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容器回収型ビジネスの可能性

 自宅で簡単に炭酸飲料が作れる「ソーダストリーム」、私も愛用中です。おうち時間が増える中で事業が好調なのも納得ですね。同サービスはペットボトルを使わないだけでなく、ガスシリンダー(ガスボンベ)も使い終わったら捨てずに交換するシステムなので、とてもサステナブルです。

 ビューティ業界でも、減プラを目指し容器回収への取り組みが急増しています。これまではレフィル販売がメインでしたが、最近は資生堂が店頭で充填するサービスをはじめたり、レフィルのサービスも進化している印象です。多くのビューティブランドも参画を発表しているテラサイクルのループも、ゴミを出さない仕組みとして業界を大きく変えるのではと期待をしています。さらに海外では配送する箱も再利用・回収するサービスがあり、コロナ禍でネットショッピングが急増する中でダンボール箱の削減に貢献しているという。容器回収の可能性はまだまだ広がりそうです。

北坂 映梨
NEWS 01

炭酸水メーカーのソーダストリームが絶好調 脱プラの波に乗り前年比45%増

 食品世界最大手ペプシコ傘下の炭酸水メーカー、ソーダストリーム(SODA STREAM)が好調だ。世界で高まるプラスチックごみ削減の波に乗り、2020年の売上高は前年比45%増をマークした。好調を受けて同社はこのほど、昨年発表した2025年までに削減するペットボトルの本数を670億本から780億本へと上方修正した。同社は自宅で炭酸飲料を作ることができる炭酸水メーカーを世界45カ国7万店舗で展開。ガスシリンダー1本でペットボトル120本分の炭酸水を作ることができる。

 ソーダストリームの親会社のペプシコは40年までにカーボンニュートラルを達成することを目標に掲げ、30年までに世界中で稼働する工場のエネルギーを100%再生エネルギーに移行することを発表。また4月20日には、30年までに環境再生型農業を展開することを発表している。ソーダストリームも22年までにサプライチェーン全体のエネルギーの10%を太陽エネルギーで賄うことを計画。23年までにマシンにリサイクル素材や再生可能な植物由来の素材の導入を目指す。加えて、21年末からフレーバーウォーターの容器をプラスチックからメタル製への移行を始め、25年までに2億本のペットボトルを削減する計画だ。

 ソーダストリームはアースデイに合わせ、フェイスブックの創業者マーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)の姉であるランディ・ザッカーバーグ( Randi Zuckerberg)と共に“Don’t just share, care”と題したキャンペーンを実施している。

 同社は18年末から19年上旬には「海に流れ込むプラスチックがマイクロプラスチックとなり、海洋生物を危険にさらし、やがて私たちの食物連鎖に加わる。例えば寿司という形で」というメッセージを表現した「プラスチック寿司」を広告にするなど“脱ペットボトル”を訴えている。

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NEWS 02

「無印良品」、ペットボトル飲料を循環素材のアルミ缶に切り替え

 「無印良品」(良品計画)は4月23日から、12種の飲料のパッケージをペットボトルからアルミ缶に切り替える。今後、残りの飲料のパッケージも順次切り替え、最終的に全17種の飲料全てがアルミ缶となる。「アルミはリサイクル率が高く、循環型資源とされている」(嶋崎朝子・執行役員食品部長)ことから、「感じ良いくらしと社会」の実現を掲げ、「ESG経営のトップランナー」を目指す良品計画として決定した。

 アルミは「既にリサイクルの回収ルートが整備されており、リサイクル率が97.9%と高い。また、『缶から缶へ』の水平リサイクル率も66.9%と高く、アルミ缶は7〜8回水平リサイクルができるというデータもある。再生アルミの生産は、バージン素材からアルミを作るのに対しかかるエネルギーを97%削減できる」と嶋崎執行役員。また、アルミの遮光性の高さ、透過性の低さによって、飲料の光による酸化や、炭酸の抜けなども比較的抑えることができ、賞味期限をお茶で40日、炭酸飲料で90日延ばすことができたという。「飲料はそもそも食品の中でも廃棄率の低いアイテムではあるが、これにより廃棄を限りなくゼロに近づけることができる」という面もアピールする。

 これまで、黒豆茶やとうもろこし茶などの主力のペットボトル飲料は、500ミリリットルを100円(税込)で販売してきた。アルミ缶は「ペットボトルに比べるとまだまだ選べるサイズなどが限られる」ことから、375ミリリットル缶を90円で販売する。炭酸飲料は280ミリリットルで150〜190円。アルミ缶になり、中身が見えないことで「食品としての魅力はやや表現しづらくなる。パッケージにイラストを入れることなどによって、魅力を感じてもらえるように工夫した」。

 アルミ缶への切り替えを発表した22日の記者会見では、同時に昨年から行っている「水プロジェクト」についても紹介。店内に給水所を設けるとともに、自治体などとも連携して給水ポイントをマップにし、アプリで発信している。「無印良品」の詰め替えボトル(190円)や、持参の水筒などに詰めることができる。「当初は、一部デベロッパーから『施設内で水が売れなくなるので給水をやめてほしい』と言われることもあったが、お客さまと一緒に環境や健康について考えていくきっかけを作りたかった」と狙いを話す。現在、国内270店に給水所を設けているが、2021年末までにこれを全店規模に広める考え。外部企業や自治体とも組んで、同取り組みの拡大を目指す。

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最新号の読みどころ

「クワイエット・ラグジュアリー」の静寂を破り、2026年春夏のウィメンズ市場に“カワイイ”が帰ってきました。しかし、大人がいま手に取るべきは、かつての「甘さ」をそのまま繰り返すことではありません。求めているのは、甘さに知性と物語を宿した、進化した“カワイイ”です。「WWDJAPAN」12月15日号は、「“カワイイ”エボリューション!」と題し、来る2026年春夏シーズンのウィメンズリアルトレンドを徹底特集します。