Fashion. Beauty. Business.

TOPICS

意外な組み合わせ

6月開催の「ピッティ・イマージネ・ウオモ」2025年春夏シーズンのゲストに、ポール・スミスとマリーン・セルの参加が決まりました。スーツに強い「ポール・スミス」と、スポーツスタイルが得意の「マリーン セル」という対照的な組み合わせです。前者は1993年の「ピッティ」に初めてのゲストデザイナーとして参加した実績があり、会場演出も含めて相当力が入っているかもしれません。それに後者は最近のメンズシーンの新潮流である、新たな“男らしさ”を探求するスタイルが期待できそうで楽しみです。

「ピッティ」のファッションショーは、本来イベントに注目を集めるための施策だったはずなのですが、現地では「今シーズンはどのブランドがショーをやるの?」と毎シーズンのように質問されます。6月はショーのブランドも展示会のメーカーも、取材するメディアも一体となってイベントをさらに盛り上げていきたいですね。

大塚 千践
NEWS 01

「ポール・スミス」6月のピッティ・ウオモで2025年春夏メンズコレクションを発表

ポール・スミス(PAUL SMITH)」は、2024年6月11日からイタリアで開催されるメンズ最大規模の合同展「ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMMAGINE UOMO 以下、ピッティ)」に参加し、2025年春夏コレクションを発表する。

「ポール・スミス」は1970年のブランド創設以来、伝統に敬意を払いつつ、既成概念にとらわれないテーラリングやフォーマルウエアで人気を博してきた。こうした背景を受け、このほどメンズウエアに特化した「ピッティ」に参加を決めた。

デザイナーのポール・スミスは、「私の25年春夏メンズコレクションで『ピッティ』のオープニングを飾れることを嬉しく思う。遡ること1993年、私はピッティに招待された最初のゲストデザイナーの1人だった。よりパーソナルな雰囲気の中でコレクションを発表できることを楽しみにしているし、フィレンツェに戻ることは、私にとって自然なことであり必然だと感じている」と語る。

「ピッティ」のラファエル・ナポレオーネ(Raffaello Napoleone)最高経営責任者は「ポール・スミスは、先見の明を持ったデザイナーであり、無限の好奇心と熱意、そして天性のエレガンスを持つジェントルマンであり、英国のクリエイティビティの代表する人物。私にとっても『ピッティ』にとっても、彼は大切な友人。ポール・スミスと『ピッティ』の絆は、過去30年間にわたり数多くの印象深いイベントを生み出してきた。この素晴らしい旅の新しい章が、次回フィレンツェで繰り広げられることを大変名誉に思う」とコメントを寄せた。

トップページに戻る
NEWS 02

米ブランド管理会社ABG、「チャンピオン」を1500億円で買収へ 非公式な合意の段階

米ブランド管理会社オーセンティック・ブランズ・グループ(AUTHENTIC BRANDS GROUP以下、ABG)は、ヘインズブランズ(HANESBRANDS)から、「チャンピオン(CHAMPION)」を10億ドル(約1510億円)強で買収することに非公式に合意した。情報筋によれば、来週中にも正式な合意に至る予定で、5〜6月に手続きが完了するのではないかという。契約の成立後、ABGは「チャンピオン」の製造、デザイン、物流、運営などを外注に切り替えるかもしれず、大規模な人員整理につながる可能性もありそうだ。

「チャンピオン」はここ数年にわたって業績が低迷しており、2023年10~12月期(第4四半期)におけるグローバルでの売上高は前年同期比23%減だった。同ブランドを擁するヘインズブランズも不調で、23年12月期の売上高は前期比9.6%減の56億3652万ドル(約8511億円)、営業利益は同44.4%減の2億8878万ドル(約436億円)だった。純損失は前年の1億2720万ドル(約192億円)から1772万ドル(約26億円)と大幅に縮小したものの、引き続き31億ドル(約4681億円)程度の負債を抱えている。

このため、同社は昨年、主軸である「ヘインズ(HANES)」に次ぐブランドの「チャンピオン」を14億ドル(約2114億円)程度で売却する意向を明らかにしていた。その際、ABGに加えて、投資会社シカモア・パートナーズ(SYCAMORE PARTNERS)、イスラエルを拠点とするアパレルメーカーのデルタ・ガリル・インダストリーズ(DELTA GALIL INDUSTRIES)、G-IIIアパレル グループ(G-III APPAREL GROUP)、ブランドマネジメント会社WHPグローバルなども買収に関心を示していたという。

ABGは、「フォーエバー21(FOREVER 21)」、「リーボック(REEBOK)」「バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)」「テッドベーカー(TED BAKER)」や、スポーツ月刊誌「スポーツ・イラストレイテッド(Sports Illustrated)」など、さまざまなカテゴリーで多数のブランドを保有している。23年4月には「クイックシルバー(QUIKSILVER)」「ビラボン(BILLABONG)」「ロキシー(ROXY)」「DCシューズ(DC SHOES)」などを擁する米サーフウエア会社ボードライダーズ(BOARDRIDERS)を、6月にはラバーブーツで知られる英ブランド「ハンター(HUNTER)」の知的財産権を買収。10月には、「フォーエバー21」のライフスタイルおよびファッションカテゴリーにおいて、グローバルSPAブランド「シーイン(SHEIN)」と長期的なパートナーシップ契約を締結した。

「チャンピオン」は1919年、ニューヨークのローチェスターで誕生。メンズおよびウィメンズのスポーツウエアやカジュアルウエア、フットウエアなどを製造販売している。日本では、2016年3月にゴールドウインが「チャンピオン」事業をヘインズブランズ ジャパンに譲渡している。

トップページに戻る

最新号の読みどころ

「クワイエット・ラグジュアリー」の静寂を破り、2026年春夏のウィメンズ市場に“カワイイ”が帰ってきました。しかし、大人がいま手に取るべきは、かつての「甘さ」をそのまま繰り返すことではありません。求めているのは、甘さに知性と物語を宿した、進化した“カワイイ”です。「WWDJAPAN」12月15日号は、「“カワイイ”エボリューション!」と題し、来る2026年春夏シーズンのウィメンズリアルトレンドを徹底特集します。