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スーパーボウルから感じるアメリカ
北京冬季五輪で日本勢のメダルラッシュが話題になっていますが、アメリカでは2月13日にアメフトの「スーパーボウル」が開催されました。“アメリカ人がこの世で一番盛り上がるイベント”と言われる「スーパーボウル」ですが、今年の勝者に送られたトロフィーは「ティファニー」製だったそうです。アメリカの国民的祭りと、アメリカンラグジュアリーの代表格(昨年からLVMH傘下となりましたが)の組み合わせ。これ以上ないマッチ具合ですね。
大リーグのニューヨーク・ヤンキースを象徴するあの印象的な“NY”のロゴが、実は「ティファニー」によるものだということもファッション業界では結構知られたトリビアです。この組み合わせも、質実剛健で自由な感じがして、個人的に「これぞアメリカ!」という気持ちをおぼえて好きです。取りとめのない話になってしまいましたが、本日は日本に住んでいるとやや縁遠く感じる「スーパーボウル」について、以下2本の記事で是非キャッチアップしてみてください。
「ティファニー」のシルバー製トロフィーがスーパーボウルの勝者を祝福
第56回スーパーボウルで勝利したロサンゼルス・ラムズ(LOS ANGELES RAMS)を、「ティファニー(TIFFANY)」製トロフィーが祝福した。「ティファニー」が同トロフィーを制作するのは、1967年の第1回スーパーボウル以来55年目。
キックポジションのボールを模した同トロフィーは、スターリングシルバー製で高さ約56cm、重さ約3.2kg。エングレービングから研磨まで職人の手作業によるものだ。デザインの原案はオスカー・リーデナー(Oscar Riedener)元ティファニー ヴァイスプレジデントによるもので、66年に当時NFLコミッショナーだったピート・ロゼール(Pete Rozelle)と会談した際、ナプキンに描いたスケッチがベースになっているという。
ケンドリック・ラマーは「LV」、ドクター・ドレーは「トム フォード」 スーパーボウルのハーフタイムショーで披露した華麗なる衣装
米最大のスポーツイベント「第56回スーパーボウル(Super Bowl 2022)」が、カリフォルニア州ロサンゼルスのソーファイ・スタジアムで2月13日(現地時間)に開催された。「スーパーボウル」は例年、前後半の間に行われるハーフタイムショーにも注目が集まることで知られている。今年はドクター・ドレー(Dr. Dre)とスヌープ・ドッグ(Snoop Dogg)、メアリー・J. ブライジ(Mary Jane Blige)、エミネム(Eminem)、ケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)というUSヒップホップシーンを代表する5人が出演した。
過去に出演したアーティストの多くは、晴れ舞台にふさわしい華麗な衣装をまとってきた。ドクター・ドレーは全身ブラックのシンプルな「トム フォード(TOM FORD)」でステージに登場。スヌープ・ドッグは「デス・ロウ・レコード(Death Row Records)」のブリンブリンを首からたらし、自身が過去に所属していたロサンゼルスが拠点のストリートギャング、クリップス(Crips)を想起させる青いバンダナ柄のトラックスーツに身を包んでいた。エミネムはキャップの上からフードを被り、ブラックデニムに「ジョーダン ブランド(JORDAN BRAND)」の“エア ジョーダン 3(AIR JORDAN 3)”を合わせるという、ラッパーのステレオタイプのようなスタイル。しかしこの“AJ3”は、実はこの日のために製作された1点モノだった。過去にエミネムと「ジョーダン ブランド」が製作してきたコラボモデルの中には、リセールサイトで数百万円の値が付くほどの人気作もあるだけに、もし流通すれば1000万円の大台を超えるだろう。
一方、ケンドリック・ラマーはかねてから親交が深かった故ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)への敬意も込め、ヴァージルが生前最後に手掛けた「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」2022-23年秋冬メンズ・コレクションのブラックスーツを着用した。このスーツはケンドリック用に特別に仕立てられたもので、ゴールドのブローチやボタンが所々にあしらわれているほか、グローブとブーツも同ブランドのものだった。紅一点のMJBは、これぞ「スーパーボウル」といわんばかりのきらびやかなステージ衣装に身を包み登場。彼女の衣装は、「ロベルト カヴァリ(ROBERTO CAVALLI)」でクリエイティブ・ディレクターを務めていたピーター・デュンダス(Peter Dundas)が手掛けたもの。反射素材を斑点模様のようにレーザーカットすることで、ユキヒョウを表現したという。
なお試合は、ロサンゼルス・ラムズが23対22でシンシナティ・ベンガルズを下し、22年ぶり2度目の制覇となった。
「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反した性質はどんな文脈から生まれているのでしょうか。