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サブスクは販売の敵?
「これは実によくできたサービス!」。そんなふうに感じたのが、バッグメーカーのエースによる就活バッグのレンタルサービスです。詳細は下記のリンク1本目の記事をご覧ください。
サブスクやレンタルに参入する企業が増えていますが、最初は社内で「サブスクをしたら商品が売れなくなる」と批判が出るケースも多いそうです。でも、私もいち消費者としてとあるファッションのサブスクを体験して思いましたが、サブスクやレンタルによってブランドを初めて知る、そこから購買につながる、ということも期待できるんですよね。
記事にもある通り、就活バッグのレンタルでエースの商品の丈夫さや使い勝手のよさを知った学生は、社会人になってバッグを買う際に、選択肢の1つとしてエースを思い出してくれるかもしれません。そうなればしめたものです。この導線の引き方はお見事ですし、他社にとってもヒントに溢れているなと感じました。
バッグのエースが就活生向けのバッグレンタルサービスを開始
バッグとラゲージメーカーのエースは7月26日、就活バッグに特化したレンタルサービス「カバレント(KABARENT)」を開始した。学生が就職活動期間のみ使用するリクルートバッグを貸し出すサービスで、利用開始時に5500円を支払うことで、1万1000円相当のバッグを最長1年半レンタルすることができる。返却時にはエースのオンラインストアで利用可能な5000円分のクーポンを配布する。
レンタル対象のバッグは同社の採用担当や若手社員の声を反映して開発した新作で、メンズ2型、ウィメンズ2型の4種。床においても自立する構造をはじめ、書類や筆記用具を整理できるポケット、肩がけできるショルダーベルトの付属などにこだわり、バッグメーカーならではの配慮が凝らされている。返却後のバッグは自社の工場でクリーニング、リペアを行い、繰り返し貸し出される予定だ。エースは長年スーツケースのレンタル事業を行っており、コロナ禍前の2019年には年間1万3000本を貸し出していた実績がある。
エースの企画担当者は「コロナ禍でオンライン面接が増えている背景から、数少ないリアル面接や入社式のために就活バッグを購入することに抵抗感を持つ学生が増えていることが分かった。購入しても家での置き場に困り、廃棄をしてしまうという声も聞き、レンタルサービスでSDGsに貢献できるのではないかと考えた。また、当社は年配層のブランド認知度は高いが、若い顧客とのタッチポイントが作れずにいた。返却時に配布する5000円のクーポンで、卒業旅行用のラゲージや就職後の通勤バッグを購入いただくなど、レンタル後も継続して利用いただけたらうれしい」と話す。
ポーラと結婚相談所ツヴァイが協業 美の提供で婚活会員をサポート
ポーラは、エステやカウンセリング、化粧品販売を融合したビューティショップ「ポーラ ザ ビューティー」と、業界最多の全国50店舗の結婚相談所を運営するツヴァイと協業する。ポーラは顧客の中で婚活を希望する未婚女性にツヴァイを紹介し、ツヴァイは婚活会員の中で自分磨きに興味がある女性にポーラを紹介するスキームを組む。ツヴァイが出会いの機会を提供することでポーラ顧客のライフスタイル拡充を支援、また美容スタッフに気軽に相談できる仕組みを設けることで、婚活会員のお見合いや交際をサポートし成婚につながるよう支援していく。
「ポーラ ザ ビューティー」は、「ポーラ」の最新アイテムが気軽に試せるほか、美容のスペシャリストである“ビューティーディレクター”を配置し、顧客の肌状態に合わせた最適なお手入れを提案するカウンセリングやメイクサービス、オリジナル美容成分を使ったエステサービスを展開する。一方、ツヴァイは相手の紹介からお見合いや交際、成婚までサポートするほか、婚活会員に向けた「美やファッション」に関するセミナーを行う。しかしセミナーに関連したサービスを提供できる仕組みがなかった。そこで“美と健康”のサービスを提供するポーラと提携することにより、婚活会員の自分磨きをより具体的にサポートできるようになる。
今回の提携は首都圏を中心に推進し、将来的には全国に展開を広げていく予定だ。
「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反した性質はどんな文脈から生まれているのでしょうか。