石原:いくつかありますけど、洋服は大事かもしれないですね。着るのも買うのも好きです。気に入った服を買って、タグ切る瞬間ってすごく気持ちいいですよね。
WWD:ショッパーを開ける瞬間ではなく、タグを切る瞬間とは(笑)。自身に似合う服が分かっているということもあると思うのですが、ドラマで着た洋服や小物が売れる現象も起きています。なぜだと思われますか?
石原:そんなに高くないものだからだと思います。それに連ドラの作品は、夢があり自分の可能性にまだ限界を感じていないココロが多感な皆さまに向けての作品にしているから、影響を与えやすいのかもしれません。私自身、10代の頃にすごく影響を受けました。ファッションもメイクもすごくキラキラしていて、恋愛もすごく素敵でキュンキュンして。マネをしたり、主題歌のCDを買ったり。その経験があるので、私が出るドラマでもそう気持ちを与えたいという目的を持っています。その世代が好きな洋服は何って何だろうといつも考えながら選んでるので、刺さって嬉しいなと思います。
WWD:社会貢献に対する意識も高いようですが、次にチャレンジしたいことは?
石原:2年前からアフリカに行っていて、今年もできれば行きたいと思っています。やっぱり、私のことが知られていない場所に行って何かできることがないのかと考えています。NGOの友人やJICA(国際協力機構)や青年海外協力隊の知人も多いのですが、与えに行っているだけではなく、得るものもたくさんあるんです。そのモチベーションが私にもあり、励ましに行っているけど、励まされます。それはアフリカに行くようになってから気付けたことなので、それを大切にしてライフワークにしていきたいと思います。
WWD:「シン・ゴジラ」のヒロイン役というのは、キャリアの中で一番の代表作になりそうか?
石原:どうでしょう。でも作品に入る時は、毎回念入りに準備をして、全力で取り組むようにしています。「進撃の巨人」という作品に昨年出演させていただいて、すごくチャレンジングなものだったのですが、今回はそれ以上に負荷のかかるものでした。一方で、今回の作品で改めて放射能や原爆といったものについてすごい考えさせられました。それに、この作品に出会って、アメリカの大統領特使という役をやっていなかったら抱かなかった感情とか、知ろうと思わなかった部分もけっこうあるなと思いました。先日オバマ大統領が広島を訪れて献花をし、被爆された方を抱きしめたという話も、歴史的だなと思っています。これはアメリカ側の人間を演じたからこそ引っかかる部分だと感じました。作品を経験をしていなかったら、こんな感情にはならなかったなと思います。今年で30歳になりますが、代表作というよりも、これから生きていく中でいろいろと学んでいこうと思ったきっかけになった作品だと思います。