WWD:今回は米国大統領特使のカヨコ・アン・パタースンという役を演じましたが、役作りのためにどのようなアプローチをしたんですか?
石原:まずは台本の読み込みから始めました。やはり当時、新聞でもニュースがたくさん飛び交っていて、知っているワードもある中で、目や耳にするワードが具体的にどういうものなのか、漠然としているものを正確にしていき、それを台本に書き込んでいきました。その中で私が演じるカヨコの役柄は、アメリカで生まれ育って、上院議員の娘で、親の七光りを存分に受けて、環境が整っているなかで努力もしてきて、だからこそ「私は世界を変えられる」という自信を持っている。そんな時に東京で巨大不明生物が出現したという事件があり、私はパーティー中にも関わらず呼び出されて、日本に行けと言われる。正直、危険なところにアメリカ代表として行くものの、自分でやりたくてやっているかも分からない、行きたくて行くのかということも分からない。その中で日本に来て、なめられたくなくて、粋がるというか、巨大生物について情報を持っているからこそ上から目線で日本側の人々と接していくんです。そういう意味では、きつくて、クレバーで、芯が通っていて、自信満々で、なめられたくなくて強くいる、という女性でありたいなと思っていました。だけどやっぱりちゃんと常識を持っている子なので、日本人と接し、情報を提供していく中で、言っていいことと悪いことを計りながら、日本の国民性を知っていって感化されていく。そういった、大きく気持ちが変化し、成長を遂げてくキャラクターはあまりいなかったので、そこを大切にしました。WWD:英語を流暢にしゃべる女性エージェント、いわゆるキャリアウーマンということでしたが、役作りにおける立ち振る舞いなどはどのように身に付けたのですか?
石原:まず、人脈をたどりました。アメリカで、政治の方で活躍している方や、ニューヨークの日本大使館で働いている方などを紹介してもらい、話を聞いて、服装から持ち物、考え方、髪型、そして英語と日本語の割合や、どれがカタカナ英語かなど、いろいろな話を聞いて、打ち合わせの段階で提出しました。それこそ持ち物も、こういうペンを使うんです、とか、こういう時計をつけたいんです、など、そういうのも含めて。ヘアメイクについても、いつもお世話になっているメイクさんに「ニューヨークで活躍している政治家ってどんなメイクなの?」といろいろと調べてもらって、こういうメイクがいいよね、このぐらいの彫りの深さがいいよね、この色だよね、といいながら、そろえていきました。