ブランドを集積した複合大型店「ベイクルーズ ストア(BAYCREW’S STORE) 名古屋」を3月24日に名古屋パルコ南館の地下1階〜3階にオープンする。同業態での出店は、仙台市のエスパル仙台IIに続く2号店目となる。
広さは国内最大の約3300平方メートル以上の大型店で、「シティショップ(CITYSHOP)」や「ウィズム(WISM)」「レショップ(L’ECHOPPE)」などの東海地方初出店のブランドを含む20ブランドを集積した。地下1階はウィメンズ&家具フロアで、「ジャーナル スタンダード(JOURNAL STANDARD)」や「ジャーナル スタンダード ファニチャー」などの売り場。1階は「イエナ(IENA)」などのウィメンズブランドに加えて、新たに立ち上げたコスメセレクトブランド「ロー パー イエナ(L’EAU PAR IENA)」の売り場も初めて設ける。
2階はメンズ&雑貨フロア。フロア内のポップアップスペースでは、熊谷隆志と「レショップ」の金子恵治コンセプターがコラボした初のカプセルコレクション「+シー(+SEA)」を販売する。3階はメンズとウィメンズフロアとなっている。各フロアには、「ウーア(UHR)」や「ダイリク(DAIRIKU)」など、グループと親和性のあるゲストブランドの出店スペースも設けた。
オープンを記念して、地元の人々に長年愛されてきた台湾料理店「味仙」と「ジャーナルスタンダード」のコラボアイテムを企画した。
■BAYCREW'S STORE 名古屋
オープン日:3月24日
住所:愛知県名古屋市中区栄3-29-1名古屋PARCO南館
ファーフェッチの21年通期決算は34.8%増収 GMVは19年の倍に
ファーフェッチの2021年12月通期決算は売上高が前期比34.8%増の22億5660万ドル(約2595億円)、営業損失は前年の6億1981万ドル(約712億円)から4億7623万ドル(約547億円)へ、純損益は前年の33億1562万ドル(約3812億円)の赤字から14億7061万ドル(約1691億円)の黒字になった。流通取引総額(GMV)は42億ドル(約4830億円)に達し、19年の倍の規模に成長した。業績の発表を受け、株価は29.2%上がり、19.39ドル(約2229円)になった。
今年、ファーフェッチは他社との協業を積極的に進めている。ビューティ分野では、ラグジュアリーECのヴァイオレット グレー(VIOLET GREY)を買収。そのほか「リーボック(REEBOK)」提携し、アリババ(ALIBABA)との協業ではTモール(TMALL)への進出を果たした。
創業者のジョゼ・ネヴェス(Jose Neves)会長兼最高経営責任者(CEO)は、「パーソナルラグジュアリーグッズ市場は3000億ドル(約34兆円)規模だが、ファーフェッチの事業はそのわずか2%を占めるに過ぎない。同市場は25年までに5000億ドル(約57兆円)に達する見込みで、われわれの成長のポテンシャルも十分にある」と話す。
中でも期待を寄せるのが、「リーボック」とのパートナーシップだ。ファーフェッチ傘下のニューガーズグループ(NEW GUARDS GROUP 以下、NGG)はこのほど、「リーボック」の買収が完了間近にあるオーセンティック・ブランズ・グループ(AUTHENTIC BRANDS GROUP)と協業した。今後NGGは「リーボック」のヨーロッパ事業の代理店になるほか、50カ国以上で限定モデルを製造販売する。ネヴェス会長兼CEOは、NGGが「パーム エンジェルス(PALM ANGELS)」をたった4年でストリートウエア界のビッグブランドへと成長させたことを例に、「リーボック」でも同様の成長を実現できると自信を見せる。
また、競争が激しいラグジュアリーファッション市場において、パートナーシップは成功の鍵になると説く。「ラグジュアリーファッション市場の成長は著しく、競争も激化している。そこで無理に競争するよりも、いろいろな会社とパートナーシップを組んだ方がスマートだ。だからわれわれはほかの小売りを競争相手ではなく、パートナー候補としてみている」。
なお、22年のデジタルプラットフォームのGMVは28〜32%伸びると見込む。その肝となるのが、フルプライス(定価)販売だ。「ファーフェッチのマーケットプレイスにあるトップ10ブランドのうち、5ブランドはセールを撤廃し、フルプライスのみの販売戦略をとっている。同じグループのブラウンズ(BROWNS)も1年以上セールを開催していない。今後もフルプライスの商品の扱いを増やし、より健全なビジネスを目指す」。
「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反した性質はどんな文脈から生まれているのでしょうか。