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海外セレブ、スタイリスト、デザイナーの関係性 凄腕スタイリスト10人をピックアップ!

 レッドカーペットでセレブリティーたちが着用するドレスは、多くの人が注目しており、「誰がどんなドレスをチョイスするのか⁉」とメディアをにぎわせる。アカデミー賞のレッドカーペットで着用する究極の一枚を選ぶセレブリティーにとって、スタイリストの存在は非常に大きい。

 2014年のアカデミー賞授賞式で、ブルーの「プラダ(PRADA)」のドレスを着用した女優ルピタ・ニョンゴは、ドレスに関しての質問に応えた際、自身のスタイリストであるミカエラ・アーランジャーの名前を出した。ルピタは、彼女のツイッターやインスタグラムでもよくミカエラをタグ付けしていた。これがきっかけで、ミカエラは多くの人から注目を浴びるスタイリストになった。ミカエラやレイチェル・ゾーが所属する事務所ザ・ウォール・グループのブライアン・スミスは、「ルピタは、迷わずミカエラを選び、信用した。そしてミカエラはあっという間に注目の的になった。レイチェル以降、ここまで注目されたスタイリストはいなかった」と話す。

 デザイナーにとっても、自分たちのドレスをセレブリティーに着てもらうため、その懸け橋となるスタイリストの存在は大きい。ジャンバティスタ・ヴァリは、ハリウッドでディナーパーティーを開催し、ペトラ・フラネリーやエリザベス・スチュアート、カーラ・ウェルチ、ライアン・ヘイスティングスら、多くのスタイリストを招いた。「スタイリストが好き。彼らなしでは、私は今ここにいない」とヴァリ。レッドカーペットで多く見られる「エリー・サーブ(ELIE SAAB)」の創業者兼デザイナーであるエリー・サーブも、初めてロサンゼルスに渡航した際に開催したディナーに、街中のスタイリストを招き、14-15年秋冬のコレクションを見せた。

 第87回アカデミー主演女優賞にノミネートされたフェリシティ・ジョーンズは、カーラ・ウェルチをスタイリストに持つ。フェリシティは、「彼女は素晴らしい。彼女とパートナーシップを組んで1年半になるが、協力してドレス選びをしている。信頼関係も十分に築けている」と話す。カーラは、「クライアントとは、コラボレーターのような関係を築いている。フェリシティとは、全てのルックについて話し合いながらドレスを念入りに決めている。『ディオール(DIOR)』と契約しているとうわさされたりもするが、契約はしていない。セレブリティーはランウエイモデルではなく、体形も異なる。だからフィッティングのときには必ずフィッティングルームに立ち会い、ベストに見えるように調整する。そして何より、ドレスを着たときの気持ちを大切にしている。彼女たちがドレスを着用して自信が持てたとき、目標を達成したと思える」と話す。

 もちろんドレスを探すのはスタイリストの役目だが、究極の一枚は必ずしもランウエイで発表されるとは限らない。デザイナーたちは、ランウエイでも発表しないVIPドレスを用意しているという。「昨年のアカデミー賞でオリヴィア・ワイルドが着用した『ヴァレンティノ(VALENTINO)』のブラック&ホワイトのドレスも、『ヴァレンティノ』からスケッチが送られてきて初めてそのドレスの存在を知った」とカーラ。

 セレブリティーのスタイリングを手掛けることは誇らしいことである一方で、時間も費用もかかる。ルックをそろえるに当たって多額の予算が必要であるのに対し、その報酬は少なく、採算は取れないのが現状だ。スタイリストのジョージ・コッツィオプーロスは、「私たちの仕事に規約はなく、組織にもなっていない。お金が支払われない場合もある。でも、たとえセレブリティーがスタジオ代を支払ってくれなくても、僕たちは仕事を受けるよ。他のスタイリストにさせるくらいならね」と話す。セレブリティーをスタイリングすることは、いわば名前を売り出すためのものだといえる。

 次のページからは、海外セレブのスタイリングを手掛ける凄腕スタイリスト10人をピックアップする。